先日の記事の中で、スタック画像の不自然な発色についての原因の推測をしました。
撮影の中で実証することにしました。
①おおいぬ座の散開星団NGC2204の撮影・作像をして、
⓶本件の発端となった、とも座の散開星団NGC2527の撮影・作像をして、
③オリオン大星雲の撮影・作像をする
中で、ヒストグラムのリセットボタン押し忘れという、間抜けな原因を実証します。
[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
ビクセンNEWポラリス-80M、D=80mmアクロマート、F=910mm、×0.5レデューサー、CMOSカメラASI462MC、モータードライブMD-5(ビクセン)
撮影及びスタッキングソフト:SharpCap 3.2 (64 bit)で撮影・ライブスタック
画像編集ソフト:SharpCap 3.2 (64 bit)で炙り出し
撮影場所:自宅ベランダ
①おおいぬ座の散開星団NGC2204の撮影・作像
目標天体の導入画面。この背景色なら普通に撮影が出来そうです。
そして、ライブスタックの開始・・・スタックビューは・・・・
ヨモギ色!
明らかに不自然です。
そして、本来なら、ヒストグラムの縦の黄色い点線の一番左のものは、何もスタック画像に手を付けないうちは、左端にくっついていないとおかしいのです。
そこで、ヒストグラムのリセットボタン(矢印)をクリックします。
自然な発色に戻りました。ヒストグラムの黄色い点線が、左端にくっつきました。スタックは進み、
ヒストグラムで炙り出しをして、
画像が完成しました。
露出8秒間、総スタック時間632秒間、GAIN300
そして、リセットボタンをクリックすることなく、次の目標天体の撮影を始めます。
②とも座の散開星団NGC2527の撮影・作像
まずは画角に導入します。フレームビューは、まずまず自然な色をしています。
しかし、ライブスタックを開始したとたん・・・これは何色というのでしょうか?茶色?不自然すぎる!
ヒストグラムの一番左の黄色の線を見てください。やはり、①で作像した設定が残っている位置にあります。
そこで、またリセットボタンをクリックすると、下のような発色になります。まあまあ自然で、フレーム画像の色に近いです。
そしてライブスタックを終えて、炙り出しをして作成した画像がこれ。
露出8秒間、総スタック時間1296秒間、GAIN270
そして、ここではリセットボタンを押して、ライブスタックを終了します。
③オリオン大星雲の撮影・作像をする
オリオン大星雲は、ファインダーで導入できるのでとても楽です。美しいしありがたい天体です。
ライブスタックの、フレームビューも正常です。
そして、ヒストグラムの左の黄色い点線も左端にくっついています。前に作像した時の炙り出しの設定が残っていないことを示しています。
スタック画像を見てみると、自然な発色です。
ライブスタック終了後の炙り出し画像がこれ。あいかわらず、迫力がありますね。
露出8秒間、総スタック時間1264秒間、GAIN200.
まとめ
当初、不自然なスタック画像は炙り出して自然にしてからライブスタックをするとか乱暴な議論をしておりましたが、
原因が、リセットボタンの押し忘れというシンプル極まるものであることが実証されました。
今までの議論は何だったんだということになりますが、これで安心してライブスタックが出来ます。
どんなに難しそうな問題であっても、結論がシンプルであることって多いですよね。
この、「スタック画像の色が不自然である問題」も、結論はとてもシンプルな問題でした。
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