撮影の経緯
最近の、赤い星雲マイブームの一環です。
ふたご座とオリオン座の境界線あたりに、NGC2174という散光星雲があって、この散光星雲が赤い光を発して、形がサルの横顔のように見えることから、「モンキー星雲」の愛称がついています。
前回は、北アメリカ星雲で失敗したので、
今回こそ撮影を成功させたかった。
先般のプチ遠征の中で望遠鏡システム一式が夜露に濡れてしまったこともあり、先のクラゲ星雲に続いて、今一度、正常作動することも確かめたかったのです。
なお、もっともやられたのは鏡筒と赤道儀でした。パソコンは、昨日今日と正常作動中です。モータードライブのコントローラーとかモバイルバッテリーなどは多分大丈夫だったと思います。
いずれにせよ、望遠鏡の心臓部が濡れたこと、昨日は心配な中撮影作業をスタートさせました。
撮影の経過と結果
恒星のピント合わせ
昨夜はふたご座のカストルでピントを合わせました。最初はこの程度のズレから始まり、
↓かなり迷って、ここで追い込み終了としました。ちょっとずれているような気もしますが、ぴったり合っているような気もします。
極軸設定
星のピントが定まったら、次は極軸設定です。SharpCapのPolar Align機能を使います。
赤い星雲はとにかく肉眼では見えないので、露出時間は長ければ長いほど良いです。
極軸設定の結果は「Excellent」でした。誤差はたったの20″です。
自動追尾の状況は、すこぶる良くて、今回2時間近い総スタック時間をとったのですが、追尾誤差は最小限の許容範囲でした。
こういう状態ですと、管理人は幸せな気分になります。
基準恒星と目標天体の導入
昨夜は月夜でしたが、そこそこ星が見えていました。オリオン座は近所の公園の木立からまだ見えてきていないので、基準恒星はふたご座から選びました。
前回ポルックスでしたので、双子星のもう一つ、ふたご座α星のカストル(赤経07h34m、赤緯+31°53″)を基準恒星に選びました。
そして目標天体はモンキー星雲(赤経06h09m、赤緯+20°30′)。
↓カストルです。
赤経軸を多少よっこいしょするくらいで、目標に到達します。
しかし導入には2度のトライを必要としました。そして、画角の中央に持ってくるのには3回くらいのトライを必要としました。
何と言っても見えない相手は手ごわい!
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
露出8秒間、総スタック時間6160秒間(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN300。での撮影です。
実は、この長い総スタック時間は、転寝で寝入ってしまい気が付いてみたら、102分40秒の長時間スタックになっていました。しかし追尾誤差はほとんどなし。上出来です。
画像は、管理人的にはなかなか良い出来です。上を向いた猿の顔に見えませんか?
中央は少し外してしまいましたが、赤い色がよく出ています。残念なのは管理人のASI294MCの画角は1/2.8″。全体は画角に収まらないところですが、今回とても満足な出来でした。
まとめ
今回印象的だったのは、102分を超えるライブスタックのせいで、強調した時のノイズがとても少なかったです。
以前にもこの程度かこれ以上の長時間ライブスタックをしたことがありますが、ここまでノイズが出なかったのは初めてかもしれません。実に喜ばしい。
あとは、赤い星雲はどのあたりにあるんでしょうね。
よく知られているのはオリオン大星雲、馬頭星雲やバーナードループ。馬頭星雲は一度撮影に成功しているけど、暗く写ってしまったので、今一度再挑戦したいところです。
また、大マゼラン雲にはタランチュラ星雲と呼ばれる巨大な赤い星雲があるらしいです。
赤い星雲は大きくて画角に収まらないのが玉に瑕ですが、赤い星雲をもっと見てみたいので、これからもこだわっていきたいと思います。
なお、システムへの夜露の影響は皆無のようです。二日連続で正常作動しましたから。
対物レンズは少し曇っているので、しばらく、画像の出来栄えで様子を見てみたいと思います。
今回は、曇りの影響は無いように思えます。
コメント