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【天体観測】M37、M38をとらえました!

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M37撮影の作戦を立てる

まいくろさんのおかげで、M36をスマートにとらえることができた興奮冷めやらぬ昨夜、管理人は大胆にも、M37をとらえる作戦を立てました。
「ファインダー内に目的天体が見えていなくても、見えている他の恒星のズレ具合をもとに、赤緯方向及び赤経方向の移動量の精度を上げていくことが肝要。」というまいくろさんの言葉に納得したわけです。

目盛環でM37をファインダーに入れているはずなのに、見えない。M36の時もそうでした。管理人の望遠鏡のファインダーは、暗い天体には役に立たないようでした。
いや、管理人の家の周りが明るすぎるのです。そう思うことにしました。ぎょしゃ座Θ星も肉眼ではとらえるのが困難な空なんです。

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作戦とは

まず、基準恒星をぎょしゃ座Θ星としました。
ぎょしゃ座Θ星 赤経5h59m 赤緯+37°12″
M37     赤経5h52m 赤緯+32°33″
赤経差7m、赤緯差5°

そこで、ぎょしゃ座Θ星から、南へ5°ファインダーを見ながら移動させます。
これまでとは違います。
ファインダー中央にある基準恒星をファインダーの外に出さないといけないのです。

中央からは3.5°(管理人のファインダーは実視界7°。)は移動できるにしても、その後は完全な手探りです。
事前に1.5°の赤緯微動ハンドルの感覚を確認しましたが、まったく自信なし。

しかしまあ、えいやあで南への5°の移動を終えました。

そして、西へ7mの赤経移動。
これは、6mは目盛環を使って、残りの1mを、モータードライブの8倍速3秒を三回実行して移動しました。

これでASILiveの画面にM37が現れるはずでした。

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失敗に終わる

しかし、M37は現れず、余分に8倍速をつかいましたが、やはり現れず。
管理人には、まいくろさんのような計画は立てられないのか・・・
この方法が自分でできないとなると、ファインダーに映らない天体撮影をするのに、いつもまいくろさんの助けを得ないといけません。
それでは、いつまでたっても自立できません。

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目盛環にこだわってみる

以前、まいくろさんとは違う訪問者さまが、目盛環で、ASI462MCより狭い画角に被写体を導入していたと言っていたことを思い出しました。
今までは、基準恒星の赤経赤緯を決定し、目標天体の赤経赤緯の目盛りに合わせて、導入に失敗し、こんな狭い画角に、刻みの荒い目盛り(赤経10m、赤緯2度)で導入できるわけないと諦めていました。

しかし、今の管理人の頼りになるのは目盛環しかありません。
ある程度の誤差を許容しながら目標天体に迫るのは、まいくろさんのやり方と同じです。

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最後の2°は少しずつPC画面を見ながら移動

そこで、目盛環の通常の使い方で、目標天体に迫ることにしました。
ぎょさ座Θ星を基準恒星に設定し。赤経赤緯の基準を確定し、目標の赤経目盛になるまで望遠鏡を移動させます。おそらくここでも誤差が出ているはずです。


しかし、それは受け入れたうえで、赤緯微動ハンドルで、PC画面を見ながら、少しずつ少しずつ南へ5°の行程を進みました。本当にほんの少しずつです。
ASILiveの画面は10秒ごとにリフレッシュされます。そこを通り越してしまったら、M37とは、またおさらばです。
赤緯目盛りは、32度にせまりつつあります。
やっぱり駄目か・・・

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M37をとらえた!

奇跡というのか、画面にたくさんの星が現れました。
M36のような星の集まり。
成功だ!
M36の時のように感動しました

[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、×0.5レデューサー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)、撮影・スタッキングソフトASILive
撮影場所:自宅ベランダ
ASILiveで100秒間撮影及びリアルタイムスタッキング、露出10000ms、GAIN:Middle、GIMPによる色レベル。トーンカーブ補正

証明

念のため、素性を調べておきます。

間違いありません。これはM37です。
管理人は、ミッションをコンプリートしました。

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M38も同様の方法でとらえた!

