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【天体観測】おうし座の散開星団NGC1647「Pirate Moon星団」を撮影

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撮影に至る経緯

上記の記事で、なるべく愛称のついているDSOを撮影していこうと決めました。
その方が、撮影が面白くなるし、色々な想像力が掻き立てられます。
誰が、どんな気持ちで、誰のために、このような名前を付けたのか。
中には、愛称と姿がどうしても一致しないものもあり、なかなか、DSOの愛称は面白いです。

今回は、なるべく夜更かししないで済むような時間に、近所の公園の木立を越えている星団、そして愛称のついている星団を狙いました。
ねらいは、おうし座の散開星団NGC1647「Pirate Moon星団」。
海賊の月星団?
これは楽しみです。
散開星団で海賊が表現できるのか?

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撮影の経過及び結果

恒星のピント合わせ

今回も、前回撮影した時のピント位置のままでしたから、問題ないだろうと思いつつも、後で後悔したくないので、バーティノフマスクを装着してピントを確認しました。
使った恒星は、おうし座のアルデバラン(等級0.85)です。

↓アルデバランです。ほぼピントは合っているような気がしますが・・・

↓真ん中の光線が、若干上に寄っているか?と思い、フォーカスノブを少しだけ動かしました。

↓気持ち、光線が揃った気がします。

↓若干、星像が鋭くなりましたかね。やはりピント調整して正解だったと思います。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

目標天体は、大きな散開星団らしいです。少しでも長く追尾できるように頑張って極軸設定をしました。ねらいは設定誤差50″角以内なので、なかなか大変なのです。
いつものSharpCapのPolar Align機能を使い、設定をして、なんと、設定誤差6秒まで追い込むことに成功しました。10″角以内に収まることは、まぐれです。狙ってできることではありません。
長時間追尾への期待が膨らみます。

自動追尾の状況

自動追尾はまずまず良好で、今回3616秒(60分16秒)の自動追尾を行いましたが、追尾誤差は許容範囲に収まり、満足のいく結果となりました。

追尾誤差の原因

↓の記事で、赤経クランプをしっかり締めることが、追尾誤差に影響を与えるのではないか、と書きました。
今回、追尾を始めたところ、早くも西へのズレが少しずつ発生してきました。
これでは、一時間経ったところでは大きなズレに発展していることが予想されました。
そこで、赤経クランプを、今一度きつめに締めました。
そうしたら、西へのズレはそれ以上発生しないようになりました。
追尾誤差の原因は、赤経クランプの締めが甘かったせいだったのでしょうか。

基準恒星と目標天体の導入

なるべく高度の低いDSOを、と思っていたところ、海賊の月星団は、かなり高く昇っており、赤緯微動ハンドルが、モータードライブMD-6のクラッチノブに干渉することが分かり、赤経軸の西側に鏡筒をセットすることができませんでした。

そこで覚悟を決めて、鏡筒をよっこらしょして、赤経軸の東側にセットしました。これなら干渉はしません。
しかしそれは、空中戦に突入することを意味しました。ファインダーを覗くことが出来なくなってしまうのです。↓のように、望遠鏡の向こうに入ることもできず、もちろんファインダーは覗けず・・ファインダー、そっぽ向いてますね。

本来であれば以下のような図を想定していました。アルデバランを基準恒星として、さくっと海賊の月星団に到達する・・・しかし、ピントを合わせた時は、望遠鏡は赤経軸の西に在り、ファインダーを覗いてアルデバランを導入できました。
今回は別です。

そこで、アルデバランの導入は諦め、アルデバランの方面に望遠鏡を向けて、スナップキャプチャーをして、そこを基準空域とすることにしました。前にも一度やったことがあります。
↓の位置は、astrometry.netで調べたところ、赤経04h48m、赤緯+18°01′で、目標天体「海賊の月星団」(赤経04h47m、赤緯+19°09′)に迫ることができます。
目分量でざっくり行った割には、基準空域を良いところに設定できました。
しかし、海賊の月星団導入には3回のトライを要しました。

撮影結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによりColor Enhance補正、色強調処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ

露出8秒間、総スタック時間3616秒(60分16秒) 、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。
にて撮影しました。
うーむ、どこが「海賊の月」なのでしょう。
星はあまり集まっていませんが、それなりに美しい散開星団です。星の数は100以上とのこと。
海賊が航海の方角を定めるために使ったのでしょうか。
しかし、こうして悩んだり考えたりすることが楽しいですね。

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まとめ

今回「海賊の月星団」を撮影出来て、名前の由来について考えて、鏡筒も赤経軸の東側に置く冒険もして、なかなか中身の濃い撮影でした。

モータードライブMD-6のクラッチノブへの干渉ですが、もう少し短い赤緯微動ハンドルが欲しいです。オークションとかで出ていないですかね。

追尾誤差の一つの原因、「赤経クランプの締めが甘い」ということが実証され、一歩も二歩も前進できた気がします。
しかし、一回の撮影での検証でしたから、今一度検証してみることとします。

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