目次
撮影に至る経緯
この星団は、愛称が面白いということでずっと狙っていました。
昨夜チャンスが来ました。途中雲に見舞わられたとしても、まだまだ撮影のチャンスがありますから。
経緯は、この愛称を気に入ったに尽きます。
散開星団と塩コショウは相性は良いと思います。
果たしてどんな姿を見せてくれるでしょうか。
↓塩コショウ星団を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED
撮影・撮像の経過と結果
恒星のピント合わせ
はくちょう座デネブを使って、バーティノフマスクとSharpCapのフォーカス支援機能でピント合わせをします。
最初は自分の目で見て、ピントが合ったと思うピントで、SharpCapの支援機能を使います。
↑中央の光線が下にぶれています。
調整して、シャープキャップの分析にかけます。よく下のようになることがあるのですが、ピントが合った瞬間に、過去から現在までピントが合ったことになること・・・
変わった設定ですが、目安にはなりやすいので、重宝はしています。
なお、赤のグラフが出ているところが、最後の調整をしたところです。
そして、これでピントは固定です。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
なかなか、設定誤差が50″角におさまらず、妥協しました。
設定誤差1′35″(SharpCapの評価は「good」)で追い込みをやめました。
ここまでくるとSharpCapの言う「good」と「excellent」はどの程度違うのか興味がわきました。
自動追尾の状況
撮影時間1時間での中では、許容範囲の追尾誤差だと思います。
今回の撮影で出た追尾誤差は、SharpCapの極軸設定でexcellentが出た時でも生じることがある大きさです。
そうなると、いつもexcellentをもらって喜んでいるより、1′角まで追い込んだところで追い込みはやめて、撮影に入った方が効率的です。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体「カシオペヤ座の塩コショウ星団」の位置は、赤経23h24m、赤緯+61°35′。
カシオペヤ座が見えれば良かったのですが、残念ながら見えず、少し遠いですがはくちょう座のデネブ(等級1.25、赤経20h41m、赤緯+45°16′)を基準恒星に選ばざるを得ませんでした。
導入にはなぜか4回のトライを要しました。不調でした。
↓デネブです。
撮影の結果・撮像の経過及び結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN300、8秒間のフレーム380枚を撮影・うち304枚をDeepSkyStackerでコンポジット・ダーク補正・フラット補正
画像編集:GIMPによるノイズ軽減・色レベル補正、FlatAideProによるフラット補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年6月25日土曜日
撮影の結果
塩コショウにみえます。
他の散開星団もそう言えますが、これは特に塩コショウに見えます。
明るさが足りないですね。ヒストグラムを中央くらいまで移動させると、白飛びしてしまうんですよね。
仕方ないので、切りの良いところでGAIN300で手を打ちました。
撮像の経過及び結果
フラット補正
まずはフラット補正です。元画像が若干霞んでいますので・・・少しフラットになりました。
色レベル補正・ノイズ軽減・色自動強調→完成
これ以上補正するとカブリが悪化し、FlatAideProのカブリ補正でも補正しきれなかったので、少し寂しい絵ですが、↓で完成とします。
まとめ
久しぶりの本格的な天体観測でした。撮影が終わったところで、雲に塩コショウ星団が隠れるという、運の良さに救われました。
自動追尾の調子が良く、安定して見ていられます。
華やかさという点では、物足りなさを感じます。GAINを高く設定できるような訓練が必要です。ヒストグラムですかね。
こういう撮影を毎日行いたいです。
集中する作業はストレス発散になります。
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