追尾誤差が大きかったころの極軸設定
極軸設定は、ドリフト法で行い、設定が終了したその時の三脚の設置点にマジックペンで印をして、以降、観測する時は、その印に合わせて三脚を設置する。
これが管理人の極軸設定でした。
しかし、最初の追い込みが足りなかったせいで、大きな追尾誤差が出ていました。
追尾誤差の状況
2021年2月17日撮影 いっかくじゅう座散開星団NGC2506
下部に太い黒枠ができて、大きな追尾誤差が出ていることを示しています。
これは高度・東西設定の問題です。ここまで誤差が出ると、レイアウトが完全に崩れます。露出30秒間、総スタック時間1220秒。まだまだ、極軸の追い込み不足です。
2021年2月28日撮影 オリオン大星雲
露出8秒間、1376秒の総スタック時間でこれだけの誤差が出ました。上部、左端に広い黒い枠ができてしまっています。
この頃には、露出8秒間という短時間露出に方針を変えていたのですが、この状況です。
おそらく、上部の誤差は極軸の東西設定の問題です。
左端の誤差は、残念ながらモータードライブの追尾誤差。
東西設定なら、追い込めば改善可能です。
しかし、これも東西設定をした結果なんですが・・・・
ライブスタックを始めると、誤差が出始めるという謎の現象でした。
2021年3月2日撮影 しし座渦巻銀河M65
露出8秒間、総スタック時間1200秒間、調整の成果が出てきたのか、上下の誤差が少なくなりました。
左隅の誤差も、まあ許容範囲です。
2021年3月13日撮影 かみのけ座レンズ状銀河M85
露出8秒間、総スタック時間1800秒間。これまで1200秒間でやってきた撮影を1800秒間、つまり30分間の撮影に延ばしました。
結果、東西南北の誤差が出たものの、十分許容できる誤差です。やっとこさ、極軸が合ってきた感じでした。
2021年3月14日撮影 とも座散開星団NGC2527
露出8秒間、総スタック時間1296秒間。
うーん、1200秒間の撮影ならもう少し誤差が少ない方が嬉しいです。許容範囲ではあります。
2021年3月17日撮影 とも座散開星団NGC2483
露出8秒間、総スタック時間1200秒間。ようやく追尾誤差も許容範囲に落ち着いてきた感じです。
2021年3月18日撮影
しし座非棒渦巻銀河NGC3628
露出8秒間、総スタック時間1200秒間。十分に許容範囲の追尾誤差です。この天体は1800秒間撮影してみたかったところです。
35年もののモータードライブも頑張ってくれています。
オリオン大星雲
露出8秒間、総スタック時間1336秒間。
右端に追尾誤差のあとがあります。少し気になる幅です。
オリオン大星雲は、比較的誤差が大きく出ます。なぜだろう。
東西は画像の横線です。ということは、モータードライブの誤差ということになり、何が何でも許容せざるを得ません。
2021年3月19日撮影
オリオン大星雲
露出8秒間、総スタック時間1968秒間。この撮影時間でこの誤差なら十分許容できます。左右の黒い枠は、おそらくモータードライブの誤差です。やはり、モーターの気まぐれです。放置するほかありません。
高度・東西の誤差も、この程度(上下の黒い枠)なら十分すぎます。
かみのけ座渦巻銀河M100
露出8秒間、総スタック時間1800秒間。1800秒間の撮影でこの誤差は十分許容できます。
最近ではこれくらいの誤差で何とかなっている感じです。
まとめ
2月頃は極軸の追い込みが足りず、その後そこそこ長い期間をかけて、試行錯誤しながら高度・東西設定を調整した結果、かなり誤差のないレベルに追い込み成功した感じです。
やはり、銀河や星雲は1800秒間程度は撮影しないと、炙り出しでノイズが増えます。
現時点では高度・東西の調整はうまくいっていて、問題はモータドライブの誤差ということになります(押し付けるようですが)
たまに月を撮影することがあるのですが、月は東西にずれていきます。調整のしようがないです。
35年経ったモータードライブですから多少の誤差は仕方ありません。
これからも、これくらいの追尾誤差で頑張ってほしいです。
それよりも。
いつか遠征した時に、管理人はドリフト法しか極軸設定の手段がありません。
管理人の極軸設定のスキルの真価は、その時に問われるのでしょう。
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