昨夜の手法の確認
一昨日、管理人は、目盛環を積極的に使って目標天体に迫り、画角に導入する方法にたどり着きました。具体的には、赤経方向を目盛環で追い、赤緯方向を微動ハンドルの微調整で追い込むという方法です。
この方法で、M37、M38を連続して導入に成功しましたが、他の天体でも同じことができるでしょうか。
昨夜は、とっても寒い中、望遠鏡を出して、観測基地を設営し、その確認をしました。
対象はかに星雲
対象はかに星雲です。12月5日に初めて見た感動をまた味わいたかったのもあり、これを、確認の対象に選びました。
これまでの対象と違うのは、基準恒星と近いことです。
M37
赤経05h 52m 赤緯+32°33
基準恒星 ぎょしゃ座Θ星
赤経05h 59m 赤緯+37°12′
M37の時は、赤経差7m、赤緯差5°ありました。
そこそこはなれていて、目盛環を使いやすかったのですが、
かに星雲 赤経5h34m、赤緯22°00′
基準恒星となるおうし座ζ星 赤経5h37m、赤緯21°18′
今回のかに星雲は、赤経差3m、赤緯差1度弱と、赤経は一目盛半、赤緯は半目盛だけ!
ほとんど、一目盛の中の、空白が勝負となります。それだけに、またまた勘が頼りです。
同じ手法でかに星雲を捉えた!
基準恒星、おうし座ζ星を撮影ソフトに導入し、ここからかに星雲まで、短い旅の始まりです。
赤経目盛は一目盛過ぎた所から、慎重に半目盛進ませました。誤差は確実にあるでしょう。
そして、今回のメイン、赤緯差1°弱の移動です。
本当に、少しずつ少しずつ赤緯微動ハンドルを回します。特に相手は、淡い天体ですから、見逃しがあってはいけません。
なかなか、画面に現れませんでしたが、目盛環の赤緯目盛りは目標の22°に達して、不安がよぎったところで、撮影ソフトの画面に淡い雲が現れました。
成功です。
これで、管理人の、目標天体導入法は確立したと言っていいのではないでしょうか。
前回の撮影結果と比較
もちろん今回かに星雲を楽しもうと思ってここまで来ましたので、撮影をしました。
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、×0.5レデューサー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)、撮影・スタッキングソフトASILive
撮影場所:自宅ベランダ
ASILiveで300秒間撮影及びリアルタイムスタッキング、露出30000ms、GAIN:Middle、GIMPによる色レベル。トーンカーブ補正
より細かい構造がもしかしたら見えるかもしれないと思い、いつもは露出10秒・撮影時間100秒で撮影するところ、昨夜は露出30秒・撮影時間300秒で撮影しました。
その結果か、①の方が、優しいタッチになっているような気がします。淡い部分や色もより見えるようになっています。②は10秒露出で、悪くないのですが、少し繊細さに欠けるように見えます。
①今回撮影
②12月5日撮影(露出10秒で、あとの条件は今回と同じ)
トリミング・拡大してみたところ、やはり30秒露出の方が柔らかく鮮やかな色合いが出たと思います。
口径80mmの望遠鏡でフィラメントは見えないですよね。でもそんな風に見えないこともありません。
①は拡大しても、ノイズが増えただけかも。
この辺りが、露出を増やした効果でしょうか。
①2020年12月5日(露出10秒) ②2020年12月14日(露出30秒)
まとめ
今回、管理人の、目標天体導入方法は確立されたと言っていいでしょう。目盛りと目盛の間の微妙な設定もやり遂げました。
これで、いろいろなDSOに迫っていけます。
夏、秋と惑星観測を楽しんだところ、冬はDSOの世界で楽しみたいと思います。
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