ついでにM38も撮影してみようと思い、

赤経05h 28m 43.0s
赤緯+35° 51′ 18″
に向かいました。

M37と同じように、赤経の移動は目標目盛に頼り、最後の仕上げに赤緯移動を、ゆっくりゆっくり、PC画面を見ながら進みました。

何と、M38までとらえることが出来ました。

証明

念のため素性を確認しておきます。

間違いなく、M38です。

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まとめ

なぜこれまで目盛環では画角に導入できなかったのに、今回はできたのか。
やはり、誤差があることを前提に、最後の仕上げをゆっくり行ったことだと思います。

プラス、これまで目盛環をこれでもかと使っていくうちに、目盛環も正確さを増していったのではないかと。

それから、露出を15秒にしたバージョンも撮影すればよかったと後悔しています。

今回の方法で2回成功。
次回の天体も、成功すると良いです。
それから、かに星雲も、このやり方で捉えられるか、トライしてみたいと思います。

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コメント

  1. カメラde遊ing より:

    これまでの経緯がわからないので的はずれな事かもしれませんが、バーニヤ目盛りを使われていますか?
    使われていないのなら調べて作ったらもっと精度が上がると思いますよ。
    赤径なら1分単位、赤緯なら10分単位(1度の1/10)で読み取れるようにするのは簡単です。
    狭い画角でどこまで有効かは未知ですが、APS-Cで900mmぐらいの画角なら問題なく導入できます。
    参考になれば幸いです。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、ご訪問とコメント、ありがとうございます。
      赤道儀はもう35年くらい昔のものです。おそらくバーニヤ目盛ではありません。それは安価で簡単にできるものなのでしょうか。それくらい細かい目盛だと助かりますね。ギアの端数がついてくるかどうかも気になりますが。。。

  2. まいくろ より:

    連日の撮影成功おめでとうございます!

    赤経方向を目盛環で追い、赤緯方向を微動ハンドルの微調整で追い込んでいくという技を
    独自にマスターしたのですね、すごい。勢いに乗って、さらに他の天体(次は球状星団?)
    にもチャレンジしてください。

    《おまけ》
    恐らく、そちらの赤道儀は、
    赤緯側は2°刻みの目盛に、黄色いプラスチックの▽マーク、
    赤経側は主尺とシールの副尺(かすれて見えなくなっているかも)
    ではないかと。
    副尺は、主尺9目盛分を10等分した目盛にするとよいので、今なら縮小コピーや、パソコ
    ンとプリンタですぐに作成できます(昔は大変でした)。耐水性のシール用紙まであります
    し。
    でも、現在、巧みな「微動ハンドルさばき」があるから、副尺は不要かな…。

    • sanpojin より:

      まいくろさん、お祝いのお言葉と、お褒めのお言葉、ありがとうございます!
      まいくろさんのような、最後は八倍速と撮影で追い込んでいく方法を考案できなかったので、仕方なく目盛環に頼ったら、うまくいったという感じでしょうか。最後に徐々に赤緯ハンドルで追い込んでいくスタイルは偶然思いついたんです。運が良かったです。
      あー、球状星団いいですね、以前M15をお勧めいただきましたね。是非見たいと思います。もともと、散開星団はあまり興味がなかったのですが、なぜM36とか撮影したかというと、ベランダから見やすい位置にあったからで、本当は球状星団を見たいんです。
      ご推察のとおり、愛機の赤経赤緯目盛りはそうなっております。なるほど、パソコンでさらに目盛りを細かくするのを作れば良いんですね。全然巧み(笑)ではないので、目盛は細かいほどありがたいです。研究して試してみたいと思います。昔からそうした知恵があったんですね。
      今日はかに星雲を撮影しました。今回は露出を30秒にしてみたんですが、これから画像を見るんですが、どうなっているか楽しみです。
      いつもアドバイス感謝です!

  3. カメラde遊ing より:

    言葉が足りませんでした、それと1/10は1/6の誤りです。
    同じ赤道儀と望遠鏡を持っていますのでバーニヤ目盛りでないことは知っていますよ(^^;
    普通の目盛りは全てそうなっていますから、自分で作るしかありません。
    フリーのCADソフトとか使える方なら簡単に作れますよ。
    「目盛環 自作」でググるといろいろ見つかると思います。
    コストはラベルシートぐらいでとても安価です。
    D.I.Yですよ。
    コピーで拡大縮小して合わせる手もあるかもしれませんが、興味がおありでしたら自作をおすすめします。
    CADはいろんな趣味で役に立つと思いますので、身に付いたらすごく便利ですよ。
    自分も天体趣味を始めてから、あれば便利と思ってCADを覚えました。
    複雑な図面を書く訳じゃないので、基本を覚えれば十分ですよ。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、ご訪問とアドバイス、ありがとうございます!
      同じ天体望遠鏡をお持ちなんですね。親近感がわきます。
      てっきり僕は赤道儀の分解とかが必要になるかと思いました。こういうやり方で目盛りを細かくできるのですね。それはとてもありがたいです。ファインダーがあまり役に立たないところで天体観測をしているので、暗い天体を導入するには目盛環だけが頼りですから。
      僕は不器用なんで、きちんとしたものが作れるか心配ですが、ネットで研究して試してみたいと思います。
      CADって業務用だとばかり思っていました。個人でも使えるんですね。研究してみますね。
      貴重な情報、感謝します!

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