【天体観測】いっかくじゅう座のNGC2261「ハッブルの変光星雲」を撮影

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撮影に至る経緯

一昨日の夜のこと、例の天文ガイドの付録ポスターに冬のDSOとして掲載されている、いっかくじゅう座のNGC2261「ハッブルの変光星雲」に鏡筒を向けてみました。何だか嫌な予感がして、現在どの程度の高度にあるか確認したかったのです。
時刻は21時30分頃、ハッブルの変光星雲はほぼ真上にあり、愛機スーパーポラリス赤道儀の目盛環を使って導入すると、どうやっても赤緯ノブが、赤経クランプに干渉してしまいます。

出遅れたか?と焦りました。

鏡筒を赤経軸の東側に配置することで解決はしますが、赤経赤緯値を換算しないといけなくなり、計算の苦手な管理人は、その方法を採用したくありません。

結局その時は、そういう状況だということを認識して天体観測は終了。曇ってしまったのです。

そして昨夜、早い時間帯に撮影をしたら大丈夫かと思い、会社は定時速攻で上がり、18時30分ころから撮影基地を設営、19時には極軸設定などの準備を開始しました。
ふたご座の位置から考えると、ハッブルの変光星雲はちょうど良い高度にあるようでした。

しかし、ハッブルの変光星雲の真南に、月齢11.4の明るい月が鎮座しており、DSO撮影には不向きな夜でした。
しかし、待ったのできない管理人、撮影を強行しました。

↓ハッブルの変光星雲を追尾する、スーパーポラリス赤道儀、モータードライブMD-6、鏡筒SV503 102ED

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撮影の経過と結果

恒星のピント合わせ

この作業、色々な恒星で行うことで、恒星の名前を覚えるのに役立っています。いろいろな名前の星があるもので、昨夜ピント合わせに使った恒星の名前は、ふたご座の「アルヘナ」でした。双子の一人の足に当たる部分です。
等級は1.9。これくらいで空が澄んでいれば、肉眼で確認できます。

↓アルヘナです。前回の撮影時のドローチューブの繰り出し幅そのままになっており、ピントはほぼ合っているように見えます。

↓バーティノフマスクをかけて、ピントをチェックします。ほとんど合っているようですが・・・小さな散光星雲であるハッブルの変光星雲がターゲットですから、ピントは少しでも外したくない。

↓少しだけフォーカスノブを動かしてみました。さらにピントが合ったような気がします。

↓これでピントを固定しました。細かい星がちりばめられていてとても美しい眺めです。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

ハッブルの変光星雲も淡い影のようですから、なるべく長時間のスタック時間を確保すべく、気合を入れて極軸設定をしました。
いつものSharpCapのPolar Align機能を使い、23″の設定誤差まで追い込むことが出来ました。「Excellent」です。

自動追尾の状況

昨夜の自動追尾はほぼ完璧で、最終的には4576秒(76分16秒)の総スタック時間を稼ぎました。
その時の追尾精度から行けば、90分、もしかしたら120分もいけたかもしれません。
昨夜は少々用事があり、上記の自動追尾時間で強制終了となったものです。

基準恒星と目標天体の導入

基準恒星の候補はいくつかありました。

①ふたご座アルヘナ(等級1.9、赤経06h38m・赤緯+16°22′)
②ふたご座アルジル(等級3.35、赤経06h46m・赤緯+12°52′)
③オリオン座ベテルギウス(等級0.45、赤経05h56m、赤緯+07°24′)

そして目標天体NGC2264「ハッブルの変光星雲」は、等級9.00、赤経06h40m・赤緯+08°42″。

基準恒星としては、明るい方がアングルにとらえやすいし、何かと便利ですが、今回アルジルという、ハッブルの変光星雲にかなり近い恒星があります。しかし暗いです。肉眼では、よーく見ないと確認できません。
アルヘナとベテルギウスは明るさの点で使いやすいですが、目標天体から少々遠い。

