昨夜の部分月食
管理人の暮らす街は、月食中は曇り空で、良く見えませんでした。
もっとも、一番隠れる時間帯は仕事中でしたし。
部分月食なので早退しますとか、お休みしますとかいう勇気が欲しいですね。
終わりかけの部分月食を雲越しに何とか撮影しました。19:50撮影。
最後の一欠け、という感じです。もう、赤い色も見えませんねえ。
撮影の経緯
しつこいというほど、ぎょしゃ座の散開星団の撮影を続けています。
ぎょしゃ座(Auriga)は、北天の星座でトレミーの48星座の1つだそうで、貴族的な存在ですね。
2世紀の天文学者プトレマイオスは、美しいDSOがちりばめられていることも想定して48星座に加えたのでしょうか。
そして、管理人は、先般の記事にも書きましたが、散開星団は他の星座にも多いですが、ぎょしゃ座の散開星団は格別に美しい気がするので、こだわり続けているわけです。
2021年11月15日、この日のねらいはぎょしゃ座の散開星団NGC2281でした。
どんな姿なのか楽しみです。
ぎょしゃ座内での位置関係は↓のとおりです。
ぎょしゃ座の五角形の外に位置します。
ちょっと足を延ばせば、ふたご座が視野に入ります。
季節があっという間に過ぎていきます。
撮影結果
極軸設定
この日も、SharpCapのPolar Align機能で、設定誤差を1′以内に抑え込みました。
SharpCapの極軸設定の評価は3段階になっていて、設定精度が低い方から、「Poor」「Fair」「Good」「Excellent」となっています。
誤差が何度から何度の時に、どの評価になるのか、イマイチわかっていないのですが、50″以内に追い込めば、「Excellent」になるようです。
そして、この日も、「Excellent」を狙い、実現しました。
誤差が1′を若干超えると「Good」になりますが、決して悪い精度ではありません。管理人も「Good」で自動追尾した時もありましたが、問題ない精度でした。
しかし、満足のいくノータッチライブスタックをするには、「Excellent」が「気分的に」必要かもしれません。安心感の問題ですね。
さて、肝心の追尾誤差ですが、今回総スタック時間2400秒で、十分に許容範囲でした。これくらいの精度で毎回追尾出来れば、撮影途中に安心して風呂に入ることができるのですが。
導入
もう、ふたご座のカストル(赤経07h34m、赤緯+31°53′)まで候補に入るようになってきましたが、まだカストルは、近所の公園の木立に遮られており、また、ぎょしゃ座のメンカリナン(赤経05h59m、+44°56′)が理想でしたが、肉眼で確認できませんでした。
結局、困った時のカペラ(赤経 05h16m、赤緯+45°59′)に基準恒星を決定しました。
目標天体NGC2281(赤経06h48m、+41°04′)まで若干走らないといけませんね。
導入は2度の追い込みの上、成功しました。
パソコン画面に星団(目標天体)が現れる瞬間、管理人は胸がすっとします。
↓カペラ
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック(リアルタイムダーク補正機能使用)
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによるノイズ軽減
その他:UV/IRカットフィルター使用
露出8秒間、総スタック時間2400秒間(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN270、での撮影です。
管理人が散開星団の撮影する時のGAIN値より高めです。フレーム画面で少し賑やかさが足りないかなと思い、上げてみました。
それでも、もう少し細かい恒星が写ると賑やかで良かった気もします。
しかし、散開星団の撮影であまりGAINを上げるのもなんかねえ。
青ハロが目立ちますが、この色、嫌いじゃないです(笑)
星の集まり具合が少しまばらな印象です。賑やかしの、細かい恒星もあまり写らなかったです。
そういう空域だったんですかね。
まとめ
ぎょしゃ座散開星団の旅もあっという間に第5弾となりました。
今回の散開星団は少し地味でしたが、十分目を楽しませてくれました。
ぎょしゃ座にはまだ散開星団があり、もう一、二度くらいでしょうか、撮影を楽しめそうです。
自動追尾については、少し気まぐれなところがあります。
↑の記事においては、追尾誤差はかなり大きく、そうかと思えば、今回のように2400秒間でほとんど誤差が出ないこともある。
ピリオディックモーションの影響でしょうかね。他に大きな要因は思いつきません。
しかし、たまに、大崩れすることはありますが、正確に追尾出来る時の方が多いです。
したがって、ノータッチで40分のライブスタックができる赤道儀とモータードライブを誇りに思います。
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