概略
今回は、先般撮影したリング状星雲をもう少し活用しようと思い、当該星雲の記事です。
まいくろさんに教えてもらったのですけどね。
惑星状星雲とは
赤色巨星が進化の最終段階で外層を噴出し、噴き出されたガスが、むき出しになった高温のコア(白色矮星)からの紫外線で電離されて光る星のことです。
要するに、超新星 にならずに一生を終える 恒星 が 赤色巨星 となった際に放出した ガス が、中心の星の放出する 紫外線 に照らされて輝いているものです。
望遠鏡の性能がよくなかった時代には、面輝度が高く、ほぼ円形に見えるこの星雲の見かけのようすが、惑星の見え方に似ていたのでこの名前がつけられたようですが、惑星とはまったく関係のない天体です。外層を噴き出して白色矮星へと進化した星は惑星状星雲の中心に見られるので、中心星といいます。放出された外層が、星間空間に拡散してしまうと惑星状星雲は消滅します。惑星状星雲の寿命は、1000年から10万年程度だとか。
惑星状星雲の形態も多種多様です。これは、具体的な放出過程は星によって千差万別で、間欠的に何度も放出されることを示しています。
中心星
つまり惑星状星雲には中心星があるわけですが、先般撮影したリング状星雲にも中心星があります。
数千年前に放出されたガスを照らしているわけです。
今回、これを観測してみようというものです。(もちろん机上でです)
リング状星雲の中心星
写真の出来としてはしょぼかったのですが、中心星は炙り出し可能でした。自然な色は飛んでしまったようです。
元画像
露出かGAINか、とにかく設定が低かったことが残念です。
リング状星雲の中心星
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック・編集:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN350、8秒間のフレーム480枚を撮影・うち432枚をDeepSkyStackerでコンポジット、GIMPで色レベル調整、切り抜き2倍に拡大・コントラスト調整・彩度上げ。
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外河川敷公園
撮影日:2022年8月18日木曜日
この、中心に見える星が中心星ですかね?今、結構貴重な画像を見ているのだろうか。
この中心星が、その紫外線で、周りのガスを電離させて光っていると考えると感慨深いです。
まとめ
次回のプチ遠征こそ、確固としたリング状星雲を撮影したいと思います。
しかし、今回の撮影の失敗がなければ、中心星とは何かを知る機会は無かったかも。
ラッキーな面もあったのですね。
コメント