撮影の経緯
誤って買ったフィルター事件から数日・・・
読者の方に、赤い星雲を、天文雑誌に載っているようにきれいに撮影するには、わずかな光を撮影することになるため、相当の露出時間が必要で、オートガイドが必要になる、また、ナローバンドフィルターはモノクロカメラとの組み合わせが基本となる、というお話をいただきました。
これはとてもハードルが高いです。現状の管理人の観測システムではオートガイド化は無理だし、モノクロデジタルカメラも持っていません。
しかし、管理人には管理人なりの楽しみ方があります。
露出時間は今のところ、自動追尾の調子がよければ1時間いけます。
これまでの、赤い星雲の撮影では、1時間の露出でそこそこ楽しめました。
短時間露出で、薄い赤い色を楽しんでいきたいと思います。
昨夜のねらいは、ぎょしゃ座の散光星雲IC417「スパイダー星雲」です。
ぎょしゃ座にこだわっておいてよかった。ぎょしゃ座は赤い散光星雲の宝庫です。
撮影の経過・結果
恒星のピント合わせ
いつものとおり、バーティノフマスクを使用してピント合わせをします。かなり慣れました。
今回はおうし座のアルデバランを使ってピント合わせです。
↓ずれています。
↓これでほぼぴったりです。なんて簡単なピント合わせなんでしょう。
考案された方に感謝します。
極軸設定
赤い星雲を撮影するには、最低1時間の露出が必要と考えています。
ですので極軸設定は追い込めるだけ追い込んでおかないといけません。
いつものとおり、SharpCapのPolar Align機能を使って、極軸設定誤差を23″までに抑え込みました。「Excellent」です。
今回は一昨日の夜とは打って変わって、追尾誤差は最小限でした。あと30分ノータッチで追尾できるかもしれません。
こうした差は、鏡筒を向ける方向に関連があると考えています。
ぎょしゃ座は、赤道儀が得意な方角なのだと思います。今のところ、ぎょしゃ座はOK、ふたご座はNGみたいです。
基準恒星と目標天体の導入
位置としては、エルナトから飛ぶのが一番近そうです。ここは冒険せず基準恒星はエルナト(赤経05h26m、赤緯+28°36′)としました。
もっとも、肉眼で確認できるのはエルナトくらいだったのですが。
目標天体IC417(05h28m、赤緯+34゚26’)まで、結構近いです。
しかし、今回も見えない星雲が相手、4回で視野の中央に導入することが出来ました。
↓すっかり定番となったエルナトです。
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
1時間の露出が、追尾誤差が許容範囲の場合、赤い星雲を楽しむ限界だろうと思っていますが、GAINをもう少し上げれば、短時間の露出で済むかもしれません。
このあたり試行錯誤しながら楽しんでいきたいと思います。
それから、今回新たにダークフレームを作成しました。150フレーム(20分)の短いものですが、これくらいでもノイズ軽減には役立つようです。
露出8秒間、総スタック時間3600秒(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN300、で撮影です。
割ときれいに赤い星雲が写りました。
さすがに蜘蛛の巣状の様子までは写りませんでしたが、目を楽しませてくれました。
がんばって、総スタック時間をあと30分長くできれば、星雲ももっと詳細に写るし、ノイズももっと減ると思うのですが、なかなか思い切れなくて。
まとめ
昨夜は赤道儀とモータードライブの調子がよく、これが一時間ノータッチ撮影かと思わせるほどの追尾誤差の小ささでした。
これなら、1時間半の総スタック時間が確保できるかもしれません。もっとも、追尾誤差を怖がらなければ、いつでも1時間半の総スタック時間にトライできます。
赤い星雲は、今でも写ると嬉しいし、楽しいですが、総スタック時間を伸ばして、もっと明るい赤い星雲を撮影してみたいです。
思い切って、次回1時間半の総スタック時間に踏み切ってみましょうか。
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