撮影の経緯
天文ガイドの付属品、季節別方角別にDSOが掲載されたポスター、先般、それに掲載されている秋のDSOを制覇しました。
さて、冬のDSOも同じようにすべて制覇したいと考え、昨夜から撮影を開始しました。
●天文ガイドの付属品ポスターに掲載されているDSO
①かに星雲(おうし座)
②M35(ふたご座)
③M41(おおいぬ座)
④M42オリオン大星雲(オリオン座)
⑤M45プレヤデス星団(おうし座)
⑥M46(とも座)
⑦M50(いっかくじゅう座)
⑧M78(オリオン座)
⑨ハッブルの変光星雲(いっかくじゅう座)
⑩コーン星雲、クリスマスツリー星団(いっかくじゅう座)
⑪NGC2477(とも座)
今は、クリスマスシーズン真っただ中。
この歳になっても何だか楽しい気分になります。
そこで上記のうち⑩の散光星雲「 コーン星雲、クリスマスツリー星団(いっかくじゅう座) 」(NGC2264)からスタートすることにしました。
いきなり難易度が高そうでしたが、トライしました。
撮影の経過と結果
恒星のピント合わせ
例のごとく、バーティノフマスクを使用してピント合わせをします。恒星は羨ましい。こういう優れたツールがあって。バーティノフマスク惑星版があると嬉しいのですが・・・
↓昨夜はかなりぼけた状態からのスタートです。使用した恒星は、ふたご座のアルヘナ(ふたご座γ星)です。
↓追い込んだ結果がこれです。ここでピントを固定しました。
極軸設定
今回も、広くて淡い赤い星雲ですので、最低1時間の総スタック時間を確保したいところです。SharpCapのPolar Align機能を使って、極軸を設定し、設定誤差21秒まで追い込みました。
これで赤道儀とモータードライブは、1時間のノータッチ自動追尾に耐えてくれるでしょう。
自動追尾の結果
結局70分強のライブスタックをしたのですが、30分まではほぼ完璧な追尾でした。
安心して風呂に入って出てみると、少しばかり大きなズレを起こしたフレームがあったようでした。
感じとして大きなずれを起こしたのは、そこだけのようでした。
ライブスタックは、そのずれに気づいた段階でストップしました。
少し寂しかったですが、ズレた部分を切り取って十分見られる画像が出来たので問題ありません。
基準恒星と目標天体の導入
基準恒星はベテルギウスかふたご座のアルヘナの二択でした。昨夜は月夜でしたが、星はそこそこ見えていました。2等星のアルヘナも見えています。
そこでたまにしか使っていないアルヘナ(赤経06h37m、赤緯+16°23′)を基準恒星に決定しました。
目標天体のコーン星雲(赤経06h41m、赤緯+09°53秒)まではほんの2,3歩で到達できます。
↓縦の矢印が指しているところがコーン星雲の位置です。
導入にはコーン星雲に接近したのち、3度のトライで成功しました。
やはり見えない相手を導入するのは難しいです。
導入最終段階で、コーン星雲の大きめの恒星の光を見つけた時は感動しました。
↓アルヘナです。
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
露出8秒間、総スタック時間4248秒(70分48秒、リアルタイムダーク補正使用)、GAIN300。での撮影となりました。
コーン星雲はクリスマスツリー星団に囲われています。なかなか華やかでクリスマスらしい。
大きな恒星は、さしずめツリーのオーナメントでしょうか。
赤い星雲がもう少し引き立てば、なお良かったです。
また、ASI462MCの画角の狭さか、コーン型に見えませんね。
まとめ
まずはコーン星雲をクリアしました。
画像もまずまずの出来栄えです。1時間以上のライブスタックが出来て良かったです。
さて、次の天体ですが
①かに星雲は撮影済みなので、二つの天体をクリアした状態です。
次はプレヤデス星団にトライしてみようと思います。
今の管理人のシステムでは、運良くうまくいって、約2時間の撮影までが限界です。
青いガス雲が写るかなあ。
やってみるまでです。
コメント
書くべきかどうか迷いましたが、一応ツッコミを入れておきます。
コーン星雲は写っていませんよ。
この写真では右下方向ですね。
コーン型に見えないのはその為ですよ。
カメラde遊ingさん、おはようございます。
ご指摘ありがとうございます。
誤りを指摘していただくことは、とても助かりますので、これからもお願いいたします。
Wikipediaの赤経赤緯値をそのまま使って導入したのですが、クリスマスツリー星団の中央の値だったのかな。
Googleで検索しなおしたら、別の赤経赤緯値が出てきました。
天気が良くなったら、この値で導入して撮影しなおします。
でも、自分の腕のせいでコーンが見当たらなかったということではなかったので少しうれしいです。
これからもよろしくお願いします。
確認できましたか。
Wikiもいいですが編集している人が信用に値するかどうかは別問題です、ほどほどに。
プラネタリウムソフトは利用していないんですか?
フリーでもいいものがありますから利用するといいですよ。
写野の確認もできますから、自分が利用する機材でどの程度対象が写り込むのか事前にシミュレーションできますから。
カメラde遊ingさん、コメントありがとうございます。
プラネタリウムソフトというものがあるのですね。
自分はこれまで。http://nova.astrometry.net/upload というサイトのお世話になっていて、星の画像をアップロードするとその赤経赤緯値が分かるというものです。
しかし、事前に写野の確認まではできませんので、プラネタリウムソフトはとても便利そうですね。
早速入手したいと思います。
いつもありがとうございます
”astrometry”は存じていますよ。
殆どの人が利用しているんじゃないでしょうか?
プラネタリウムソフトもそれぞれの人がいろんなソフトの中から自分に合うモノを選んで使っていると思います。
多くのソフトがありますから、試してみて自分に合うと思ったものを利用されると便利になると思いますよ。
例えばこちらのサイト。
→https://star-stars.rgr.jp/soft.html#astro
こちらでは負荷を検証されていらっしゃいます。
→https://www.youtube.com/watch?v=SQ-Ha2l_DvE&t=201s
定番はやはり”ステラナビゲーター”です。
有償ですがそれだけのことはあると思います。
自分はこのほかに”Stellarium”を使っています。
こちらはフリーなので画像処理用のPCにはこちらを入れて、普段使いのノートPCにはステラナビゲーターをインストールしています。
もうサポートが終了してしまったバージョンなので、今後はStellariumだけに絞るかもしれません。
自分が使う範囲ではどちらも遜色なく、敢えて言うならStellariumは直感的に使えるのと表示できる画像が多いので有名どころの天体を撮る際の写野の確認には有利かと思っていますね。
けむけむさんの検証動画では負荷が高いとなっていますが、かなり昔のパソコンでない限り全く問題ないですよ。(検証動画内では唯一時間経過を止めずに検証されてました)
新しい彗星などデータの更新はどれも頻繁にされていますので、必要な時にアップデートすればいいかと思います。
カメラde遊ingさん、おはようございます。
良いものをお勧めいただき助かりました。正直言ってどれをインストールしようか迷っていました。まずカメラde遊ingさんお勧めのものをインストールします。
ステラナビゲーター、欲しいです。先立つものがいるので、どうしても躊躇してしまいますが、やはり便利なのですね。
負荷は気になりますが、撮影中に使うわけではなさそうなので、大丈夫そうですね。僕のパソコンはCORE i5のメモリー8ギガです。
今回もありがとうございます。これからもよろしくお願いします。