撮影の経緯
ぎょしゃ座散開星団の旅シリーズも第9弾まで来ました。
これで10弾まであることは確実となりました。
よくまあ、ここまで拘ったものだと自分ながら感心しています。
まず、星が多く、賑やかで奇麗なことがこだわっている理由ですが、どの天体を撮影しようかについては、星図とにらめっこして、理由なく決めています。
今回は、NGC1883撮影の話。話は11月26日までさかのぼります。
撮影の経過と結果
恒星のピント合わせ
11月26日、まだバーティノフマスクを購入していません。
極軸設定前に、北極星周りの星を、鋭く光るようにデュアルスピードフォーカサーを少しずつ動かして追い込んでいきます。
毎回、ここが限界だなというところまで追い込みますが、バーティノフマスクを超えるピントは出したことが無いと思います。
それでも、昔ながらの方法で頑張りました。ピントは合いました。
極軸設定
SharpCapの極軸設定支援機能Polar Alignを使います。
最近では、確実に「Excellent」なレベルまで追い込むようにしています。
ライブスタック時間を50分から1時間とする撮影を増やしているからです。
設定は1′未満の誤差であれば、その先あまり追い込んでも意味はないとは思いますが、気持ちの問題もあり、20″以内程度の誤差まで追い込みます。
この日の設定誤差はなんと4″。我ながら神業です。
その結果、追尾精度は最高レベルで、これが総スタック時間3600秒の誤差かと、驚き、そして幸せな気持ちになりました。
目標天体NGC1883の導入
NGC1883はカペラのすぐ南東にあり、導入はかなり楽でした。
基準恒星は定番も定番のカペラ(赤経05h16m、赤緯+45°59′)とし、目標天体NGC1883(赤経05h25m、赤緯+46°29′)までは一足二足程度の移動で済みます。
そして、導入は一足目、一回目のチャレンジで成功。
やはり基準恒星が近いと、導入がうまくいく可能性が上がりますね。
撮影結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック(リアルタイムダーク補正機能使用)
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用
露出8秒間、総スタック時間3600秒間(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN230、での撮影となりました。
GAINは、スタック画面が少し濃い目かなと感じるところまで明るくなるように設定します。
これもあまり根拠はなく、経験を生かしている感じです。
そんな感じのGAINだと炙り出しがうまくいくことが多いのです。
そして今回、まだあまり経験のない、3600秒間の総スタック時間です。
ドキドキしながらライブスタックのボタンをクリックし、パソコンのフレーム画面とにらめっこが始まりました。
星がほとんど動きません。驚くほど動きませんでした。3600秒間のライブスタックは大成功をおさめました。
星は多いけど、NGC1883はどこ?
中心をずらしてしまいました。
とてもユーモラスな形をした散開星団です。アルファベットのYの字を伸ばしたような。あるいは、虫のような。
もう少し背景が黒いともっと良かったと思います。とにかく星がたくさん、賑やかなのが良いですね。
まとめ
ぎょしゃ座散開星団の旅も次が節目の第10弾になります。
こうやってテーマを決めて撮影をしていくのは楽しいです。
星座の性格が分かってくるような、そんな気がします。
ぎょしゃ座の性格は、賑やかな明るい感じ。
神話とは違うかもしれませんが。
今回炙り出しを少し失敗しています。若干、星が埋まったような感じになってしまいました。
ですので、背景が茶色っぽいのです。炙り出しの最適ポイントを越えてヒストグラムのラインを動かしてしまいました。
次の撮影では気を付けたいと思います。
そして、次の第10弾もがんばります。
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