目次
ねらい
ライブスタックから卒業するために、SharpCapの機能を使って、訪問者の皆さまはじめ諸先輩方が行っている、何分間かの露出の画像を複数枚撮影して、手動コンポジット?できるようになるため修行をしているつもりです。
SharpCapというのは本当に優れたソフトで、リアルタイムダーク、フラット補正に加えてBanding Suppression、Banding Threholdの機能もついています(すみません、どんな機能なのかは分かりません)。
これらに溺れると、ライブスタックからは卒業できなくなるので、SharpCapのリアルタイム機能に慣れて、なるべく早い段階で手動コンポジットに移行したいと思います。
次は5分間のノータッチガイド撮影
先般、3分間ノータッチで星を止めることが出来て喜んだのですが、
3分間では何か物足りないので、思い切って5分間のノータッチガイドに挑戦しました。星が流れたら、スーパーポラリス赤道儀の限界点は4分間当たりになるかなーと思っていました。
しかし、さすが、きよりんさんのオーバーホールされたスーパーポラリス赤道儀、驚きの結果が。
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセンスーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・F=714mm・F値7、EDレンズアポクロマート
カメラ:CMOSカメラASI462MC
自動追尾:MD-6(ビクセン)、
撮影:SharpCap 3.2 (64 bit)
一回目撮影
完全に止まっています!いったいどこまで止めらるのか、どんどん試してみたくなりましたが、昨夜はその能力が安定的に発揮できるのかの方が大事と思いましたので、さらに5分間露出で撮影しました。
二回目の撮影
見事に星が止まりました。三度目の正直で、もう一回・・・
三回目の撮影
3回止めた!本物ですね。5分間の撮影を複数回できることが証明されました。
前回は3分間、今回はさらに調子が良くて嬉しかったです。
何と言ってもライブスタックからの卒業がかかっているだけに、ここで星が流れているようでは困るのです。
まあ、3分間でも良いのかもしれませんが、手動コンポジットでは最低5分間くらいは星が止まってくれないと困るような・・・
NGC7662青い雪だるま星雲を、リアルタイムダーク・フラット補正で撮影
ライブスタックから卒業すべく、一昨日の夜は初めてのダーク補正、そして昨夜はフラット補正を追加して撮影にチャレンジしました。
そのターゲットが、青い雪だるま星雲というわけです。何回かチャレンジして失敗してるので。
SharpCapにおけるフラットフレームの作成
一昨日の夜に行ったダーク補正とほとんど同じですが、枚数はヒストグラムを見て適切な枚数を設定しないといけません。
望遠鏡の先端には、乳白色のビニール袋などをかぶせます。フラットフレームを取得中のSV503 102ED。。。
昨夜のフラットフレームの作成の過程です。メニューの、Capture→Capture Flat と進むと以下の画面になり、ヒストグラムを見ながら、枚数を決めます。露出時間は本撮影と同様にします。
といいつつ、まだこのヒストグラムで良いのか分かりません、もっと高くして、もっと100%に近づかないといけないのかな・・・
そして、フラットフレームの作成をスタート(スタートボタンを押すだけです)させます。
撮影時の適用
前出のスクリーンショット中にある矢印部分のBrowseボタンを押し、現れるフラットフレームファイル(一つです)をダブルクリック。
これで、フラット補正をしながらライブスタックができるようになります。
青い雪だるま星雲の撮影結果
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセンスーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDレンズアポクロマート。
カメラ:CMOSカメラASI462MC
自動追尾:MD-6(ビクセン)、
撮影:SharpCap 3.2 (64 bit)
画像編集: SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用、リアルタイムダーク(8秒間300枚・フラット(8秒間120枚))補正機能使用
露出8秒間、総スタック時間2400秒間、GAIN300。
やっと、青い色で写ってくれました。これ、ダーク補正がなければ、もっとノイジーになっていたのでしょうね。
追尾誤差も十分許容範囲です。
フラット補正の結果は、今一つ分かりませんが。何が違うのでしょうか。今回のメインはフラット補正だったのですが・・・もしかしたら、フラット補正していなかったら周辺減光していたのかもしれません。
いずれいせよ、フラット補正も必須事項ですね。
↓拡大版です。わずかに模様が見えます。GAINが大きすぎたのと、若干ピントの追い込みが甘かったようです。しかし前回に比べたらかなりの進歩です。
GAINは250くらいでも良かったようです。しかし、300でダーク・フラットを作成しているので後戻りできないです。
ダーク・フラット作成前にきちんと仮撮影をしておかないといけないようです。
木星と土星
惑星の季節は、撮影しないわけにはいかない、この惑星、昨夜も撮影しましたが、ピントがうまく合わせられないです。特に土星。
シーイングも良くなかったので、そのせいにしときます。
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
赤道儀、鏡筒:前述と同様。 (ただし×2バローレンズ使用)
撮影及びスタック:FireCapture2.6、AutoStakkert3.1.4
画像編集:RegiStax 6でWavelet処理
その他:UV/IRカットフィルター使用
木星
やはり、ピンアマですが、白斑のようなものを見ることができます。だとすると、ピントは合っているのだろうか?
