撮影に至る経緯
かねてから進めていた、天文ガイド誌の付録ポスターに掲載されている冬のDSO11個を全て撮影するミッション、あと一つを残して、制覇目前まで来ておりました。
あと一つとは、とも座の散開星団NGC2477。
まだまだ高度が低くて、程よい高度になるのを待っていたのですが、このDSOはたいして高度が高くならないのですね。そもそも、とも座自体、低空を平行移動するように日周運動をします。
そこで、そろそろ、高度がMAXに近づきつつあることを踏まえて、昨夜、いつもの河川敷公園にプチ遠征して(自宅ベランダからでは位置的に撮影が難しい)撮影することにしました。あともう一息で春になってしまいますしね。
あと、この散開星団には「エレキギター星団」という愛称がついていて、どのように見えるのか楽しみでした。
↓NGC2477を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。NGC2477はこれくらいの高度にしかならないんですね。
撮影の経過と結果
恒星のピント合わせ
実は、NGC2477の前に、別の天体を撮影しており、NGC2477の撮影をする段階では、恒星のピント合わせは終わっていました。
これは後日の記事にしたいと思います。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
明るい散開星団ですので、あまり撮影時間を長くするつもりはありませんでしたが、いつものこだわりで、設定誤差30″以内を目指しました。excellentが欲しいのです(^-^;
いつものようにSharpCapの極軸設定機能であるPolar Alignを使って、設定誤差18″の極軸設定が出来ました。これで散開星団の追尾には十分かと思われました。
自動追尾の状況
自動追尾時間約40分で、そこそこ誤差が出ましたが、許容範囲でした。おそらく1時間くらいの追尾は可能だったと思われます。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体NGC2477(赤経07h52m、赤緯-38°31′)に迫るための基準恒星は、手っ取り早いのはシリウスでしたが、少し遠い印象があり、もっと近くに恒星が見えないか目を凝らしました。
みつかったのは、おおいぬ座のアダラ(等級1.50、赤経06h59m・赤緯-29°00′)でした。
これを基準恒星と定め、目盛環を使ってNGC2477を目指しました。
結果として、一度の移動で目標天体を捉えることが出来ました。素晴らしい。
↓アダラ。周囲の小さい星も含めて奇麗です。
撮影結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色強調
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外の河川敷公園駐車場
露出8秒間、総スタック時間2520秒(42分)、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。
にて撮影しました。
さすが、天文ガイドさんが冬のDSOに選ぶだけあって、迫力のある散開星団です。
星の数は100を超えています。
エレキギター星団の話を回収しなければならないのですが、星団から横に並ぶ複数の恒星がギターのネック、星団本体は、ギターの本体と見れば、なんとなくギターに見えてきます。
しかし、エレキ!これはどう見ても説明できません(^-^;
まとめ
これで、いよいよ、冬のDSO撮影制覇のミッションはコンプリートしました。秋のDSOは手を付けるのが遅く、最後がバタバタしましたが、今回は比較的早く計画的に実施したため、余裕をもって撮影を楽しむことが出来ました。
それでは、sanpojin版冬のDSOをまとめておきたいと思います。
そして、次は春のDSOです。こちらも楽しみです。
コメント