目次
撮影に至る経緯
愛称の面白い散開星団を追っかけている一環です。時は、2022年3月8日にさかのぼります。
いっかくじゅう座は、高度がかなり高くなり、そろそろ撮影が難しくなってきました。暗くなったら即ライブスタックスタートくらいでないと、鏡筒がエアコンの室外機に干渉したり、赤緯微動ハンドルが赤経クラッチノブに干渉したりします。
今回の撮影は奇跡的にできたというほかありません。
愛称「アヴェリーの島」
インターネットでも検索してみましたが、アメリカ合衆国にアヴェリー島という島が実在するようです。
ということは、NGC2353が、アヴェリー島の形に似ているというのが、差しさわりの無い予測でしょう。
それでは、撮影して、アヴェリー島に似ているかどうか確認してみましょう。
撮影の経過及び結果
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
いつもどおり、20″未満の設定誤差を目指しました。最近、途中で星を掴んでくれなくなることが多く、この日も少し手こずりました。高度調整ノブを、誤差とは関係なく思い切って動かすと、星を掴んでくれますが、誤差が少なくなっていくと、また、同じように星を掴んでくれなくなります。
これを繰り返していると、何回目かで極軸に迫ることができるようになります。
なので、最近、極軸設定にかける時間が長いのです。
ただ、精度は高くて、設定誤差13″まで追い込むことが出来ました。
自動追尾の状況
63分44秒の自動追尾を行いました。
極軸設定の精度が良い割には、追尾誤差がそこそこ出ました。
最近、このパターンが多いですが、まあノータッチで撮影しているので、これくらいは許容しないといけないのでしょうね。
恒星のピント合わせ
この撮影の前のピント位置が残っているので、念のため、この段階で確認します。
そしてそれは、ついでに基準恒星となります。
ピント合わせには、目標天体NGC2353アヴェリーの島に近くて明るいシリウスを使いました。
バーティノフマスクを装着して・・・少しずれてる?
デュアルスピードフォーカサーのノブを若干手前に動かしたら、以下のようにピントが合いました。
基準恒星と目標天体の導入
基準恒星はすでに、恒星のピント合わせのまま、画角に導入されています。
このシリウス(等級-1.45、赤経06h45m、赤緯-16°43′)を基準恒星に使いました。
目標天体、NGC2353アヴェリーの島は、赤経07h14m、赤緯-10°16′の位置にあります。
プロキオン(等級0.40、赤経07h39m・赤緯+05°13′)よりは近いかなという感じ。
導入は、二度のトライで成功です。安定しています。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色強調・colorenhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年3月8日火曜日
露出8秒間、総スタック時間3824秒(63分24秒)、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。にて撮影。
アヴェリー島とは、このような形をしているのでしょうか。
ネットで見かけた画像と比較すると、うーん、似てると言えば似ていない、似ていないと言えば似ている、そんな感じです。
密集度が低くて、形は捉えにくい散開星団ですが、名付け親にはアヴェリー島に見えたのでしょうね。
夜空の星座も、え?これが?というのは多いです。
まとめ
星の数は少ないですが、広がりもあるので、見ていて飽きない形でした。
マイナーな散開星団も、こういう奇麗なのがありますので、やめられません。
アヴェリー島の形との関連性は、今一つはっきりしていませんが、似ているということにしておきます。
今後も愛称のある天体を追っかけますが、愛称との関連性の分からない天体が多そうですね。
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