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【天体観測】みずがめ座の球状星団M2を撮影してみた(木星・土星も)

星雲・星団・銀河に関する情報
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経緯

先般の記事で、ペガスス座の球状星団M15を撮影して、

次の撮影は、お隣のみずがめ座のM2、と宣言していました。
それを実行に移しました。
昨夜は雲一つない最高の天気でした。
安心して長時間の天体観測を楽しむことが出来ました。

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極軸設定

いつものように、SharpCapのPolar Align機能を利用しました。
雲がなくてクリーンな空だったこともあるのか、15分くらいで追い込み完了しました。
結果は「Good」。
「Excellent」まで深追いしません。結果がかえって悪くなるかもしれませんから。
結果として、30分のライブスタックでほとんど追尾誤差は出ませんでした。

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導入

なるべく明るく見える星で、目標天体M2(赤経21h 33m、赤緯−0° 49′)に近そうなもの・・・雲一つなくても明るい恒星一つ見つけるのは難しいです。
結局唯一、M2の方面にあったものは、アンドロメダ座のミラク(赤経01h 09m、赤緯+35° 37′ )でした。
かなりお世辞を言わないとM2に近いとは言えないのですが、他に適当な恒星がなく仕方なかったのです。

で、ミラクからM2まで飛んだつもりが、間違えて先般撮影したM15に飛んでしまいました。球状星団は皆形が似ているので間違えるところでした。
いつもはiPhoneでサファリのタブをいくつも開いて見ながら導入をしているのですが、はっと気が付いたら、タブの一番前のものがM15(赤経21h 29m、赤緯+12° 10′)だったんですね。それで、これはM15だと気が付きました。

折角導入したのにやり直しかと思いましたが、M15が画角に導入されている状態ですから、それを基準天体にして、M2に飛べばよいのです。
移動距離はミラクから直接飛ぶよりはるかに近く、一発でM2の導入に成功しました。

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撮影結果

[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセンスーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセンMD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック(リアルタイムダーク補正機能使用)
画像編集: SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによるカラーバランス等編集
その他:UV/IRカットフィルター使用

撮影してみると、M2は、なかなか迫力のある広がりの美しい天体でした。

露出8秒間、総スタック時間1800秒間(リアルタイムダーク補正1800秒間)、GAIN280。
背景の黒さがこれで足りるのかと思いましたが、これ以上黒さを追求(トーンカーブ、露出)すると、星が消えていってしまうので、これが限界と決めました。
Wikipediaの写真が、白い星の集まりでしたので、彩度を調整して以下の画像を得ました。

ちなみに、これのもとになった画像は↓です。一番強く炙り出しをしたものでした。ノイズさえなければ、こちらの方が迫力があります。

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木星と土星

雲一つない夜空、木星と土星の観測も楽しみにしていました。
眼視では、十分その姿を楽しむことが出来ましたが、とってもシーイングが悪かったのです。
FireCaptureの画面に映る木星、土星は、ゆらゆらゆれて、そのまま消えてしまいそうでした。
久しぶりに見るシーイングの悪さでした。
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀、鏡筒、カメラ、自動追尾:同上(ただし、×0.5レデューサーではなく×2バローレンズ使用)
撮影及びスタック:FireCapture2.6、AutoStakkert3.1.4
画像編集:RegiStax 6でWavelet処理、GIMPでカラーバランス、コントラスト等調整
その他:UV/IRカットフィルター使用

木星

これ、大赤斑の見える時間帯を狙ったんですが、言われなければわからないですね。東側(左のことです)から徐々に表れる大赤斑がかろうじて見えます。
せめてもの作業として、Wavelet処理に加えて、GIMPでカラーバランスを木星っぽくしてみました。

Diameter=46.17″、Magnitude=-2.71、FocalLength=1200mm、Resolution=0.50″、Filename=Jup_224427、Date=011021、
Duration=60.011s、Frames captured=7737、ROI=640×480、ROI(Offset)=120×440、FPS (avg.)=128、Shutter=6.014ms、Gain=265 (44%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=3245、Histogramm=79%

土星

土星も、同様にシーイングが最悪で、本体と輪の間が見えなくなるほど、踊っていました。
結局、Wavelet処理任せとなりました。カッシーニの空隙が見える見えないの状況ではありません。
のっぺりとした土星の画像が出来ただけでした。
色が土星っぽくない気がしたので、せめて色だけでもと思い、カラーバランス、彩度調整をしました。

Diameter=17.56″、Magnitude=0.53、FocalLength=1250mm、Resolution=0.47″、Filename=Sat_221840、Date=011021、
Duration=60.048s、Frames captured=3017、ROI=640×480、ROI(Offset)=1072×368、FPS (avg.)=50、Shutter=7.643ms、Gain=401 (66%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=4092、Histogramm=99%

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まとめ

M2は、殊の外上手に撮影できたと思います。球状星団は、同じような顔をしていますが、それぞれ微妙に違うので面白いです。華やかさも良いです。
次はM2の近くにあるやぎ座の球状星団M30を撮影してみようかと思います。
位置的に、それなりに遅い時間ではないと、管理人の家のベランダからは撮影できませんが・・・

木星と土星は、もうどうしようもありませんでした。
とても良い天気で期待していたのですが・・・
シーイングが良くなるチャンスをじっと待ち続けましたが、時間切れ終了となりました。
10月に入り、木星と土星の撮影に、一日でも惜しいのに、こんなことが続いたらもったいなくてもったいなくて。

また、今回の撮影から、本格的に画像編集に取り組み始めました。まだまだGIMPの機能の全てを知らず、初心者ですが、実地訓練を積み重ねて、皆さんのように上手になっていきたいと思います。

シーイングの良い夜空プリーズ!

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