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【天体観測】いて座の散光星雲M8「干潟星雲」を撮影してみた

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撮影に至る経緯

天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSO制覇に向けた取り組みです。
現在12個のDSOのうち5個まで撮影が進んでいます。まずまずの進捗状況でしょう。

昨夜は、昔から気になっていた、いて座にある散光星雲、M8「干潟星雲」を狙ってみました。
管理人の家のベランダからは、障害物や街灯を避けてぎりぎりで撮影できる対象です。
正直なところ、撮影にならないのではないかと思いましたが、なんとかなりました。
途中で曇りに見舞われたことを除いては。

相手は赤い星雲、どんな風に写るか楽しみに撮影を進めました。

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撮影・撮像への経過と結果

恒星のピント合わせ

管理人の家から干潟星雲を狙う場合、本当は基準恒星にアンタレスを使いたいのですが、アンタレスを捉えるには、ものすごい強い運が必要です。
したがって、恒星のピント合わせもアンタレスを使うことはあきらめ、アルタイルを使いました。
いつもどおり、バーティノフマスクとSharpCapのフォーカス支援機能を使います。
まずは目測でピント合わせします。ほぼ合っているような。

しかし、SharpCapにかけてみると、まだまだでこぼこがあって、しかもどう調整してもでこぼこがなくならないので.↓の棒グラフの状態でピントを固定しました。

↓念のため、目測でも確認してOKを出しました。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

干潟星雲と言いますと、自分にとってはかなり大物でして、追尾誤差で撮影をダメにしたくなく、したがいまして、昨夜はFairで妥協することなくexcellentを目指しました。
その結果、17″まで設定誤差を追い込むことができました。これでかなり正確に追尾できるはずです。

自動追尾の状況

自動追尾時間は約60分でした。約というのは途中で雲になってしまい、撮影が中途半端に終わってしまったからです。
自動追尾状況は、以下のとおりです。ほぼ問題なく、誤差も許容範囲です。
↓はとても見にくいですが、フレーム1とフレーム353でほとんど誤差がないことが分かります。

基準恒星と目標天体の導入

目標天体の干潟星雲は、赤経18h03m、赤緯-24°22′に位置します。
いて座の「弓」の上にあります。

前述したように、アンタレス(等級1.05、赤経16h29m、赤緯-26°25′)は捉えられないので、基準恒星にできず、慣れ親しんだわし座のアルタイル(等級0.75、赤経19h50m、赤緯+08°52′)を使います。
目標天体までの距離は、アンタレスとそう変わりません。
導入は、予想に反して、星雲をPC上で確認できたので、2回のトライで導入に成功しました。
excellentです。

撮影の結果と、撮像の経過及び結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN350、8秒間のフレーム450枚を撮影・うち401枚をDeepSkyStackerでコンポジット
画像編集:GIMPによる色レベル補正、トーンカーブ補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年7月25日月曜日

撮影の結果

写りました!感動しました。(全体像ではありませんが)
干潟ではなく人に見えます。
しかし干潟星雲は赤い星雲。これでは物足りません。

撮像の経過と結果

星雲の赤色を濃く

十ーンカーブを調整し、星雲本体を赤くしてみました。
これでは物足りないでしょうかね。

背景を黒く、干潟星雲をさらに赤く→完成

インパクトがないのは、背景の黒さと、干潟星雲の色が弱いからだと考え、色レベル補正で、おっかなびっくり、少し黒色を強くしました。
星雲本体は、思い切ってトーカーブを調整し、存在感を強くしました。
これで完成とします。

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まとめ

干潟星雲という大物(管理人にとっては)を捉え、満足しています。
前述のように、本来120分露出の予定で始めましたが、曇のせいで60分の露出時間となりました。
それでも十分に写りました。編集前画像でもう少し赤色が写るとなお良かったですが、贅沢は言えません。

さて、これで、天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSO12個のうち6個の撮影に成功しました。
リング状星雲は、過去に撮影したものがありますが、撮影し直しです。
ようやく中間地点です。

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