目次
狙い
2021年3月11日の話、いつものように、天体観測をかねて、Sharpcapによるライブスタックの練習をしました。
最初にオリオン大星雲を撮影し、教訓を得て。
今回の教訓は、Sharpcap炙り出し機能も万能ではない、というものでした。
今回の撮影対象は、管理人のうちから見えやすくなってきたとも座の散開星団NGC2527にしました。
経緯
今回、事の次第をスクリーンショットでお伝え出来ないのが残念ですが、画角に目標天体を導入したところ、背景が濃い緑色をしていました。
これは結構いつものことなので、気にせずにライブスタックに入りました。
すると、スタック画像の背景の色が、フレーム画像の背景の色を上回る緑色でした。
そこで、スタック画像の背景を、Sharpcapのヒストグラムを使って、なるべく黒く調整しました。
それでも、黄色は根強く残りました。
まあ、スタック終了後の炙り出しの時に緑色のレベルを下げればよいだろうと思っていました。
スタック終了の時の画像を保存するのを忘れましたが(肝心なものを・・)、ライブスタックを終えても、スタック画像の背景色は変わらず。
そして、炙り出し開始・・・
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、×0.5レデューサー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)
撮影及びスタッキングソフト:SharpCap 3.2 (64 bit)で撮影・ライブスタック
画像編集ソフト:SharpCap 3.2 (64 bit)、GIMPで炙り出し、ノイズ軽減
撮影場所:自宅ベランダ
撮影結果 とも座散開星団NGC2527
露出8秒間、総スタック時間1376秒
ライブスタックで無視されるフレームが多かったので、撮影に時間がかかり、追尾誤差も少し多めです。
それはおいておいて、このベールにかかったような画像は何でしょうか。がっかりです。
GIMPでノイズ軽減をして、少し奇麗にはなっているのですが、やはり、スタック画像の背景色を黒く炙り出しをするのに、かなりの処理の無駄が出たと思われ、美しい散開星団が、このように・・・
GIMPによる炙り出しをしてみる
露出8秒間、総スタック時間1392秒間
ためしにGIMPで炙り出しをしてみました。これもさえない出来です。一番背景色を黒に近づけることができたところまでは良かったのですが、やはり、ザラザラ感が強いです。
炙り出し前の画像をGIMPで炙り出してみる
露出同じ、総スタック時間1200秒間
こちらの画像は白黒画像で、それをGIMPで炙り出してみました。これが一番まともです。
それでもやはり、ザラザラ感が強いです。
わー、きれい、とは残念ながら言えません。
まさか、光害?
NGC2527の方向には、明るい電灯があります。
そもそも、うちからは、とも座方面は明るいのです。
もしかすると、光害の影響があったのかも・・・
それもあって、画像の背景が緑色になったのかもとか考えます。
まとめ
何度も体験してきましたが、フレーム画像、スタック画像がイマイチだと、一生懸命炙り出しても良い結果にはなりません。
今回も思い知ったのと、炙り出しに関して、やはりあまり不自然な色を自然な色に編集するのは無理だということが分かりました。Sharpcapの炙り出し機能の限界です。
Sharpcapの炙り出し機能も万能ではないのですね。
したがって、あまりに不自然な色の炙り出しは、調整の負荷が高く、ノイズを呼び、クリアな色の画像にはできないということではないかと・・・
今回は、ライブスタックを始める前に、もっと色々と調整して、自然な色でスタートすべきでした。
どうするべきだったのかは、また、とも座の散開星団で再チャレンジしたいと思います。
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