目次
撮影に至る経緯
天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSOの撮影制覇を目指しています。
4個の撮影が終わっていると言いたいところですが、たて座のM11が、DeepSkyStackerの設定の問題で、天体写真の体をなしていないので、3個のDSOを撮影が終了しているところです。
4個目のターゲットは、これも若いころからの憧れ、いて座の散光星雲M20「三裂星雲」です。
青や赤の星雲ですから、強敵でもあります。
しかし、折角の晴れた夜、大物を狙いたかった。
そこで三裂星雲を選んだ次第です。
↓三裂星雲を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
この写真からも、後述するように、南方向の星を捉えるのはとても難しいことが分かります。
撮影・撮像への経過と結果
恒星のピント合わせ
いつものように、バーティノフマスクを目測で測り、SharpCapのフォーカス支援機能を使いますが、SharpCapの方が全く合わず、安定しません。
仕方なくSharpCapで答えを出すのを諦め、目測で最終仕上げまで行いました。
↓目測ではピッタリに見えます。ここでピント固定をしました。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
調整はすいすいと進み、あっという間に、goodな領域(1分角)に突入し、excellentの領域まで、極軸を追い込むことができました。
設定誤差は21″です。
自動追尾の状況
極軸設定を頑張ったせいもあり、良好な自動追尾でした。公園の木立の向こうにあるうちから追尾をしていましたから、撮影に約74分、木立の向こうの追尾に30分、合計100分強は追尾をしていました。
十分満足のいく自動追尾でした。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体の三裂星雲は、赤経18h02m、赤緯-22°58′の位置にあります。
基準恒星候補で明るい星は、アンタレス(等級1.05、赤経16h29m、赤緯-26°25′)と行きたいところですが、アンタレスをとらえるには、ベランダの広さの関係で、アクロバティックな姿勢でファインダーを覗かないといけません。
というか、ベランダでアンタレスを捉えるのは無理。
結果としてわし座アルタイル(等級0.75、赤経19h50m、赤緯+08°52′)を選択しました。
目標天体へは、2回のトライでたどり着きました。
↓アルタイルです。相変わらず美しい。
さて、大物の撮影です。
撮影の結果、撮像の経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN300、8秒間のフレーム560枚を撮影・うち449枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによるトーンカーブ調整、FlatAideProによるフラット補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年7月10日日曜日
撮影の結果
青と赤の星雲がしっかり写りました。暗黒雲もはっきり分かります。嬉しかったです、このファイルを開いた時は。
暗黒星雲の裏にある散開星団も奇麗です。
これ、編集無しでも満足です。しかし、もう少し色を強調したいです。
撮像の経過と結果
トーンカーブで、赤青強調
三裂星雲のイメージカラー青と赤をトーンカーブで強調しました。少しですが。
フラット補正
この時点でフラット補正をします。少し平坦になったかな。
再度色強調→完成
やはり、もう少し星雲の色を強調したいので、今一度、GIMPでトーンカーブ補正と、色強調処理をしました。これにて、完成版とします
まとめ
何と言っても、大物を撮影できた嬉しさでいっぱいです。
これで、天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSOのうち、4個目の撮影が終わりました。
撮影好調です。
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