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【天体観測】レデューサー非装着(主焦点)でかに星雲を撮影してみた

天体撮影に関する事項
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撮影の経緯

バローレンズによるDSOの撮影について、考えてきました。

視直径の小さい、惑星状星雲などで、バローレンズを使いたい場面があると思います。
しかし、いきなり、焦点距離が2倍になるのでは、目標天体の導入などが難しくなるということが、上記記事で分かりました。

訪問者さまからアドバイスをいただきました。
×0.5のレデューサー光学系、何も入れない主焦点系、そして×2のバロー光学系と3ステップとすることで、主焦点系で大き過ぎない視野角で天体を狙えるのではないか、と。

なるほど、DSOはレデューサーを装着するものと思い込んでこれまでやってきました。
何も装着しない主焦点をつかうことで、導入も、明るさ対応もかなり楽になります。
キャッツアイ星雲も、主焦点系のステップと考えて観測すれば模様が見えるかもしれません。

そこで今回は、キャッツアイ星雲は方角的に自宅ベランダからは見えないので、かに星雲を使ってレデューサーもバローレンズも装着しない主焦点で撮影を試みました。

撮影までこぎつければこちらのものです。問題はピントの合った状態で、目標天体を導入することです。

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撮影の経過と結果

恒星のピント合わせ

目分量でピントを合わせて、SharpCapのPolar Align機能を使ったら、設定できなかったので、やはり、レデューサーを装着した状態で、ふたご座ポルックスでピント合わせをしました。

↓やはり目分量ではこんなにずれているんですね。

↓これで、ピントはOKです(極軸設定のためだけのピント合わせ)

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

まずは、レデューサーを装着した状態でSharpCapのPolar Align機能で極軸設定をしました。この機能を使うには、なるべく広い範囲の画角が必要なので、レデューサーが必要です。
そして、これまでやったことのない、f=714mmの自動追尾。できる限り設定誤差をなくしたいところ、13″に抑えることが出来ました。excellent!

自動追尾の状況

今回、f=714mmを使った初めての自動追尾となりました。
意外にも良好な追尾状況となり、自動追尾時間1616秒を無難にこなしました。
やっぱり、スーパーポラリス赤道儀と、モータードライブMD-6はやりますね!

主焦点のピント合わせ

今回はここで、一ステップ追加です。
いよいよレデューサーを外して、主焦点の世界に行かなければなりません。
それには、目標天体に達してからピントを合わせるよりも、目標天体に飛ぶ前に明るい星でピントを合わせておいた方が、楽だと思います。
基準恒星はぎょしゃ座のエルナトとしました。

↓まず、レデューサーを装着した状態でエルナトを捉えました。なるべく中央に配置しました。

↓レデューサーを外しました。ど真ん中ではありませんが、エルナトを主焦点で捉えることに成功です。管理人にとってはかなりの成功です。

↓そして、バーティノフマスクでピント合わせです。レデューサーを外したのですから当然ピントはズレています。

↓これを調整して、ピント合わせ成功です。

基準恒星と目標天体の導入

先に記載しましたが、目標天体かに星雲(赤経05h34m、赤緯+22°00′)に飛ぶには、エルナト(等級1.65、赤経05h26m・赤緯+28°36″)が好ましいと思います。(ピント合わせのためにエルナトを選んだのですから当然です)

エルナトに赤経赤緯値をセットして、ジャンプしたところ、なんと一発で画角導入成功です!
ビギナーズラックかもしれませんが、主焦点で目標天体を導入することは、目盛環で可能ということが分かりました。

↓導入直後。暗くて見えなかったです。GAIN300では、主焦点の暗さに対抗するには低すぎたかもしれません。

撮影結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる彩度調整、トーンカーブ調整
使用フィルター:×0.5レデューサー(撮影には使用せず)、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ

露出8秒間、総スタック時間1616秒間、GAIN300。(レデューサー装着せず、主焦点使用)
にて撮影しました。
やはり、焦点距離を伸ばした分、暗くなってしまい、ノイズもきつくなりました。主焦点ではGAIN300では足りないようです。
そして、総スタック時間も足りないです。この辺りは想像以上でした。

↓は過去に撮影したかに星雲の画像です。レデューサー装着してます。GEIN250で撮影してこの明るさ。いまさらながら、焦点距離による明暗の違いを実感しました。
しかし、大きさの点では、主焦点に大きなメリットがあり、惑星状星雲の撮影などに威力を発揮しそうです。

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まとめ

これまで、主焦点では、DSOの導入が出来ないに違いないと思っていたのですが、何と一発で導入に成功し、自信をつけました。
訪問者さまにも言われましたが、根気よく導入することで、導入は可能ですね。

さてこれで、キャッツアイ星雲への挑戦になるわけですが、その前にもう一度練習です。
エスキモー星雲で、導入の具合、GAIN、総スタック時間の最適値などを探っていきたいと思います。
土曜日の夜のプチ遠征に間に合うと良いのですが、天気がね・・・。

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