目次
撮影に至る経緯
天文ガイドの付録ポスターに掲載されている季節別DSOの撮影の開始です。
手始めは、方角的に楽にとらえられる、こと座惑星状星雲M57「リング状星雲」としました。
普通に良く写る天体ですが、そのせいか欲をかきました。
レデューサー系焦点撮影(f357mm)では小さすぎると思い、主焦点(f714mm)を飛ばして、バロー系焦点撮影(f1,428mm)を試みることにしたわけです。
結果は失敗に終わりました。要因はいくつかあります。
・天気が薄曇りだった
・ピントが甘かった
・天体を止められなかった
・光量が足りなかった。
どれも大きな要因です。
以下、その経過を記載します。
↓リング状星雲を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
撮影・撮像の経過と結果
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
バローレンズを使うのですから、いつも以上の精度の追い込みが必要です。
頑張った甲斐あって、設定誤差18″まで追い込むことができました。
自動追尾の状況
精度の高い極軸設定むなしく、リング状星雲を止めることができませんでした。
追尾時間は1時間でしたが、画角の端まで動いてしまいました。
これができないとなると、DSOのバロー系焦点撮影は、管理人のシステムでは無理ということになります。
恒星のピント合わせ
第一関門はピントです。いつもどおりバーティノフマスクとSharpCapの支援機能を用いました。
いつもと違うのは、レデューサーが装着されてなくて。バローレンズが装着されているところです。
また、極軸設定でレデューサー系焦点を使っており、ドローチューブは大きく動かさないといけません。
しかし、SharpCapの支援機能の画面コピーは忘れましたが、ピントノブを少しだけ動かしたら↓のような光線になりましたのでピント固定しました。
UV/IRカットフィルターとバローレンズの組み合わせはドローチューブ繰り出し幅22mmという、備忘録値が役に立ちました。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体「リング状星雲」(赤経18h53m、赤緯+33°01′)にジャンプするには、こと座のベガ(等級0.00、赤経18h36m、赤緯+38°47′)一択です。
さて、ここで問題となるのは、
・導入を楽にするために、ドローチューブ繰り出し幅を記録した上で、レデューサー系焦点に切り替えて、リング状星雲を導入してから、バロー系焦点に戻すか。
・この時点は、鏡筒はバロー系でピントが合っていますから、それを生かして、強引にバロー系焦点のままで導入を試みるか、
一つ目は、バロー系焦点のドローチューブの繰り出し幅をノギスを使って正確に計測しないといけません。残念ながら、管理人にはまだそのスキルがないことから、却下しました。
二つ目の方法をとったところ、4回目のトライでリング状星雲を捉えることができました。
正攻法ではありませんね。
↓ベガです。
撮影の結果、撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN440、8秒間のフレーム560枚を撮影、DeepSkyStackerでコンポジット(うち1枚のみスタック)
画像編集:なし
使用フィルター:×0.5レデューサー(極軸設定時のみ)、×2バローレンズ、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年6月12日日曜日
撮影は失敗です。↓は唯一コンポジットできた1枚のフレームです。
見た目の大きさも問題ないし、色も奇麗についています。
まとめ
原因を再掲しますと、
・天気が薄曇りだった
・ピントが甘かった
・星を止められなかった
・光量が足りなかった。
・天気がリング状星雲の方面のみ雲が開いていたのかどうか、分かりません。月は明らかに薄雲の向こうでした。
・ピントはバーティノフマスクとSharpCapで設定しているので、ほぼ合っているはずです。
・ノータッチガイドの限界で、バロー系焦点距離f1,428mmは、現在の管理人のシステムで星を止めるのは無理ということでしょうか。
・↑の光量くらいでは無理なのでしょうか。これ以上GAINを上げると、画面が白く飛んでしまいます。(それも天気のせい?)
今後の対応としては、まず、ちゃんと晴れた夜に撮影しなおすことだと思います。
改善することができないのは、星を止めることでしょうか。ここは改善の余地がありません。
近々に再度の撮影をしたいと思います。
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