目次
撮影に至る経緯
先日の記事、「【天体観測】はくちょう座散開星団IC5146「まゆ星雲」を撮影しました。」で書いたように、星雲を伴う散開星団が奇麗で、気に入りました。
そこで、はくちょう座付近で同じような散開星団を探したところ、ありました。
こぎつね座の散開星団NGC6823です。大きさも40′×30′と、ちょうど良い大きさです。
撮影・撮像については、赤い星雲なので難易度が高いです。
しかし、散開星団と赤い星雲のコラボは見てみたい!
ということで、NGC6823の撮影を決定しました。
撮影・撮像に至る経過と結果
恒星のピント合わせ
その夜は、SharpCapのピント合わせ支援機能がどうしても安定せず苦労しました。
使った恒星はこと座のベガです。チョコチョコ赤い長い棒グラフが出ました。
リセットして再確認したところ、↓のようになりましたので、ゴーサインを出しました。
↓SharpCapで調整後。ほぼ合ってますね。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
先の自動追尾の不首尾をとりかえすべく気合を入れて設定しました。
24″まで設定誤差を追い込み、excellentな設定となりました。
自動追尾の状況
残念ながら、今回の撮影でも大きな誤差が出ました。もっとも、写真として成り立たないほどの誤差ではありませんが。トリミングは必要となりました。
やはり、長時間の露出は無理なのでしょうか。
今夜も晴れそうなので、最後のチャンスと思って露出15秒間でチャレンジしようと思います。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体NGC6823の位置は、赤経19h43m、赤緯+23°17′。こぎつね座と、や座の間にあります。
基準恒星には、わし座アルタイル(等級0.75、赤経19h50m、赤緯+08°52′)が適当ですが、高度が低く撮影する頃にはまだ公園の木立で隠れていたので、仕方なく、はくちょう座デネブ(等級1.25、赤経20h41m、+45°16′)からジャンプすることにしました。
こちらは、excellentで、2度で画角に捉えることが出来ました。
撮影・撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN230、15秒間のフレーム240枚を撮影・DeepSkyStackerによるコンポジット(うち229枚コンポジット)・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル調整・ノイズ軽減・色強調、FlatAideProによるフラット補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年6月2日木曜日
撮影の結果
撮影だけでは、炙り出さないと、星雲の色、形は出てきませんでした。
撮像の経過及び結果
GIMPによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正
GIMPにより色レベル調整(炙り出し)をしました。
上と左の黒い帯が、追尾誤差の量(星が動いた距離)です。結構動いてしまいました。
散開星団は、中心から少し上の星の集まりです。
カブリが認められるので、FlatAideProでフラット補正を行いました。↓
赤いカブリが現れましたが、これ、赤い星雲ですかね?
GIMPによるノイズ軽減、色強調→完成
GIMPで色強調し、ノイズ軽減を施し、完成とします。
星雲の広がりが予想以上に大きいらしく、メリハリのない星雲になってしまいました。
まとめ
今回も赤い星雲を見ることが出来て、幸せでした。
星雲を伴う散開星団というのは、一石二鳥で楽しめる貴重な存在です。
広がりのある星雲が多い中、まゆ星雲は、管理人にとって奇跡的な存在でした。
星雲を伴う散開星団は、いて座、さそり座方面に多く存在するようですので、プチ遠征して観測・撮影してみたいです。
ぱっと見、さそり座のクルマエビ星雲というのがとても気になります、どんな形でしょう。
コメント