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【天体観測】ぎょしゃ座の散光星雲IC410「どくろ星雲」の撮影に成功!

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撮影に至る経緯

一昨日の夜、初めて赤い星雲(ぎょしゃ座IC405)の撮影に成功しました。ノーフィルターだったので、薄い赤色でしたが、感動しました。

赤い星雲の撮影は、星見を再開した昨年夏からの憧れでした。
それが実現できたのはとても嬉しかったです。
そこで今回は、上記記事で撮影したIC405のすぐ隣のIC410にトライしてみることにしました。

IC410は散光星雲で、中心部にはちょっと馴染みのあるNGC1893があるんですね。
つまりNGC1893がIC410に包まれているわけです。
NGC1893は最近撮影しているのですが、赤い星雲には気が付きませんでした。

今回こそは、赤い星雲をビシッととらえたいと思います。

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撮影の経過と結果

恒星のピント合わせ

もちろんバーティノフマスクを使用してピントを合わせました。本当に便利な道具です。とても助けられています。
ぎょしゃ座のメンカリナン(ぎょしゃ座ベータ星、2等星)でピントを合わせました。

↓これでもピントは合っているようですが、真ん中の光が少し上にずれているような・・・

↓少しピントノブに触ってみましたが、あまり変わりませんね。
これで追い込み終了。恒星のピントは合いました。

極軸設定

IC410を撮影するには、長時間の撮影が必要です。
それには、もちろん正確な極軸設定が必要です。
DSOの深みにはまっていくほど、追尾精度に求められるものがシビアになってきます。
赤い星雲もそうです。
で、いつものとおり、SharpCapのPolar Align機能を使用して、極軸を設定しました。
結果としては、「Excellent」な設定ができました。
我ながら、今回も神業レベルの設定誤差の低さです。

追尾精度は、一昨日の夜と同じくらい高く、安心して1時間の撮影を楽しむことが出来ました。
ライブスタックしている間に夜空を眺めたり、PC画面を確認したりするのが、どうしようもなく好きです。

この精度まで来ると、いよいよコンポジットというものが視野に入ってくるような気がします。
バーティノフマスクの効果もあって、視野の星の数はこれまでより格段に増えています。
これならコンポジットできそうです。
ちょっと試してみたくなっています。

基準恒星と目標天体の導入

基準恒星の決定

基準恒星をエルナト(おうし座ベータ星、2等星)にするか、ぎょしゃ座イオタ星にするか、で迷うところなのでしょうが、どちらも光が弱弱しくて、見えるか見えないかでした。
カペラにすがるのも安直なので、それなりに輝いていた、定番になりつつあるメンカリナン(ぎょしゃ座ベータ星、2等星)(赤経05h59m、赤緯+44°56′)に基準恒星を決定しました。目標天体であるIC410(赤経05h16m、赤緯+34°16′)まで、少し距離があります。

↓メンカリナン

目標天体の導入

今回も、目標天体は、姿が見えませんので、例のサイトで現在位置を確認しながら、目標天体に迫りました。
しかし、どう迫ってもIC405にしか迫れません。かなりタッチを試みましたが、IC410のタグを得ることができません。

仕方がないので、ネットで調べた赤経赤緯値とは異なりますが、IC410の中心にあるという、ぎょしゃ座の散開星団NGC1893の赤経赤緯値(赤経05h22m、赤緯+33°24′)に向かうことに決めました。
その結果、IC410にたどり着くことができました。

撮影結果

[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによるトーンカーブ調整
その他:UV/IRカットフィルター使用

露出8秒間、総スタック時間3600秒間(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN300。
果たして赤い星雲は見えたのか?

見えました。かなり見事に!
連戦連勝で気分が良いです。ライブスタックも無視されたフレームは一つだけ。実に順調でした。
どくろの、目か口か鼻か、黒いくぼみも確認できます。

なお、NGC1893がどのようにくるまれているのかというと・・・↓
丸く囲われた部分がNGC1893。

そして、赤い星雲に気づかなかったNGC1893(2021年11月2日撮影)の画像が↓
確かに赤みがかっていて、黒いくぼみも見えるような・・・
ピントが甘いせいもあって、被りか何かと思いこんだと思います。つくづくピントは大事だと感じます。
そして、まさか、今の管理人のシステムで赤い星雲が見られるとは思いませんでしたし。

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まとめ

今回2度目の赤い星雲にトライし、その姿を見ることが出来ました。
とても素敵な赤です。
残念なのは、管理人のカメラ、ASI462MCの画角がとても狭く(5.6mm×3.2mm)、赤い星雲全体を撮影することが出来ないことです。
まあ、惑星専用のウリを見て購入したのですから文句は言えません。

一方で、このままのシステムで赤い星雲を撮影し続けてよいのだろうかという気もしています。
つまり、ナローバンドフィルターを導入して、本格的に撮影すべきではないかと。
Hαの輝線のみ通すナローバンドフィルターが必要のようで、お値段が少し微妙に高いんですね。
↓これは主要2輝線(Hα,OIII)付近の波長域を中心に透過させるもので、Hαのみ透過させるものより少しお高い。それに、管理人の家は光害地にあるわけではありません。
だからノーフィルターで、赤い星雲が見えるんですよね。

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これはうーん、1万4千、5千円くらいはするようで、購入するかどうか迷っています。どうせ狭い画角では楽しむにも限界があるという問題もあります。
センサーサイズの広いカメラは高いし・・・
ZWO ASI 294MC(カラー/非冷却モデル) ネイチャーショップKYOEI (kyoei-osaka.jp)
↑これ、過去に断念した経緯があります。

何だか赤い星雲に誘われて、物欲が持ち上がってきた感があります。冷静になって考えようと思います。

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