目次
撮影に至る経緯
バラ星雲のモザイク撮影の失敗による溜息の日の夜、気が抜けてしまったので、好きなDSOを何も考えずに撮影したくなりました。
モザイク撮影は、カメラde遊ingさんやまいくろさんからアドバイスをいただき、これはすぐに実行に移せるわけではなさそうだと思いまして、まずは方法論を確立してから本番の撮影をすることに決めました。
というわけで、一時、モザイク撮影を忘れて、昨夜は、高校生の頃から大好きだった、りょうけん座の渦巻銀河、M51「子持ち銀河」の撮影をしました。
「子持ち銀河」は、昨年の3月に、ビクセン80Mで撮影したことがあります。
今回、それを上回ることができるでしょうか。
↓M51「子持ち銀河」を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
撮影の経過及び経緯
恒星のピント合わせ
今回も、一昨日の夜の撮影のドローチューブの繰り出し幅を維持していたので、念のため、バーティノフマスクで確認しました。↓のようにぴったり合っておりました。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
のんびり撮影するところではありますが、良い画像になるに越したことはないので、今回も、設定誤差20″未満を目指しました。
その結果、18″の設定誤差まで極軸を追い込むことが出来ました。自動追尾の準備OKです。
自動追尾の状況
今回1時間超の総スタック時間を目指していましたが、自動追尾は良好であり、90分までも撮影できたかもしれません。
自動追尾の誤差が大きく出る時、出ない時、どこが違うのか、まだまだ悩み続けています。望遠鏡のバランスはちゃんと合わせてあるし、自動追尾中に望遠鏡にショックなど与えていません。
基準恒星と目標天体の導入
今回撮影するM51は、赤経13h29m、赤緯+47°11′の位置にあります。
基準恒星には、
①アルカイド 等級1.85、赤経13h47m、赤緯+49°18′
②ミザール 等級2.20、赤経13h23m、赤緯+54°48′
が適当ですが、どちらも肉眼で確認できず、アリオト(等級1.75、赤経12h54m、赤緯+55°57′)が見えていたので、これを基準恒星にしました。
①⓶より少し遠いだけで、2回のトライで導入に成功しました。
↓アリオトです。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年2月23日水曜日
露出8秒間、総スタック時間3936秒(65分36秒)、GAIN260、リアルタイムダーク補正使用。
にて撮影です。
本当はGAIN300で撮影したかったのですが、M51の高度がまだ低く、ちょうど街の光が強い方角で、300ではスタック画面が真っ白になってしまい、腰が引けたものです。
やはりM51はいいですね。心が和みます。「子持ち銀河」という愛称がまた良いです。
そして、画像の出来栄えも、80Mで撮影した時より上で良かったです。
D102mm、EDアポクロマートの面目は保たれました。思ったより細部が写りました。
80M時代はこちら。↓
まとめ
何だか久しぶりに、ゆっくりと緊張せずに天体撮影をした気がします。
疲れた時は、自分の好きな天体を撮影する(見えていればですが)、新しい散開星団を開拓する、そんなことをするのが良いようです。
今回は追尾精度も良く、M51も良く写りました。とても良い天体撮影になりました。
なお、M51は、おおぐま座ではなくりょうけん座なんですね。
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