経緯
ぎょしゃ座は、管理人の家のベランダから撮影しやすい方向にあり、また、天体が昇っていって家の軒に隠れてしまうという位置にありません。
奇麗な散開星団が多く、お気に入りの星座です。
鏡筒をSVBONY社のものに新調して以降、 ぎょしゃ座で撮影を行った天体は、
NGC1664
NGC1582
NGC1778
NGC1893
M38
です。多分。
だいぶ撮影が進みましたが、まだ美しい散開星団が残っています。
しかもメシエ天体です。
ぎょしゃ座には3つのメシエ天体があります。昨年も撮影して分かっているのですが、どれもとても美しい。
その3つの散開星団の再撮影は全て終わりました。
記事にしていないのは、M36とM37。
今回はM36の再撮影話です。
M36は、約60個の星で構成されています。ぎょしゃ座の三つの散開星団の中では最も小さく、非常に若い星団と考えられているそうです。それでも誕生して2500万年だそうですが。(Wikipedia情報)
撮影結果 2021年11月10日
極軸設定
定番のSharpCapのPolar Align機能を使用し、「Excellent」のレベルまで追い込みました。
つまり設定誤差は1′未満ということです。
極軸設定も円熟の域に達しました。前にも書きましたが、SharpCapのPolar Align機能は、最初に真北に赤経軸を合わせて、高度を緯度に合わせておけば、信じられないほど早く設定に成功します。
さて、
撮影の土台が固まりました。
導入
記憶があいまいですが、ぎょしゃ座のエルナト(赤経05h26m、赤緯+28°36′)を基準恒星にしたと思います。ここからなら目標天体M36(赤経05h36m、赤緯+34°08′)までは、ひとっ飛びです。
おそらく1回の失敗で済みました。目標天体が近くても遠くても、失敗する時は失敗しますね。
↓エルナト(基準恒星のキャプチャーを忘れたので、他の撮影の時の使いまわしですみません)
撮影
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック(リアルタイムダーク補正機能使用)
画像編集:画像編集: SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
幸い付近には雲はなく、安心して撮影できました。
昨年撮影した時と、見え味はどの程度変わっているでしょうか。
M36との再会に期待が膨らみます。
露出8秒間、総スタック時間1800秒間(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN230。
GAINが低すぎるかと思いましたが、スタック画像の背景が良い感じだったので、この数値で固定しました。
DSOも惑星も、あまり明るくすると、模様が飛んでしまったりして、風情のない画像になりますから、気を付けないといけません。
もともと散開星団は、GAIN控えめくらいでうまく撮影できるようです。
ダークフレームは、比較的最近作成したGAIN230のものがあったので使いまわしました。若干気温に違いがありましたが、雲がいつやってくるか分からないので撮影を急ぎました。
↓やはり美しいですね。本当は「小さな散開星団」シリーズ認定かと思ったのですが、ギリギリの判断でシリーズ化はしませんでした。
↓「小さな散開星団」シリーズは、もっと小さい散開星団を目指すものです。
昨年撮影したM36
2020年12月12日に撮影していました。ビクセン社80M(アクロマート、D80mm、f910mm)による撮影です。露出はなんと100秒!しかし、短い撮影時間できれいに写るのが散開星団の良いところです。
アクロマートの特性か、大きめの恒星がぼってりとしています。
このころ画像編集は、GIMPの色レベル調整をつかっていました。この点は、SharpCapのヒストグラムで炙り出すより、GIMPがすぐれているかもしれません。
まとめ
ぎょしゃ座の旅も終盤に差し掛かりつつあります。
あとはNGC1857、NGC1902くらいでしょうか。
これらも、どのような姿を見せてくれるかとても楽しみです。
しかし、ぎょしゃ座は美しい天体の宝庫です。改めてそう感じています。もうすぐ撮り尽くしてしまうのが寂しい。
また、こうして昨年の画像の出来栄えを見ていると、我ながら自分のスキルは向上したと思います。
しかし、まだまだ分からないことの方が多いので、経験を積んで、色々な画像を撮像していきたいと思います。
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