目次
撮影に至る経緯
定番の撮影行動となっている、天文ガイドの付録ポスターに掲載されている夏のDSOの全制覇(全部で12個)の一環で、オメガ星雲を選びました。
オメガ星雲は、これまで大物すぎて手が出ていなくて、憧れでもありました。
今年は、鏡筒もサイズアップ、赤道儀も新型に、モータードライブも新型になっており、何とか手が届きそうな気がしておりました。
また、南方のDSOでベランダ撮影の可能なものは、なるべく早く片づけておきたいという意図もありました。
撮影・撮像への経過と結果
恒星のピント合わせ
今回は、SharpCapの、フォーカス支援機能の一つ、マルチスターFWHM半値全幅焦点というものを使ってみました。
事前リサーチはしておらず、直感的に使ってみました。
使ったのはこと座のベガです。
SharpCapのフォーカス支援は、目測で追い込みぬいた後に使うものです。
で、まずはバーティノフマスクで計測してSharpCapにつなぎました。
↓何だか合っているようですね。
しかし、欲を出した管理人は、フォーカスノブを大きく動かすとどうなるのか試してみました。
↓あまり変わりません。しかし、この後がさっぱり改善せず、結局、再度バーティノフマスクの光芒を目測で確認してピントを固定しました。
やはりマニュアルをちゃんと読んでから出ないといけませんね。
↓ベガです。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
画期的というか、大発見をした気分です。
昨夜は、SharpCapの極軸合わせは、2′角までしか追い込めず、追い込もうとすると、極点から離れてしまうということを繰り返していました。
ある程度まで追い込むと、その先の調整にエラー値が反応してくれません。
で、追い込めたのは、2′14″まで。
SharpCapの評価は「Fair」です。何となく3′角以内ということでしょうか。
ここまでの追い込みで自動追尾が正常なら、極軸設定はかなり短時間で済みます。
今回の追尾は実験的目的もあったのです。
自動追尾の状況
60分の自動追尾を行い、期待どおり、精度はかなり高かったです。追尾誤差は、excellentな極軸設定と同じか少ないくらいでした。
しかも、赤緯値が小さい空域の追尾、条件は厳しかったはずです。
何ででしょうね。
あまり手放しでは喜べません。まぐれの可能性もありますし。
SharpCapも、完全に正確とまではいかないのでしょうか。
趣味で天体観測・撮影をする程度なら、Fairで十分なのでしょうか。
次の撮影も、Fairで行ってみます。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体のオメガ星雲は、赤経18h20m、赤緯-16°10′。
基準恒星は、たて座やいて座の恒星が眼視できれば良かったのですが、残念ながら見えず、結局わし座のアルタイル(等級0.75、赤経19h50m、赤緯+08°52′)に決定しました。
導入には3度のトライを必要としました。まずまずです。
↓アルタイルです。小さな星がちりばめられていて美しい。
撮影・撮像への経過と結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN320、8秒間のフレーム450枚を撮影・うち360枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによる色レベル補正・ノイズ軽減、FlatAideProによるフラット補正・レベル補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年6月30日木曜日
撮影とコンポジットの結果
大物を釣り上げた気分です。ここまで写るとは思いませんでした。
これ以上手を入れなくてもよさそうです。
撮像の経過と結果
フラット補正・レベル補正
若干クリアさが増しましたかね。
レベル補正で、赤い星雲の赤が強調できたので良かったです。
色レベル調整→完成
若干、宇宙の暗さが足りないかと思い、色レベルで少し黒を足してやりました。
これも小さな星や星雲の広がりを犠牲にするので慎重にやります。
これで、オメガ星雲画像完成です。
まとめ
今回は思ってもいない大物を確保でき、とても気分がいいです。
しかも、極軸設定はFairであり、この精度で十分ノータッチガイドが出来ることが分かりました。
少し気になるのは、SharpCapの極軸設定ですが、どうしてもexcellent(30″角?)にまで追い込めなくなってしまいました。
管理人のやり方が弱いのか、たまたまなのか、今夜検証しないといけませんね。
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