目次
- 1 追尾誤差の原因を探る実験
- 2 原因を炙り出す撮影のチェックポイント
- 2.1 ①東西方向のズレの方向に規則性があり、時間に比例して大きくなっているか。
- 2.2 ②東西のバランスは、均等ではなく、わずかに東側を重くしているか。
- 2.3 ③南中前の天体撮影において、望遠鏡が西側でバランスウェイトが東側になっているか。
- 2.4 ④ASI462MCからのケーブルは、カメラ本体からぶら下がっているのか。
- 2.5 ⑤わざと三脚、鏡筒、カメラケーブル等にわずかな振動を加えたとき、撮像がどの程度変化(大きさ・方向・振動が収まるまでの時間)するか。
- 2.6 ⑥天体の赤緯0度と赤緯45度とでは、東西方向のズレの大きさに違いがあるか。
- 2.7 ⑦南中以降の天体撮影の場合、望遠鏡を東側・ウェイトを西側にした時、ズレの方向に変化があるか。
- 2.8 ⑧ぶら下がっているカメラケーブルの中央を持ち上げた時(カメラにケーブルの重さが加わる、加わらないの違いが生じた時)、撮像に影響があるか。
- 3 原因を炙り出す実験
- 4 まとめ
追尾誤差の原因を探る実験
ここ一週間くらい、追尾誤差の原因を探る記事を書いてきました。
いや、原因を探るコメントを、訪問者さまからいただいてきました。
少しでも、画像の黒い枠(追尾誤差の蓄積)を少なくするため、訪問者さまのお知恵を借りて、以下の実験をして、追尾誤差の原因に迫ろうと思います。
原因を炙り出す撮影のチェックポイント
全体としては東西などの追尾誤差の規則性を見い出したいところです。まずは、撮影の際の注意点・チェックポイントです。
①東西方向のズレの方向に規則性があり、時間に比例して大きくなっているか。
これまでの撮影では、規則性はなく、ライブスタックの露出ごとに、少しずつ星が動いているだけです。ほぼ100%、東西方向のみズレます。
しかし、もう一度実験します。
②東西のバランスは、均等ではなく、わずかに東側を重くしているか。
これは実践してみましたが、効果はありませんでした。
③南中前の天体撮影において、望遠鏡が西側でバランスウェイトが東側になっているか。
これは、いつもそうして撮影しています。
④ASI462MCからのケーブルは、カメラ本体からぶら下がっているのか。
ぶらさがってました。これはカメラ・鏡筒を撓ませる原因ですね。
ぶら下がらせずにテーブルの上を這わせてパソコンに接続するようにしました。残念ながら、効果はなかったのですが。。。こういう小さい積み重ねが大事ですね。
⑤わざと三脚、鏡筒、カメラケーブル等にわずかな振動を加えたとき、撮像がどの程度変化(大きさ・方向・振動が収まるまでの時間)するか。
こたろうさんにも鏡筒をスペックアップする時に言われて望遠鏡に衝撃を与えてみたことがあります。その規則性は分かりませんでしたが、収束する時間は短かったです。しかし、今一度詳細に実験します。
⑥天体の赤緯0度と赤緯45度とでは、東西方向のズレの大きさに違いがあるか。
偶然にも試した結果がありました。
a.赤経01h 04m、赤緯+79°57′
40分のライブスタック。これは、許容範囲です。
b.赤経22h 56m、赤緯+32° 30′
19分のライブスタック。総スタック時間を考慮すると、赤緯値が少ない方が誤差が大きいです。
⑦南中以降の天体撮影の場合、望遠鏡を東側・ウェイトを西側にした時、ズレの方向に変化があるか。
これは、鏡筒が赤経軸に平行になっているかの問題でしょうか。これも実験してみようと思います。
⑧ぶら下がっているカメラケーブルの中央を持ち上げた時(カメラにケーブルの重さが加わる、加わらないの違いが生じた時)、撮像に影響があるか。
④で実行済みの実験とも言えますが、もう一度やってみます。シンプルで面白そうな実験です。
原因を炙り出す実験
短時間ライブスタックを複数コマ撮影
こうすることで、追尾誤差の傾向が分かるかもしれません。
①1セット10分で総スタックを終了し、これを連続して複数コマ撮像する。→1コマあたり、ピリオディックモーション等の影響で「黒い枠」が少し発生します。2コマめ、3コマめ…と比較するとズレの傾向が分かるかも。東西のズレの方向のズレの傾向も分かりそうですね。
②①を異なる赤緯でもやってみる。
緯度によって日周運動の距離(角度ではなく)が違うから、実施するのだろうか。
重星の撮影
これは、未だ調べ中なのですが、分離角が分かっている重星を撮影して、追尾精度を測定してみようという試みです。
まだ撮影方法を探っている段階ですが、興味がありますので、何とか実施したいです。
この実験で、周期的に赤道儀の赤経駆動速度が変化するのがわかります。
また、ピリオディックモーションの周期よりも短い周期で小さな速度変化が確認もできます。これは、モーターの減速ギアの影響で発生するものです。
尚、望遠鏡の向き温度等でピリオディックモーションは変化しますので これも注意ですね。
まとめ
その趣旨を理解していないチェックポイント、実験もあるので、落ち着いてPCの前に座れる時に、しっかりとその趣旨・手法を理解しておきたいです。
特に、重星の撮影、難易度が高い気がします。今ネットで調べ中です。なかなか、分かりやすいものにヒットしません。
あとは天気ですね。しばらくは曇りか雨が続きますので、実験も遅々とした進みになりそうです┐(´д`)┌ヤレヤレ
コメント
こんにちは。
追尾精度の測定でしたらこちらの記事が参考になるかもしれません。
https://unitec.cocolog-nifty.com/blog/2017/02/post-7899.html
きよりんさん、ありがとうございます。
これ、今夜やってみようと思って、準備してました。あまり意味が分からなかったのが、きよりんさんの紹介してくれたサイトで理解が深まりました。ピクセルとか角度に弱いので、最終的にどの程度の誤差なのか算出するのに苦労しそうですが、今夜はとにかく星の線を撮影します。追尾誤差の謎に少しでも近づくことが出来れば・・・
でも、雲がたくさん出てきました。何とか雲の間で撮影できないかな。。。
アドバイスありがとうございます。これからもよろしくお願いします。