撮影に至る経緯
一昨日の夜、おおぐま座の渦巻銀河M81を撮影しました。
M81とM82はM81銀河団と呼ばれる同一の銀河団に所属しており、二つの銀河の距離は約十数万光年と近く、M82銀河は、巨大なM81銀河の引力の影響を受けているらしい。
そうなりますと、M81だけ撮影したのでは片手落ちだと思いました。
昨夜もなかなか強烈な月夜で、狙っているおうし座のM35は撮影できそうにありませんでしたので、月から少しでも遠いM82を撮影することにしました。
因みに、不規則銀河とは、回転対称な円盤や渦巻腕を持たず、光の集中した中心核を明確に持たない銀河の総称です。
撮影する前からどんな姿を見せてくれるか楽しみでした。
撮影の経過と結果
恒星のピント合わせ
例のごとくバーティノフマスクを使用して、恒星のピント合わせをしました。
明るい星は、天頂に近いものばかりで使いにくく、何とか目を凝らして見つけた、おおぐま座のドゥベが目に入りました。
まだ低空で、月夜に加えて、街の光の影響を受けていましたが、めぼしい星が無いので仕方ありません。
↓いつもどおりのズレ具合・・・追い込んで・・・
↓これでピントを固定しました。小さな星が鋭い点になるように、パソコン画面とにらめっこしながら、時間をかけてピント合わせをしていたころが嘘のように、素早くピントが合います。
極軸設定
もうすっかりお馴染みの、SharpCapのPolar Align機能を使って極軸を設定しました。
今回も一昨日同様、スムーズに極軸設定をすることが出来ました。
設定誤差は21″、「Excellent」な設定となりました。
管理人のSharpCapの腕も円熟の境地です(笑)
自動追尾の結果
追尾誤差はほとんどなく、なんと、5224秒間のノータッチライブスタックとなりました。
管理人が一旦部屋に戻って、寝ころんだところ寝入ってしまって、いつの間にか87分4秒の追尾が実現していました。あまりにも素晴らしく、幸せな気持ちになりました。
基準恒星と目標天体の導入
M82を導入するには、M82に近い、おおぐま座の星が適切だと考えました。
ピント合わせに使ったドゥベはおおぐま座のα星で2等星です。M82にも近いのです。
そこでドゥベ(赤経11h03m、赤緯+61°45′)を基準恒星としました。
目標天体のM82は赤経09h55m、赤緯+69°40′。
基準恒星までは散歩程度で済みます。
↓ドゥベです。おおぐま座のα星を、ドゥベと呼ぶことを初めて知りました。
撮影結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
撮影場所:自宅ベランダ
露出8秒間、総スタック時間5224秒(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN250。での撮影となりました。GAIN300は、月夜で真っ白になってしまうため、残念ながら断念です。
面白い形の銀河ですね。「葉巻銀河」とも呼ばれているんですね。
M81と同じ構図に入ればと思いましたが、管理人の愛用カメラASI462MCのセンサーサイズ(2.8型)では無理です。少し残念です。
まとめ
冬のDSO制覇の旅が、月光のせいでなかなか始めることができません。
昨夜の月はふたご座の双子星のすぐとなりにあって、とてもM35を撮影できる環境ではありませんでした。プレヤデス星団もそうです。
しかし、今夜も晴れのようなので、いよいよ冬のDSO制覇が再スタートできそうです。
一方、M81とM82を撮影できたことは、大きな成果でした。
そもそもその天体を初めて知ることが出来たこと、そこそこ良い感じに撮影できたこと、月夜が続かなければ、何も知らずにM35を撮影して終わっていたと思います。
月夜で良かった。
しかし、月の撮影をするのは忘れました(^-^;
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