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【天体観測】りょうけん座球状星団M3を撮影しました

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撮影に至る経緯

最初に狙っていたのは、とも座の散開星団NGC2409でした。
星雲を伴った散開星団ということで、上手く写れば、とても美しいだろうと思いました。

しかし、その撮影の経過はいばらの道でした。まず、天体が小さい(↓の画像参照)。主焦点に切り替えても、この小ささ。
それは良いのですが、撮影中に、赤経クランプの締め方が弱かったせい(それが原因と分かったのはかなり後)で、途中でライブスタックされなくなり、目標天体をロスト。
赤経クランプを締め直し、16倍回転で、元の場所にもどり、ライブスタックをやり直したところ、NGC2409は家の壁に隠れ撮影は中断。
レデューサー焦点のピントから、主焦点のピントへのチェンジでも大騒ぎして疲れたのに、ライブスタックで画像の一枚も撮影していません。

強い脱力感を感じましたが、金曜日の夜、何か成果が欲しい。
時間は23時になろうとしていました。

東に明るい星を見つけました。アルクトゥルスです。公園の木立を越えて昇ってきたのです。

そこで、一週間の最後の力を振り絞って、アルクトゥルスを基準恒星に、何かDSOを撮影しようと、ステラリウムを物色したところ、すぐ近くに、球状星団M3がありました。

球状星団の撮影は久しぶりだったし、何かの縁だろうと思い、撮影を開始しました。

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撮影の経過及び結果

恒星のピント合わせ

まずは基本中の基本項目ですが、M3を画角導入してから、精緻にピント合わせを行っていないことに気が付きました。
NGC2409騒ぎで、ピントは主焦点の状態になっています。
あとでちゃんとやろうと、備忘録にあるレデューサー+UV/IRカットフィルターの時の、ドローチューブの繰り出しは、約5.9cm。これを合わせただけで、画角に導入して準備OKになってしまいました。
今さら、明るい恒星に照準を合わせなおしてピントを合わせる体力は残っておらず、その時点のピントでも、画面上は十分ピントが合っていたので、この項目は端折りました。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

これは、NGC2409を撮影する時用の設定でしたが、NGC2409を追尾する時の品質がなかなか良かったので、設定しなおすことはしませんでした。
当初は、淡い星雲も写さないとでしたので、なるべく設定誤差を小さくするようにしました。
その結果、26″の設定誤差まで追い込むことが出来ました。
お疲れ気味の昨日は、10″台は目指しませんでした。

自動追尾の状況

82分32秒という、長時間ライブスタックを行いましたが、ほとんど追尾誤差はありませんでした。
最近の自動追尾の中では最高品質です。2時間も行けそうな感じでした。
ここのところ、赤緯値がマイナスの天体を追っていて、よりシビアな状況だったと思います。
M3は赤緯値+28°ですので、追尾環境も良かったということですね。

基準恒星と目標天体

M3の周りに肉眼で明るく見える恒星は、うしかい座のアルクトゥルス(等級0.15、赤経14h15m、+19°09″)だけでしたので、飛びついたつもりでしたが、ファインダーに最初に入った、同じくうしかい座のムフリド(等級2.65、赤経13h54m、赤緯+18°23′)をアルクトゥルスと勘違いしてジャンプしてしまいました。

幸いにも、ムフリドに設定した赤経赤緯値は、ステラリウムの数値ではなく、astrometry.netで、アルクトゥルスであることを確認するため計測(これでムフリドであることが判明たのですが)していた数値を使ったので、問題は起こりませんでした。

目標天体M3(赤経13h42m、赤緯+28°22′)は二度目のトライで、導入に成功です。安定しています。

↓ムフリドです。

撮影の結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・レベル補正・カブリ補正、GIMPによる色強調・colorenhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年3月11日金曜日

露出8秒間、総スタック時間82分32秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正使用。 にて撮影。
こんなに見事な球状星団は初めて見る気がします。
星の数から、その密集度と広がり、とても感動しました。
散開星団も良いですが、球状星団も良いですね。特に画角の狭い、管理人のASI462MCには相性がばっちりです。
正確なピント合わせを忘れたまま進んだ撮影、ピントはこれで合っているのでしょうか。細かい星まで写っているので、合っていることにしましょう。

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まとめ

星雲付き散開星団を撮影すると思いきや、一転、球状星団の撮影となりました。
さすがメシエ天体、迫力がありました。
アルクトゥルスを見つけなければ、M3の撮影はありませんでした。
とてもラッキーでした。

平日だと、23時台には、撮影基地はもう撤収して寝る準備をしないといけないので、あり得なかった撮影でしたが、金曜の夜であることも幸いしました。

NGC2409など遠回りをしましたが、ラッキー続きで、M3にたどり着いたのでした。

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