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【天体観測】りょうけん座の渦巻銀河M94「Croc’s Eye Galaxy」を撮影しました。

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撮影に至る経緯

あまり経緯というものは無くて、銀河をとにかく撮影したかったのです。
ベランダから、あまり無理な角度にならず、捉えやすい天体が望ましいです。
おおいぬ座とかりょうけん座とか、集中して撮影したことがありませんが、何だか今が旬っぽいので、心残りのないようにつぶしておきたいと思いました。
数が多いので、メシエ天体を中心に撮影を進めていきます。

で、物色の結果、りょうけん座の渦巻銀河M94を選びました。渦巻が果たして見えるでしょうか。

そして、この天体には、「Croc’s Eye Galaxy」という愛称がついています。
Croc’s Eyeって、よくわからないけど、肉食系爬虫類や鳥類の目の玉、あの縦長に細く切れたやつのことみたいです。
ということは、眼光鋭い銀河を見ることができるか勝負です。

M94は、1年ほど前に撮影したことがあります。まだビクセンNEWポラリス80Mがメイン機(というかそれしか持っていなかった)を使っていたころです。
せめてその時よりは上手に撮影したいです。

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撮影の経過及び結果

恒星のピント合わせ

りょうけん座方面というと、ベランダの北正面になります。北方面は自動車学校などがあって明るくて、ハードルが高いのですが、もう決めたことは変えたくありません(^-^;

北斗七星の一部と思われる恒星を何とか肉眼で見つけました。バーティノフマスクを使って、この星でピント合わせをしました。
ミザールでした。
ドローチューブ6cmの繰り出しが正確だったようで、ピントは合っていました。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

一時間を超える自動追尾時間を想定していましたので、極軸設定も念入りに行いました。
その結果設定誤差9″まで、極軸設定を追い込むことが出来ました。
昨夜は奇麗に晴れていたので、極軸設定も順調でした。

自動追尾の状況

無視されたフレームは1枚だけでしたので、総スタック時間+8秒の自動追尾をしたことになります。
結果としては、95分12秒の総追尾時間となりました。恐らく2時間はいけたでしょう。
自動追尾もexcellentでした。

基準恒星と目標天体の導入

基準恒星については、北斗七星の柄の星のどれかを掴みたかったのですが、明るい北の空、なかなか恒星は見えず、やっと見つけた星が、おおぐま座アルカイドでした。
先ほどピント合わせに選んだミザールはロストしてしまっていました。

さて、アルカイドは、等級1.85、赤経13h47m、赤緯+49°18′の位置にあります。
我が家のベランダからは等級1.85辺りが肉眼で確認できる限界のようです。
一方目標天体のM94は、赤経12h50m、赤緯+41°07′の位置にあります。

恒星が見えないのですからえり好みをしている場合ではなくて、アルカイドを基準恒星にするしかありません。

結果として、アルカイドからM94にジャンプして、ほぼ一回のトライでM94を捉えることに成功しました。excellent!
ほぼ一回というのは、一度目のトライで、銀河のような影を通り過ぎてしまったのですが、それをモータードライブで手繰り寄せた結果、それがM94でした。
ということで、ほぼ一回ということになります。

↓アルカイド

撮影の結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・カブリ補正、GIMPによる影-ハイライト調整・色レベル調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年4月12日火曜日

露出8秒間、総スタック時間95分4秒、GAIN280、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影です。

元画像

あー、なるほど肉食獣の目ですね。これは愛称に一票です。
さて、ここからは、カブリをどこまで除去できるかです。銀河を埋もれさせることなく。

フラット画像の作成

いつもどおりのフラット画像作成です。FlatAideProを使います。
ほとんどカブリは消えましたね。

M94の強調

GIMPの影-ハイライトで、shadows値を増やしてみましたが、あまり効き目がないです。
かえって、カブリを増やしてしまいました。

カブリ補正処理→いまいち

もう一度FlatAideProに戻って、カブリ補正を行いました。結果は・・・変わりませんでした。
やはり一度消して再発するカブリを消すのは困難を極めますね。

色レベルの調整→完成

GIMPの色レベルの調整で、背景を真っ暗にしました。銀河本体への影響も少ないし、カブリも消えました。この画像を完成版とします。

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まとめ

そこそこ迫力のある銀河の撮影で充実した時間を過ごしました。
肉食獣の目の玉の雰囲気も出すことが出来たし、十分な撮影だったと思います。
惜しむらくは、渦巻の確認が出来なかったことです。
口径102mmの望遠鏡には荷が重かったですかね。

次の撮影対象もりょうけん座方面で行っていきたいと思います。

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