目次
撮影に至る経緯
とも座の散開星団NGC2409。一度撮影に失敗しています。
技術的な失敗というわけではありませんので、撮りなおせば大丈夫だったのですが、その時には、別のDSOの撮影をしていました。いろいろわけあって・・・
今回は、そのリベンジというわけではなく、そもそも散開星団の姿を見るまで、撮影したことがあることさえ忘れていました。
昨日は、いつもの河川敷公園にプチ遠征をする予定で、いつものようにステラリウムで、普段はあまり撮影できない方面のDSOを物色していました。
その結果、とも座の散開星団NGC2409を撮影することにしました。
前回の撮影の時もそうだったのですが、ステラリウムによれば、このDSOは、星雲の中にあるというのが気になって、NGC2409に決定しました。
星雲の中のDSO、素敵な姿を見せてくれるでしょうか。
↓河川敷撮影基地。NGC2409を追尾・撮影するビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
撮影の経過及び結果
恒星のピント合わせ
箱に収納して遠征先まで移動しますので、ドローチューブは完全に格納されていて、一からピント合わせが必要でした。
CMOSカメラASI462MCと、×0.5レデューサーと、UV/IRカットフィルターの組み合わせのドローチューブの繰り出し位置は6cm。繰り出してから、バーティノフマスクでピント合わせをしました。
使った恒星は、カペラです。
とても久しぶりです。この季節は屋根の向こうに行ってしまっていますが、プチ遠征なら捉えられます。
↓久しぶりのカペラ ピント合わせ前です。
↓前もって行った繰り出しの精度が良かったようで、ピントは合ってました。excellent!
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
1時間の総スタック時間を目指していました。当然、設定誤差20″以内を狙います。
奇麗に晴れていたので、極軸設定はスムーズに行うことが出来ました。
その結果、設定誤差16″まで極軸を追い込むことが出来ました。
恐らく、郊外で空気が澄んでいるというところもあったと思います。
自動追尾の状況
非常に順調にスタートしたのですが、15分あたりから、ライブスタックが進まなくなり、SharpCapからは位置決めが出来ない旨のメッセージが出ていました。
しかし、フレーム画像は少し明るめ、星をしっかりと写していましたし、なぜライブスタックが進まなかったのか・・・
明るさを足したり、禁断のGAIN変更などもやってみましたが、さっぱり効き目がありません。
ホワイトバランスも手動でやり直してみたりしましたが、一時間を経過したあたりから、いよいよSharpCapがうんともすんとも言わなくなり、そこで追尾を諦めました。
総スタック時間は34分8秒。
無視されたフレームの分を足すと90分くらいは自動追尾したと思います。追尾精度に問題はありませんでした。
基準恒星と目標天体の導入
NGC2409は、とも座に属してはいるものの、感覚的にはおおいぬ座に近いです。
そうなると、基準恒星はシリウスしかありません。
基準恒星をシリウスにするのは久しぶりのような?昨夜は久しぶりが多いですね。
シリウス(等級-1.45,赤経06h45m、赤緯-16°43′)から、目標天体NGC2409(赤経07h31m、赤緯-17°11′)までは、ほんの少しのジャンプで済みました。
しかしトライの回数は、6回に及びました。どうしてでしょう?
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・カブリ補正、GIMPによる色レベル調整・色強調処理・colorenhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外河川敷公園
撮影日:2022年4月9日土曜日
露出8秒間、総スタック時間34分8秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影しました。
元画像
フラット補正、効いているのでしょうか。
なんともかわいい星団です。この姿を見て撮影したことがあることを思い出しました。
確かに他の空域とは違う星の集まり、まさしく小さな散開星団です。
フラット補正
FlatAideProでフラット補正をしました。これは効果がありました。↑の画像と比べると効果てきめんです。
しかし、まだカブリが多く残っています。
カブリ補正
FlatAideProでカブリ補正を試みます。どこまで改善したかというと、左側の残余カブリが消えました。
これで色を調整して完成しても良かったのですが、何となく納得できません。
色レベル調整で背景を黒く
ほんの少しだけ、GIMPの色レベルの調整で背景を黒くしました。これ以上黒くすると恒星が消えていくので、ここで我慢。
色強調→完成
GIMPで色強調して、Colorenhance処理して、華やかにして完成とします。
最後まで残ったカブリは、星雲の雲だと思うことにします。
30分強の露出では見えないのでしょうけど。
しかし、一縷の望みをかけて、恒星無し画像を完成版とはしないことにします。
まとめ
久しぶりの、小さな散開星団シリーズでした。
ベランダからとも座がもっと良く見えたら、撮影し尽くしてしまうんですが。
障害の多さに、とも座で大事な撮影をする時は、プチ遠征に頼ります。
今回、34分8秒の総スタックということで、頼りにしていたプチ遠征にもフラれたわけですが、何が原因だったのか。撮影開始15分の時刻に何があったのか。
星雲の中の散開星団でしたが、これも確認できず。小口径で総スタック時間が短いのでは無理な話でしょう。
今回は、あまり盛り上がらないプチ遠征・撮影でした。
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