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【プチ遠征】さそり座の球状星団M4「Crab Globular Cluster」を撮影しました

星雲・星団・銀河に関する情報
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撮影・プチ遠征に至る経緯

天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSOの撮影が目的です。
天気は微妙でしたが、思い切って出かけてみました。
ここのところ、時間的、体力的制約が大きく、プチ遠征が出来ていなかったのです。
プチ遠征が出来ないとなると、さそり座周りの目標天体の撮影が全滅することになります。
今の管理人にプチ遠征ができるかどうかを試すプチ遠征でもありました。

プチ遠征は滞りなく進み、体力的な消耗も少なくて済みました。
これなら、短いスパンでプチ遠征が出来そうです。

目標天体は、天文ガイドの付録ポスターの夏の部の最初に掲載されている、さそり座の球状星団M4「Crab Globular Cluster」です。
球状星団なのに、蟹、という謎が解けるでしょうか。

雲に迫られましたが、ちょうどM4のあたりだけ晴れており、運よく天候に左右されず撮影できました。

↓M4を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。かなり高度は低かったです。

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撮影・撮像への経過及び結果

恒星のピント合わせ

雲が迫っているので、時間との戦いでした。
そこで、いつもは使わない恒星を使いたかったのですが、慣れているアルタイルを使いました。
いつものとおり、バーティノフマスクとSharpCapのフォーカス支援機能を使ってピント合わせをしました。
最初は目測で追い込み、残った誤差をSharpCapで削り取るイメージです。
↓最初の追い込みはこんな感じ。ほぼ合っている感じです。

↓のグラフになった段階でピントを固定しました。

↓念のため、目測も行いました。微妙なピント合い具合です。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

とにかく時間との闘い、途中でSharpCapの極軸合わせが進まなくなってしまい、精度を犠牲して時間を稼ぎました。
つまり、設定誤差はいつもより上がり、「Fair」で9′47″です。さて自動追尾の結果は?

自動追尾の結果

ただでさえ赤道儀に負担のかかる赤緯値の小さい天体です。極軸設定に不安もあるし、どういう結果になるか分かりませんでした。
しかし、60分の自動追尾で、↓のような結果になりましたので、極軸設定のことと合わせると、上出来という結果になりました。(確かに極軸設定をexcellentに追い込んだ場合には負けるようですが)
短時間の撮影なら「Fair」の設定までで十分ということになります。一つ収穫でした。

基準恒星と目標天体の導入

M4はさそりの目の部分にあります。すなわち、アンタレス(等級1.05、赤経16h29m、赤緯-26°25′)のすぐ隣にあるのです。
基準恒星はアンタレスで決まりです。
目標天体、M4「Crab Globular Cluster」の位置は、赤経16h23m、赤緯-26°31′と、本当にアンタレスのすぐ隣にあります。
3回のトライで、画角に捉えました。まずまずです。
↓アンタレスです。

撮影の結果・撮像の結果及び結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN350、8秒間のフレーム450枚を撮影・うち405枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:FlatAideProによるフラット補正・カブリ補正、GIMPによる色レベル補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外河川敷公園駐車場
撮影日:2022年7月24日日曜日

撮影の結果

集中力の無い球状星団と、集中力のある球状星団の中間といった感じです。
蟹に見えますかね?

撮像の経過及び結果

色レベルによる炙り出し

少し賑やかさを持たせるために、色レベル調整で炙り出しをしました。
そうしたら、カブリがそれなりに発生しましたので、FlatAideProでフラット補正を行いました。
しかしカブリが消しきれません。

カブリ補正→完成

がんばって、FlatAideProのカブリ補正機能を使って、ちまちまとカブリを消していきましたが、この辺りが限界です。元画像ならノイズは無いのですが、華やかさに欠けます。
M4「蟹球状星団」は、これで完成とします。

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まとめ

元画像がとても寂しかったので、強調をしました。
やはり球状星団は華やかな方が良いです。
そのかわり、カブリが残ってしまいました。
究極の選択ですが、華やかさを取りました。

極軸設定は、Fairレベルで十分、撮影・コンポジットが出来ることが分かりました。
Fairレベルだと、追尾時間60分でぎりぎり、40分で余裕、といったところでしょうか。
これから、極軸設定レベルも臨機応変に決めていきたいと思います。

体力的にもかなり回復したようで、今朝、あまり疲れていません。
これから時々プチ遠征をしようと思います。

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