目次
撮影に至る経緯
(手動とは、ライブスタックではないという意味です)
手動コンポジットの場数を踏んで、スキルを上げたい、今日この頃。
球状星団、惑星状星雲、銀河の撮影をして訓練してきました。
今度は色鮮やかな惑星状星雲で、訓練することにしました。
FITS形式のファイルをどうやたらカラーにできるのか、今大きな問題だからです。
M27の鮮やかな色を、手動コンポジットで出さないといけません。また、出したいです。
コンポジットのコツはつかめてきつつあるので、応用編のカラー化をこなす必要があります。
色々な方のブログを見させていただきましたが、どうしてもカラー化について分からないのです。
そんな時に、DeepSkyStackerで、コンポジット後、TIF形式でカラー化された画像を吐き出せることに気が付きました。今さらですかね。
大きな朗報です。
さて、昨夜は美しいM27を吐き出せたでしょうか。
↓M27亜鈴状星雲を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。
撮影と撮像の経過及び結果
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
いつもどおり、SharpCapの極軸合わせを使って極軸設定しました。
コンポジットが追尾の精度で失敗しないように念入りに追い込んでいきました。
その結果、なんと6″の設定誤差まで極軸を追い込むことが出来ました。
いつもながら、まぐれです。設定誤差一桁はまぐれ。
自動追尾の状況
なんだかライブスタックは、画像の周りの黒い帯とか、追尾誤差がはっきりわかったのですが、手動コンポジットするようになって、よく分からないようになりました。見栄えは良くなったので、助かっていますが、今の自動追尾の精度が分からないのは、なんだかもやもやします。
おそらく大崩れしたら、画像が小さくなったりはするんでしょうけど、今のところ自動追尾でそうなったことはありません。
昨夜もそうで、最初と最後のフレームを確認する限り、許容範囲の追尾誤差に収まっていました。
恒星のピント合わせ
いつものように、バーティノフマスクと、SharpCapのフォーカス支援機能を使ってピント合わせをしました。使ったのはいつものアルクトゥルスです。
最初は目分量で合わせ、SharpCapで追い込みます。昨夜も↓のように追い込むことが出来ました。
水色の低いグラフが続くようになれば、ゴーサインを出します。
昨夜は目分量の精度が高かったようですね。
↓こんな精度です。ほぼぴったり。
基準恒星と目標天体の導入
さて、M27を導入するのによい星の候補ですが、見えている明るい星はアルクトゥルス(等級0.00、赤経18h36m、赤緯+38°46′)かアルタイル(等級0.75、赤経19h50m、赤緯+08°52′)でした。
目標天体のM27(赤経19h59m、赤緯+22°43″)には、アルタイルが近かったですが、まだ公園の木立を越えてきておらず見えなかったため、基準恒星はアルクトゥルスに決定しました。
そして、困難が待ち受けていたのですが、お世話になっている管理人の命綱、astrometry.netがダウンしており、途方にくれました、目盛環を設定してジャンプした先にはM27は無く、手探りで捜索しないといけなかったのです。
散々、目標地点周辺を探した結果、何とか見つかりました。M27が明るい天体で良かったです。
↓遭遇現場の状況
考えてみると、astrometry.netがなくなったら、明るい銀河専門プレーヤーにならなければなりませんね。
撮影・撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN300、8秒間のフレーム450枚を撮影・DeepSkyStackerによるコンポジット(うち449枚コンポジット)・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル調整・ノイズ軽減・トーンカーブ調整・塗りつぶし
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年5月27日金曜日
撮影の結果
DeepSkyStackerの画像吐き出し機能
まず今回学んだのが、DeepSkyStackerに、コンポジット画像をTIF形式で、しかもカラーで吐き出してもらえる機能があるということです。
横向き矢印の部分をクリックすると、縦向き矢印のところの画像をダウンロードできます。
リング状星雲を撮影した時から思っていたのです、この色のついている画像が欲しいなあと。
あまりにも手探りで使いすぎだろうという感じで・・・もっと研究してから使わないといけなかったです。
↓吐き出し画像
まあ、最初はこんなものでしょうか。手動コンポジットでM27を撮影できただけよいか。
ホワイトバランスとかしっかりできていれば、もっと完成形に近い結果が得られたかもしれません。
撮像の経過と結果
↑これをGIMPの色レベルの調整で、宇宙っぽくします。
しかし、この緑色の星たちはどうしたら良いものか・・・
フラット画像の作成と恒星無し画像・恒星のみ画像の作成
まずは、フラット画像。
少しスッキリしましたが、緑色はそのままです。
星だけ白黒にするため等に、恒星のみ画像と恒星無し画像を作成します。
↓恒星無し画像。こちらにノイズが残ってる。消せません。幸い一カ所に固まっているので、四角で囲って塗りつぶしました。
↓こうなったものを、FlatAideProで、恒星のみ画像を白黒にして、合成します。
恒星無し画像と、白黒の恒星のみ画像を合成→完成
殊の外出来が悪い(^-^;
まあ、今回色々勉強になったので、良しとしましょう。
これで完成です。
DeepSkyStackerによる手動コンポジットの結果
こちらも最初はこんなものですかね。fits画像に色を付けるスキルがないため、こちらは白黒画像の掲示です。これをカラー化するスキルが欲しい。
あれい状星雲については、過去に以下のような画像を得ています。今のところこの画像を超えるのは無理です。
しかし、何事も練習、練習。いずれこれを超える亜鈴状星雲を撮影します!
まとめ
今回は、astrometry.netがまたダウンし、亜鈴状星雲を導入するのにかなり汗をかきました。
言い訳ですが、ASI462MCは画角も狭くて、迷子になると結構大変なんです。
astrometry.netのみに頼る危うさを感じます。
今回最大の収穫は、DeepSkyStackerで、カラーTIF画像が得られることが分かったことです。
この画質の調整スイッチがどこかにあるはずで、頑張ってDeepSkyStackerを研究したいと思います。
fits画像のカラー化も、研究を続けたいと思います。
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