目次
撮影に至る経緯
昨夜は、おとめ座周辺のDSOを狙って、ステラリウムを見ていたところ、銀河や球状星団で目移りしてしまいました。
球状星団ってあまり狙って撮影することは無くて、銀河などのDSOの撮影に失敗した時に、お土産で撮影する、という感じです。
しかし昨日は、おとめ座の隣のかみのけ座の球状星団の多さに惹かれて、星の数が100以上の規模の大きいNGC5053を狙いました。
球状星団って、写すと同じ姿をしているようなので、今回も同じ姿なのかと思いながら撮影を進めました。
↓NGC5053を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
撮影の経過と結果
極軸設定の結果と自動追尾の状況
極軸設定の状況
とにかく精度は高いほど良いので、設定誤差20″未満を狙いました。
見事、設定誤差14″に追い込みました。
だからと言って自動追尾も完璧かというと、それは別のようでして、ここで設定誤差1′以内であっても追尾精度に問題は無い時があるのです。
一度腰を据えて、分析したいところです。一度やろうとして挫折しましたが。
自動追尾の状況
撮影に入って、これから1時間ノータッチということで、部屋に戻って、よっこらしょと横になりましたら、寝入ってしまい、1時間どころか130分27秒の超長時間自動追尾となりました。
それでも追尾誤差は許容範囲内で、excellentな自動追尾となりました。
恒星のピント合わせ
例によってアルクトゥルスで、バーティノフマスクを使ってピント合わせをしました。
一昨日の夜の撮影の時のドローチューブの繰り出し位置がそのままだったので、調整の必要がありませんでした。
これはいつものパターンですね。
↓ピントの合ったアルクトゥルス
基準恒星と目標天体の導入
基準恒星はアルクトゥルス(等級0.15、赤経14h15m、+19°09″)です。
めぼしい星がありませんでした。
アルクトゥルスであれば、角度的にもベランダから狙いやすいし、明るくて見やすいです。
そして目標天体NGC5053は、赤経13h16m、赤緯+17°41′。
ソンブレロ銀河よりは近いですね。
鏡筒は旋回というより、少し触れただけという感じです。
目標天体は、2回のトライで、導入に成功しました。
↓基準恒星アルクトゥルス
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・カブリ補正、GIMPによる色レベル調整・色強調処理・colorenhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年4月7日木曜日
露出8秒間、総スタック時間130分27秒、GAIN200、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。で撮影です。
元画像
今回GAIN200で撮影していますが、本当は250のつもりで、極軸設定の時の設定値が残ったまま撮影に入ってしまいました。
NGC5053を見た時は、球状星団としては淡くて、そして形状も、密集度の高い球状星団のようでした。
そんなこんなで、光量不足気味です。
フラット補正
リアルタイムフラット補正はしているもののカブリは残ります。FlatAideProでフラット補正画像を作成します。
かなりのカブリが消えました。
カブリ補正
もう一押し、FlatAideProでカブリ補正をしました。これでカブリは消えました。何だか左側に、ぐるぐるお絵描きしたようなノイズが見えるのですが、これは何でしょうか。
背景をもっと暗く
背景をもっと宇宙っぽくしたかったので、GIMPの色レベル調整で、背景をさらに暗くしました。
あーっ、NGC5053がつぶれてしまいました。
球状星団に色どりを→完成
GIMPの色強調処理と、colorenhance処理で、華やかにしました。これで完成です。
しかし、色レベル調整で、本体の迫力がなくなってしまいました。
少し手直し→今度こそ完成
今回あまりに球状星団が暗くて寂しいので、気を取り直して、GIMPの影-ハイライト処理で、球状星団を明るくしてみました。
それに伴うカブリの発生は、色レベル調整で軽減させました。
それでもまだ寂しいですね。。。
まとめ
今回の撮影は、少し失敗しました。
SharpCap画面で淡いと分かっていたのにGAINの調整を忘れました。
これも撮影し直しかなあ。
しかし、130分強の自動追尾が出来たことは大きな収穫でした。いずれ、淡いDSOを偶然ではなく意識して2時間の追尾・撮影をしてみたいと思います。
まずは二日続けての撮影が出来たこと、祝着至極。
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