Filename=Jup_231856、Duration=60.005s、Frames captured=5553、ROI=640×480、ROI(Offset)=912×296、FPS (avg.)=92、Shutter=5.629ms、Gain=257 (42%)、Gamma=100、Histogramm(min)=0、Histogramm(max)=3672、Histogramm=89%
土星
ソフトな感じに仕上がり、まずまずですかね。対物10cm、アポクロマートならば、本体の模様がもっと見たかったです。
しかし、それは管理人のピント決定力が劣っているからです。
まとめ
何と言っても、5分間の露出に成功できたことが大きいです。
最近思っているのが、やはり追尾誤差や星のズレは、極軸設定の精度にほとんど依存しているように感じます。極軸設定誤差が50″くらいまで追い込めたら、40分のライブスタックにも耐えられます。
今回の青い雪だるま星雲がそうでした。十分許容範囲の追尾誤差になったのです。
そして今回の5分間露光です。これも極軸設定の正確さが効いたと思います。SharpCapの極軸設定の結果はexcellentでしたから。
これで、なんとなく、手動コンポジットへの道筋がついてきたような気がします。あと何度か、リアルタイム補正をやってみて、ライブスタックを卒業できたらと思います。
土星のピントが出ていないのが残念です。今夜頑張ります。
コメント
さすがにわかってる方が調整した赤道儀\(//∇//)\
まあ、極軸の据え付けもドンピシャだったんでしょうね\\\\٩( ‘ω’ )و ////
フラットですが当然イメージサークルにおけるものです。
お使いのカメラは1\2.8くらいのサイズでしたっけ?多分減光している部分はほぼ使わず、中心部だけなのでこの条件だとフラットは要らないかもですねd( ̄  ̄)
こたろうさん、おはようございます。
やっぱり持ち主だった方、赤道儀の癖とか熟知されてたんだろうなあと思いました。5分のノータッチガイドの成功は、とても自信につながりました。
あ、私が使っているのはまさに1/2.8です。フラットは要らないかもしれないのですね。それだけ視野が狭いということでしょうが・・写真撮影にかかる時間が少なくなるので助かります。
これからも、ご訪問お待ちしています。
う~~む、この焦点距離とセンサーサイズで SP 赤道儀が5分ガイドなしで止まるってのはわたしもびっくりしています(笑)
フラットですけど、フラットの露出時間は撮影時の時間ではありません。ヒストグラムを見ながら適正露出で行います。でも、このセンサーサイズと鏡筒ではフラット補正は特に必要ないと思いますよ。
きよりんさん、おはようございます。
きよりんさんの使用・整備されたスーパーポラリス赤道儀は素晴らしいです。この先オートガイドが出来たとしても、やらないで済みそうなくらいです。やっぱり、きよりんさんのような上級者にとっても驚くべきことなんですね。
フラットは、こたろうさんも言われていますが、私のカメラと鏡筒では必要ないんですね。省力化できるので助かります。
ヒストグラムによる適正露出というのが、よくわからなくて。ZWOのCMOSカメラを使っていると分からないのでしょうか。
いつもアドバイス、ありがとうございます。
レンズなどには周辺光量落ちという特性がありまして、レンズ中心部よりも周辺を通る光の量が少なくなるんですね。古い映画なんかを見ますと、特に望遠での撮影で画面の周辺がうっすらと暗くなってるのがわかると思います。戦後すぐのモノクロ映画なんかによく見られますね。
天体撮影でも同じ事が起こります。画面の周りが暗くなるんですね。これを補正してできあがりの写真を均一な感じにするためにとる方法が「フラット補正」です。あらかじめ周辺が暗くなっているホワイトな画面を使って画像処理で補正してやるのです。
この「フラット」を作るための作業がフラット作成です。「ダーク」と違って同じ鏡筒、同じカメラを使う限りは一度作成しておけば使い回しが出来ます。フラット撮影の方法はネット検索してみてください。
ただ、ASI-462MC のような撮像センサーサイズの小さいカメラを使った場合は、レンズ全体の撮影範囲(イメージサークルと言います)の中心部しか使わないので周辺光量落ちの影響はほとんど受けません。
きよりんさん、ありがとうございます。
なるほど、写真で周りが暗くなっているのを見ることがあります。あれですね。写真を均一にするということですね。ぼんやりとではありますが、イメージできます。
フラットは使いまわしができるんですね。時間と労力の節約になりますね。ダークとは違うんですね。
ASI462MCは、レンズの中央部しか使わないので、必要なくなるのですね。これも理解できます、
センサーサイズの広いカメラで撮影したいと思う時もありますが、そこはそれで手間が増えるということですね。
でも、まずは私の場合、気にしないで良いということで安心しました。
ありがとうございます。