目次
撮影に至る経緯
天文ガイド誌のポスターに掲載されている、春のDSOの撮影を続けています。
以下の掲載DSOのうち8個の撮影を終えています。
①りょうけん座M3
⓶へび座M5
③ヘルクレス座M13
④かに座M44
⑤おとめ座M104
⑥しし座M65
⑦しし座M66
⑧しし座NGC3628
⑨うみへび座M83
⑩かみのけ座NGC4565
⑪りょうけん座NGC4631-4656
↑天文ガイド誌のポスターに掲載されている春のDSO
昨夜は、ベランダ撮影が可能な、⑩かみのけ座渦巻銀河NGC4565「Needle Galaxy」をターゲットにしました。
Needle Galaxyは、針銀河というところでしょうか。地球から見た形状が、とても細いため、そう呼ばれているそうです。
さて、どれだけ細いのでしょうか。
撮影の経過及び結果
恒星のピント合わせ
すっかりおなじみになりました、バーティノフマスクとSharpCapのフォーカスアシスタント機能を使って調整します。使った恒星はアルクトゥルスです。
バーティノフマスク装着時は↓のような感じ。横の光線がかなり上にずれています。
これをsharpcapで調整していきます。徐々に棒グラフが低くなって、色も青に変わって安定しました。ここでゴーサインを出しました
↓ここまでピントを追い込むことが出来ました。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
銀河の撮影には長時間の自動追尾が必要です。そのために、昨夜はいつもより慎重に設定しました。その結果、設定誤差を10″台まで追い込むことが出来ました。
自動追尾の状況
うたた寝をしてしまい、撮影開始から100分が経とうとしていました。さすがに許容できない大きな誤差が出ていました。
しかし、誤差の部分を切り取ると、まだ絵になるレベルだったので、許容できたとも言えます。
基準恒星と目標天体の導入
今回はアルクトゥルス(等級0.15、赤経14h15m、+19°09″)を使いまわし、基準恒星に設定しました。
目標天体は、赤経12h36m、赤緯+25°59′の位置にあります。まずまずの距離でしたが3度のトライで画角に収めることに成功しました。
撮影・撮像の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 4.0 (64 bit)のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正、GIMPによる色レベル調整・色強調
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年5月8日日曜日
撮影の結果
露出8秒間、総スタック時間100分48秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影しました。
Needle Galaxyの名前の意味がよく分かりますね。本当に刺さりそうです。
塵の帯もしっかり確認できます。
UFO銀河と言われることもあるそうですが、それも納得です。
薄くではありますが、雨のようなノイズが残りました。
撮像の経緯と結果
フラット画像の作成
いつものようにFlatAideProでフラット画像を作成しました。あまり効果がありませんでした。
背景を暗くしてノイズを見えなくする
作成したフラット画像の背景を、GIMPの色レベルの調整で黒くし、ノイズを見えなくしました。
色の強調→完成
少し色がなくて寂しいので、GIMPで色の強調を行いました。なかなか良い色になりました。
これにて完成です。
まとめ
大銀河の撮影は、ワクワクするとともに、緊張もするのですが、今回は緊張しました。
その割にはうたた寝しましたが。
これで、春のDSOは以下のようになりました。
残すところあと二つです。もう一息。
楽しみながら、プレッシャーを感じながら、進めていきたいと思います。
①りょうけん座M3
⓶へび座M5
③ヘルクレス座M13
④かに座M44
⑤おとめ座M104
⑥しし座M65
⑦しし座M66
⑧しし座NGC3628
⑨うみへび座M83
⑩かみのけ座NGC4565
⑪りょうけん座NGC4631-4656
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