目次
撮影に至る経緯
いつもの、愛称が素敵な天体の追っかけをやっています。
昨夜、ステラリウムを見ていて目についたのが、とも座の散開星団M93、愛称「バタフライ星団」です。
バタフライというからには、きっと蝶々の形をしているのでしょう。当然の予測です。
しかしこのところ、愛称との関連性が薄いパターンが多く・・・
蝶々の形をした散開星団を見たいです!
バタフライ星団を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社NEWポラリス80MSVBONY社鏡筒SV503 102ED。
撮影の経過及び結果
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
今回ドローチューブの繰り出し幅でピントを合わせ、極軸設定から先に行いました。何だかうまくいくような予感がしたので・・・
いつものように、設定誤差20″未満を狙いました。
予感どおり、昨夜はとてもスムーズに極軸設定が進みました。
やはり、空の状態が良いと、スムーズに設定できるのではないかと思います。
昨夜はとても澄んでいました。
昨夜の設定誤差は10″。Excellentです。
自動追尾の状況
電信柱に邪魔されて、60分で自動追尾を終えるところでしたが、80分程度の長時間追尾となりました。
そこそこの追尾誤差は出てしまいましたが許容範囲でした。
やっぱり南の空の追尾は、誤差が大きめに出る気がします。
恒星のピント合わせ
今回はこの項目を後ろに持ってきました。ドローチューブの繰り出し5.9cmで極軸設定は可能でしたが、バーティノフマスクをかけて、シリウスを見ると少しずれていました。
↓までピントを追い込みました。
基準恒星と目標天体の導入
基準恒星は、シリウス(等級-1.45、赤経06h45m、赤緯-16°43′)かプロキオン(等級0.40、赤経07h39m・赤緯+05°13′)かというところですが、プロキオンは明らかに遠く、シリウスの一択です。シリウスは恒星のピント合わせで、すでに画角に入っています。
目標天体の導入には2回のトライで成功しました。これもExcellentです。
↓シリウスです。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・レベル補正・カブリ補正・星だけ処理、GIMPによる色強調・colorenhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年3月15日水曜日
露出8秒間、総スタック時間60分48秒間、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。
バタフライ・・・羽を広げたように見えないこともない、何とか無理してみればですが。
しかし、さすがメシエ天体、迫力と美しさがあります。
これ、密集度が高いのか、星の数は50未満だそうです。見た目よりささやかな散開星団です。
まとめ
今回も愛称との関連性は薄かったですが、奇麗な散開星団をゲットしたので良しとしましょう。
今回、FlatAideProの中でStar Netを使って、星だけ画像を作成し、これを完成品としました。さすがにこうすると背景の被りは完全になくなって暗黒になりますね。
とても便利な機能です。
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