目次
撮影に至る経緯
昨夜も、撮影対象をステラリウムで物色していました。
オリオン座周辺です。
インパクトのある愛称のついた天体がありました。
NGC1999「13番目の真珠星雲」です。オリオン大星雲の近くにあります。
1番から12番もあるのだろうかと余計なことを考えてしまいますが、素敵な愛称を気に入ったので、昨夜は、「13番目の真珠星雲」を撮影することにしました。
実を言うと最初は、ぎょしゃ座の「傷心星団」に心惹かれて、撮影の準備をしていたのですが、NGC2281という番号を見て、この冬、すでに撮影していることが分かり、再度物色して、「13番目の真珠星雲」に至ったものです。
なお、当時の撮影では、こんな素敵な愛称がついているとは思いませんでした。少し残念です。
撮影の経過及び結果
恒星のピント合わせ
一昨日と同様に、ドローチューブの位置が、前日に撮影したままになっているので、おそらくピントは合っているはずです。
バーティノフマスクを装着して確認しました。
この段階では「傷心星団」を狙っていたので、ぎょしゃ座とふたご座の間にあるこの星団を狙うためにふたご座のカストルで確認しました。
↓カストルです。細かい星がちりばめられているのは大好きな風景です。これにバーティノフマスクを装着してみると・・・
↓三本の光線は一点で交わっているように見えます。フォーカスノブを触ることなく、ピント合わせは終了です。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
今回は淡い星雲の撮影ですので、真剣に(いつもですが)極軸設定を行いました。
SharpCapのPolar Align機能を使い、その結果、設定誤差を15″まで追い込むことが出来ました。
自動追尾の状況
今回の自動追尾時間は約50分としました。
追尾誤差は、30分経過したころはまだ許容範囲でしたが、50分経過したころには、そこそこの大きさになってしまったので、画像の切り取りで体裁が整ううちに自動追尾を停止しました。
その時間が50分80秒という追尾時間となりました。
やはり鏡筒のバランスが出来ていなかったのか・・・とは言えつい最近までは30分の総スタック時間で喜んでいたのですから、進歩はしているのです。
目標天体の導入
目標天体NGC1999「13番目の真珠星雲」(赤経05h37m、赤緯-06°42′)に到達するには、オリオン座サイフ(赤緯05h48m、赤緯-09°39′)が一番近いのですが、その時間はまだ、公園の木立に隠れており、次に近いリゲル(赤経05°15″、赤緯-08°10′)を基準恒星にしました。
最近目盛の読み間違いや、数値の記憶違いが多いです。
昨夜も赤緯値の読み間違いで、迷子になってしまい、目標天体の導入に4度トライすることになりました。
撮影結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
露出8秒間、総スタック時間3080秒間(50分80秒間)、GAIN250、リアルタイムダーク補正使用。
にて撮影しました。
「13番目の真珠星雲」は、かなり小さく、大きな恒星と見分けがつきませんでしたが、astrometry.netで確認して、確かに「13番目の真珠星雲」であることがわかりました。
しかし拡大してみてみると、暗黒帯か塵の帯のある立派な星雲(正確には反射星雲)であることが分かりました。
↓中央のぼやっとしたのが「13番目の真珠星雲」
拡大してみるとこんな感じでした。確かに立派な星雲で、拡大率をもっと上げればさらに美しい「13番目の真珠星雲」が見られるでしょう。
「13番目の真珠星雲」のネーミングの意味が分かった気がします。
まとめ
多くのDSOには愛称があって、それがとても素敵で、撮影するとさらに愛称の意味が分かるという典型パターンでした。
本当に今回の星雲は「真珠」でしたから。
愛称のあるDSOを狙うと何か良いことがある気がします。
これからは、なるべく愛称のあるDSOを撮影していこうと思います。
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