今回は距離の利をとって、がんばってアルジルを基準恒星に使うことにしました。口径50mmのファインダーでは、アルジル周辺の暗い星を間違えて導入しそうでしたが、astrometry.netを使って確認し基準恒星を導入、目標天体の「ハッブルの変光星雲」は、二度目のトライで導入に 成功しました。
ユーモラスな形をしているので、一旦アングルに捉えれば、すぐに分かりました。

撮影結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによるトーンカーブ補正・色強調
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ

露出8秒間、総スタック時間 4576秒(76分16秒) 、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。
という設定で撮影しました。
散光星雲ということですが、いっかくじゅう座のR星によって照らされているそうです。星雲の中心辺りに見えそうなものですが、見えないのが正解だそうです。残念ですね。
先にも述べた通り、とても可愛らしいフォルムの星雲です、昔ながらのオバケ、オバケのQ太郎に似ています。もう少し不気味な感じですけどね。
宇宙をさまようオバケのようです。

↓拡大するとこんな感じです。拡大して荒くなってしまったものの、割と細部まで捉えられたと思います。

実は、ビクセン社8OMを使って撮影したことがありました。2021年1月9日のこと・・・↓のような成果を得ていました。これもなかなか良く写っている気がしますが、やはり口径80mmと102mmでは歴然とした差があります。またそうではないと困りますが(^-^;

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まとめ

実は、月光参考の画像なのですが、うまくGIMPで編集出来て、月光の影響はかなり改善できた画像になりました。
GAINをあまり上げると、細部が見えなくなるのではと思い、250にとどめましたが、300でもいけるのではと考えます。いつか試してみたいと思います。
昨年1月の撮影と比べると、通常アクロマートオールコートと、EDアポクロマートとでは比較はできませんが、管理人のスキルも少しは上がったのではないかと感じています。

さて、今回の撮影で、ハッブルの変光星雲は、合格したものとし、天文ガイドの付録ポスター制覇状況は以下のようになりました。
あと二つのDSOの撮影に成功したら、ミッションコンプリートです。

済①かに星雲(おうし座)
済②M35(ふたご座)

③M41(おおいぬ座)
済④M42オリオン大星雲(オリオン座)
済⑤M45プレヤデス星団(おうし座)
済⑥M46(とも座)
済⑦M50(いっかくじゅう座)
済⑧M78(オリオン座)
済⑨ハッブルの変光星雲(いっかくじゅう座)
済⑩コーン星雲、クリスマスツリー星団(いっかくじゅう座)

⑪NGC2477(とも座)

ベランダ撮影も可能ではありますが、⑪NGC2477は、撮影可能になる時間がかなり遅いものと考え、やはりプチ遠征で対応したいところです。
③M41はそうでもないですが、⑪と同じ問題があり、やはりプチ遠征で対応したいところです。

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コメント

  1. きよりん より:

    こんにちは。
    SP赤道儀ですが、季節により観測時にクランプが干渉するようになってきたときは、赤緯ユニットの取り付けの六角ネジ四ヶ所を外して90度、または180度ずらした位置に取り付け直してください。GP 赤道儀も同様なんですが、この赤道儀は夏と冬とで赤緯ユニットの位置をずらすことが前提の設計になっています。

    • sanpojin より:

      きよりんさん、おはようございます。
      コメントありがとうございます。

      そうしたことが前提の赤道儀なんですね。
      早速試してみます。その方が、赤緯微動ハンドルとの接触事故を防げますもんね。
      大変貴重なアドバイス感謝いたします。
      しかし、この4つのねじを外すのは少し勇気がいりますね(笑)

      今後ともよろしくお願いいたします。

  2. きよりん より:

    書き忘れましたが、六角ネジは締めすぎないようにご注意ください。

    • sanpojin より:

      きよりんさん、コメントありがとうございます。

      了解いたしました。締めすぎないように注意します。

      アドバイス感謝いたします。

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