目次
撮影に至る経緯
散開星団以外にも愛称の面白いDSOがありますね。
最近は、愛称のついたDSOについては、散開星団を撮影することが多かったので、別の種類の天体を撮影したかったのです。
昨夜目を付けたのは、メジャーではありますが、とも座の散光星雲NGC2467「どくろ星雲」です。
英語では「Skull and Crossbones Nebula」とてもかっこいいですね。
どくろ星雲は、HⅡ領域で、赤い星雲です。
赤い星雲は広がりが大きいものが多いですが、これは8′×7′。
かに星雲が8′×4′ですから、管理人のカメラASI462MCにも収まると思い、撮影を決意しました。
どくろの顔は、ネットで何度も見たことがあります。
目標は、どくろの顔だ、と認識できる画像にすること。
果たして実現できるでしょうか。
↓どくろ星雲を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。うまく写ってくれますように!
撮影の経過及び結果
恒星のピント合わせ
最近では、だいたいのピントを合わせて極軸設定に臨むことが多かったのですが、昨夜は、それがいけなかったのか、極軸設定がどうしても、20″未満の設定誤差に着地しませんでした。途中で星を掴んでくれなくなったのです。
これは、恒星のピント合わせをサボっていたせいだということで、明るい星でピント合わせをすることにしました。
高度も方角も、照準を合わせそうな明るい星は見えなかったのですが、かろうじてしし座のデボネラが見えていて、これを使いました。
バーティノフマスクで確認したところ、なんとピントは合っていました。なぜ極軸設定で星を掴んでくれなかったのだろう。
↓しし座のデネボラです。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
赤い星雲をしっかりと写すためには、1時間の総スタック時間が必要と考えています。
極軸設定は念入りにやっておかないといけません。
目標はいつものとおり、設定誤差を20″未満に抑えることです。
前述のように、いったん中断して恒星のピント合わせをして、今一度極軸設定をしました。
結果は、設定誤差20″。昨夜はこの辺りで追い込みをやめました。
ちょっと疲れていたのです。
自動追尾の状況
約61分の追尾で、そこそこ追尾誤差が出ました。今回も、画像の誤差部分は、切り取ってしまいました。
ここのところ、少し多めに追尾誤差が出ています。極軸設定はきちんとしているのですが、なぜか・・・許容範囲ではあるのですけどね。
基準恒星と目標天体の導入
とも座の天辺あたりに位置するどくろ星雲、シリウスからジャンプしたかったのですが、時間的に、ベランダからシリウスを捉えることは、ファインダーも覗けないところまで移動していたことから、不可能でした。
そこで、恒星でなくても良いので、シリウス(等級-1.45、赤経06h45m、赤緯-16°43′)あたりに鏡筒を向けてスナップショットを撮って、astrometry.netで赤経赤緯値を測り、そこを拠点に目標天体にジャンプすることにしました。前にもこれ、やりましたね。
恒星の導入が必要ないのでお手軽な方法です。
↓これが、導入した領域です。赤経-07h31m、赤緯-23°22′。なかなか良い位置を捉えることが出来ました。
ここから目標天体どくろ星雲(赤経07h52m、赤緯-26°25′)までは、大した距離ではありません。二度のトライでどくろ星雲を画角に導入することに成功しました。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるカブリ補正・フラット補正・レベル補正、GIMPによる色強調・colorenhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年3月9日水曜日
露出8秒間、総スタック時間61分12秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正使用。にて撮影。
微妙な出来栄え、どくろの目とか見えるかなと思っていましたが、はっきりわかりません。
これで全景が写っているのかも不明。
しかし、赤い星雲は、まずまずの出来栄えなので、良しとしよう。
まとめ
どくろ星雲、なぜか初めての気がしないので、ここまできて、ブログ内を検索してみたら、
ぎょしゃ座にもどくろ星雲があったのですね、すっかり忘れていました。
今回のどくろ星雲の方がコンパクトなので、管理人のシステム向きではありました。
上手くどくろには見えませんでしたが、赤い星雲の撮影としては成功でした。
今回は偶然ステラリウムで赤い星雲を見つけることが出来て、ラッキーでした。
次も、赤い星雲に当たったら、撮影にチャレンジしたいと思います。
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