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【天体観測】プチ遠征して、りょうけん座の渦巻銀河M106を撮影しました

星雲・星団・銀河に関する情報
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撮影に至る経緯

りょうけん座の渦巻銀河M106、前々から撮影したいと思っていましたが、撮影に入ることができる時間には、軒の向こうに昇ってしまってい、ベランダからでは撮影できませんでした。

おおぐま座、りょうけん座方面は、興味のあるDSOが多く、その一環で、M106を撮影したかったのです。
視直径も大きく、迫力もありそうです。

そしていよいいよ、昨夜プチ遠征をし、やっと軒の呪縛から解放され、真上でも撮影できるようになりました。
天気も上々です。気温も高く、夜風が心地よかったです。

プチ遠征を始めたのは昨年の夏で、この季節のプチ遠征の状況、環境のことを知りません。
真冬より楽なことはよくわかりましたが、一つ怖いことが分かりました。
結露です。
昨夜、やられてしまいました。
これで2回目で、しばらく結露は無かったのでノーマークでした。
対物レンズもやられてしまいました。どこまでやられたのかは、まだ望遠鏡が車の中に入っているので分かりません。明るいところに出してきて確認して、被害甚大だったら、こわいけどクリーニングをしてみようかな・・・
あとは、モーターとかパソコンとかの電子機器がどこまで被害を受けたかです。パソコンはいまこうして記事を書けています。

昨夜は結露騒ぎがあったもののM106の撮影は至って順調でした。撮影は成功です。

↓M106を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED

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撮影と撮像の経緯と結果

恒星のピント合わせ

折角遠征しましたから、いつもとは違う星でピント合わせをしたいところです。
普段は見ない西の空の少し低いところに明るい星がありました。
何だかとても懐かしいぎょしゃ座のカペラでした。さすがカペラ、明るく美しいです。

備忘録どおり、6cmの繰り出しでピッタリ合いました↓実はこれ、SharpCapのフォーカス支援機能を使ったのですが、目分量でやるよりは信頼がおけそうです。

バーティノフマスクを使わないわけではないのですね。バーティノフマスクの光芒をチェックして、ちゃんと左右上下均等になっているか、数字で示してくれるのです。
↓こんな感じで、赤い色のグラフが少なくなって、ブルーやグリーンのグラフが多くなるようにフォーカスノブを操作します。
使えるものかどうか、まだ分かりません。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

プチ遠征で来たからには、失敗は許されません。極軸設定も細かく慎重に行いました。
その結果、設定誤差19″まで、極軸を追い込むことが出来ました。

自動追尾の状況

極軸設定はうまくいきましたが、自動追尾は誤差が大きかったです。追尾誤差の部分が少し見苦しかったので、切り取らさせていただき、追尾誤差などなかったことにしてしまいました。
切り取らなくても十分な画像ではありましたが、今回は見栄えを優先しました。
総追尾時間は78分24秒でした。90分はいけたと思いますが、120分は無理だったでしょう。

基準恒星と目標天体の導入

基準恒星は目標天体に合わせなければなりませんので、珍しい星を使うわけにはいかず、いつも使っている星になります。
M106に一番近くて捉えやすいのは、おおぐま座のアリオト(等級1.75、赤経12h54m、赤緯+55°57′)でした。
これを基準恒星にして、目標天体M106(赤経12h18m、赤緯+47°18′)にジャンプします。
なんと一発でM106を画角に捉えることが出来ました。
↓アリオト

撮影・撮像の結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 4.0 (64 bit)のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・GIMPによるトーンカーブ調整・影-ハイライト調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外の河川敷公園
撮影日:2022年4月22日金曜日

撮影の結果

露出8秒間、総スタック時間78分24秒、GAIN250、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影しました。
GAINは300でするところ、極軸設定で250をつかっていたのをすっかりわすれていました。本当ならもっと明るいM106だったかもしれないのに。もったいない・・・
因みに、M106の斜め上の端の小さな影は、NGC4248です。

なお、追尾誤差がどれくらいあったかというと、以下の緑の帯の幅の分だけ星が動いてしまいました。
ちょっとこれは恥ずかしいので、隠ぺい工作を図ったというわけです。
因みに、北を上にすることを怠っている管理人の場合、これは上が西になります。
星は東に動いているので、追尾の遅れがあったことが分かります。(ということで良いのか?)
北へのズレは、極軸設定の東西設定のズレが原因でしょうか。

撮像の経緯と結果

フラット画像の作成

いつものとおり、FlatAideProでフラット画像を作成しました。
元画像より深みのある宇宙空間になりました。これで完成でも良かったのですが、ノイズが気になったので、処理に手を付けることにしました。

恒星無し画像の作成と背景を黒く

背景無し画像を作成し、ノイズの処理に専念することにしました。
GIMPのトーンカーブで明度を下げて背景を暗くしてノイズを軽減しました。
同時に、トーンカーブ処理で暗くなったM106を、影-ハイライトでShadows値を上げ存在感を元に戻しました。

恒星のみ画像と合成→完成

最後は、恒星のみ画像と合成して完成です。今回も淡白な編集で終わりました。
いじくりまわした割には、銀河の形状がそれなりに分かります。
立派な銀河が撮影できました。

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まとめ

結露に襲われるというハプニングがありましたが、当初のねらいどおり、M106を捉えることが出来ました。
大物の銀河を捉えるとスカッとしますね。
りょうけん座方面には、まだ面白そうなDSOがあるようなので、次に何を撮影するか楽しみです。

自動追尾のズレの原因は分かりません。しっかりグリップしてくれる時もあれば、少々心もとない時もあり。。。
これは、ノータッチで追尾するユーザーの永遠の課題ですね。

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