目次
撮影に至る経緯
天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSO撮影制覇の一環でもあるのですが、メインは、露出とGAINのバランスのとれたリング状星雲を主焦点で撮影することです。
これまでも何度かチャレンジしてきていますので、一連の経緯は以下の記事をご覧いただければと。。。
昨夜は、珍しく「晴れ時々曇り」マークが一日並び、うまくいけば、プチ遠征して、リング状星雲の撮影に決着をつけることができそうでした。雲は出ていましたが、プチ遠征決行です。
スッキリしたリング状星雲を撮影することができるでしょうか。
撮影と撮像への経過と結果
恒星のピント合わせ
バーティノフマスクでベガを計測しました。なお、リング状星雲は主焦点で撮影するつもりでした。
ですので、ベガも大きくなっています。
これでピント合ったと思ったのですが、いざリング状星雲を導入してみると、星がふやけて膨張してしまっていました。
そこで、SharpCapのフォーカスアシスタント機能「マルチスターFWHM測定」を使ってピント合わせに成功しました。
反省点:バーティノフマスクの光が、画角に平行になるようにする。
↓ピントが合ったと思ったベガ
↓主焦点で撮影したベガ。この時点ではピントが合っていません。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
60分の撮影をするつもりでしたので、念入りに極軸設定をしました。これまで天候が良くなかったので、極軸設定がとても久しぶりに思えます。
結果、設定誤差を19″まで追い込み、excellentな結果となりました。
自動追尾の状況(トラブル発生)
途中トラブルに見舞われました。自動追尾の途中で、自動追尾が止まって、星が急に流れ始めたのです。クランプなどが緩んでいるのではないかと思い、クランプを締めなおしましたが、星は止まりません。
結果赤経クラッチのストッパーネジをより強く締めたら星は止まりました。
これ、前にも一度ありました。その時も赤経クラッチを強く締めたら星は止まりました。
再び、赤経クラッチはきつめに締めようと思います。
まだ撮影の途中でしたので、撮影を一時停止して、MD-6SPの8倍速で戻り、何とかリング状星雲を再び捉えて撮影再開できました。
追尾状況は十分な品質でした。途中でリング状星雲を再導入していますので、最初と最後のフレームの比較はしません。
しかし、自動追尾時間は、トラブルの処理の時間も入りますので、1時間は優に超えていたと思います。
基準恒星と目標天体の導入
もう何度も撮影しているので変わるところはありません。
リング状星雲の位置は、赤経18h53m、赤緯+33°01′の位置にあります。
こと座のベガのすぐ近くにあり、基準恒星はベガ(等級0.00、赤経18h36m、赤緯+38°47′)一択です。
導入には2回のトライを必要としました。十分です。明るい天体は見つけやすいですね。
撮影の結果と、撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6SP
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN400、8秒間のフレーム416枚を撮影・うち374枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正。
画像編集:GIMPによるレベル調整
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外河川敷公園
撮影日:2022年9月4日日曜日
撮影の結果
8秒間の露出、GAIN400がちょうど良い感じですね。ここにたどり着くまで長い旅でした。
中心星はわずかに確認できます。
撮像の経過と結果
レベル調整→完成
素の画像で十分ともいえるのですが、何となく寂しいので、レベル調整でちょっと強調をしました。
何だかイマイチですね。しかし、中心星はよりはっきりと見えます。
まとめ
久しぶりに、こういう本格的な撮影が出来て良かったです。
リング状星雲は、巧みに雲を避けてくれて(もちろん本当は雲が避けてくれたのですが)、あれだけ雲が出ていたのに、雲にかかることはありませんでした。
途中で自動追尾が止まる恐怖がまたやってきました。
これからは撮影に入る前に、赤経クラッチをもう一締めしたいと思います。
リング状星雲の撮影の成功に乾杯です。
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