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【天体観測】プチ遠征して、「ヘルクルス座大球状星団」M13を撮影しました。奇麗でした。

星雲・星団・銀河に関する情報
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撮影に至る経緯

天文ガイド誌の付属品ポスターに掲載されている季節別DSOを追いかけています。
下記の赤字DSOは撮影済み。あと5個のDSOを撮影すればクリアです。
昨夜は、ポスター掲載のDSOを撮影することとし、ヘルクレス座の球状星団M13を撮影することにしました。

①りょうけん座M3
⓶へび座M5
③ヘルクレス座M13
④かに座M44
⑤おとめ座M104
⑥しし座M65
⑦しし座M66

⑧しし座NGC3628
⑨うみへび座M83
⑩かみのけ座NGC4565
⑪りょうけん座NGC4631-4656

天候は曇りでしたが、途中で晴れてくることを期待して、プチ遠征を実施しました。
本当は、もうベランダでは撮影できなくなっている、⑧しし座NGC3628を撮影しないといけないのですが、昨夜は天気が曇りがちであり、雲の切れ間はあったのですが、天頂付近は雲に占領されていて、NGC3628の撮影は不可能でした。

↓曇り空

折角プチ遠征したのですから成果が欲しいところでした。
雲は東の方は切れており、そこで、ポスターにも掲載されているM13を撮影することにしました。
愛称が「ヘルクレス座大球状星団」、期待は大きいです。

↓M13を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED

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撮影・撮像の経過と結果

恒星のピント合わせ

とにかく雲に隠れていない星であればどれでも良くて、西に傾いたカペラを使いました。
ピント合わせは、バーティノフマスクとSharpCapのフォーカス支援機能を使って行いました。

バーティノフマスクを装着して、SharpCapのツール→フォーカスアシスタント→バーティノフマスク
と展開していくと、以下の画面です。
緑色のグラフ棒が続いたので、OKを出しました。

その時の星像は↓のような感じ。見た目もぴったり合っているようで、だんだんこの機能に頼れる気がしてきました。

↓カペラです。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

昨夜最も苦しんだのはここでした。北極星方面も雲に覆われていたからです。薄曇りから漏れてくる北極星周りの星の明るさでは足りそうもありませんでした。
しかし、とても運が良く、雲がかなり薄くなり、SharpCapの極軸合わせが使えるようになりました。
その結果は以下のとおり。設定誤差21″まで追い込めました。
曇ってM13が隠れてしまわないように、昨夜はスピード優先、これ以上は追い込みませんでした。

自動追尾の状況

追尾途中に雲がかかり無駄になったフレームが12分24秒、スタック出来たフレームが60分16秒。
合計72分40秒の自動追尾となりました。昨夜は少し追尾誤差が大きかったですが、許容範囲内でした。
雲は運よく途中で切れて、撮影を続行することが出来ました。

基準恒星と目標天体の導入

曇りがちの中では、もう選択している余地はありませんでした。幸い、こと座のベガ(等級0.0、赤経18h36m、赤緯+38°46′)が見えており、基準恒星に決めました。
目標天体M13の位置は、赤経16h41m、赤緯+36°24′。
赤経方向が若干遠い感触がありましたが、画角への導入は一発で成功しました。excellent!

↓多分ベガです。

撮影・撮像の結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 4.0 (64 bit)のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正、GIMPによる色レベル調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外の河川敷公園
撮影日:2022年5月4日水曜日

撮影の結果

露出8秒間、総スタック時間60分16秒、GAIN350、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影しました。

期待を裏切らない、M3、M5にも劣らない豪華さです。眩しく感じますね。
大きさは、M3とM5の間ですね。
美しいのは良いですが、ノイズが目出つ結果になりました。
急いでいたので、GAIN300のダーク・フラットフレームを使用し、撮影はGAIN350で行ったからでしょうか。

撮像の経過と結果

フラット画像の作成

カブリ気味でしたので、フラット画像をFlatAideProで作成しました。
明るさが左右均等になってくれました。右半分はカブっていたのですね。

ノイズの軽減(色レベルの調整)→完成

GIMPで色レベルを黒くしたら、べたっとしたノイズをほぼ一掃することが出来ました。
これで完成です。
とにかく曇らなくて良かったです。奇跡でした。

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まとめ

雲に苦しみながら、よく最後まで撮影できたと思います。
実は、もう成果なしで撤退作業をしていたところ、東の低い空にとても明るい白い星を見つけました。
あの位置にこの季節見える明るい恒星は無いはずで、再度撮影基地を設営し、謎の星を見ようと思いました。

結果としては、人工飛行物でしたが、その間に、かなり晴れたので、M13にトライできたのでした。
あの明るい人工飛行物を見なければ、そのまま撤退していました。
あの人工飛行物に感謝です。

SharpCapのフォーカスアシスタント機能は、バーティノフマスクは慣れてきましたが、月や惑星、太陽に向いたコントラスト検出がまだ慣れません。
太陽観測で試しているところです。慣れればとても使えるような気がするのですが・・・

天文ガイド誌の付属品ポスターに掲載されている季節別DSO春の部は、これで残り4個になりました。
最優先は⑧しし座NGC3628です。低空に入りつつあるので。

①りょうけん座M3
⓶へび座M5
③ヘルクレス座M13
④かに座M44
⑤おとめ座M104
⑥しし座M65
⑦しし座M66

⑧しし座NGC3628
⑨うみへび座M83
⑩かみのけ座NGC4565
⑪りょうけん座NGC4631-4656

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