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【天体観測】ぎょしゃ座散開星団の旅6、NGC2192の撮影に成功

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経緯

2021年11月18日の話。
惑星を撮影して、望遠鏡を北極星の見えるところまで移動し、極軸設定をして、DSOを撮影して寝る。
管理人のルーティーンです。
なぜ移動が必要なのか。。。

管理人の家のベランダは、北の端でしか北極星が見えないため、正確な極軸設定はベランダの端でしかできず、そこで、木星や土星の見える南方向に鏡筒を向けることはできるのですが、望遠鏡の前から覆いかぶせるようとてもアクロバティックな姿勢でにファインダーをのぞくことになり、しかもファインダーや鏡筒の視界を妨げてはいけない。

↓こういう設置をすることになります。望遠鏡の向こう側に回り込めないのです。

望遠鏡の北側に入り込んで、ファインダーをのぞけばよいではないかという話もありますが、目標天体を導入した後、バランスウェイトシャフトで、ベランダの北の端に閉じ込められることになります。
ですので、最近では特に西に傾くのが早くなった惑星たちを、簡易な極軸設定で撮影し、DSOは↑の写真のように望遠鏡を設置しなおす必要があるわけです。

で、前置きは今回の天体観測とは関係がなく、ぎょしゃ座散開星団の旅の第6弾を記事にしようと思います。もうぎょしゃ座の散開星団は終わってしまったかと思ったら、まだ二つ三つあり、しばらくは撮影を楽しめそうです。

今回はそんな中でも、NGC2192を撮影しました。
さて、どんな形をした散開星団か、わくわくします。

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撮影経緯・結果

極軸設定

いつもどおり、SharpCapの極軸設定支援機能Polar Alignを使い、設定誤差は50″程度に抑え込み、SharpCapからは「Excellent」の評価をいただきました。
最近「Good」(だいたい1′~2′角くらいの誤差)では不安なので「Excellent」まで追い込んでいます。
このPolar Align機能をSamさんに教えてもらったから今の自分があると思っています。

追尾誤差ですが、今回何と3600秒のライブスタックに挑戦しました。もちろんノータッチです。
にもかかわらず、追尾誤差は十分許容範囲でした。
とてつもない性能の赤道儀とモータードライブです。

導入

ぎょしゃ座ということで、基準恒星をカペラに頼ることが多いのですが、それでは導入という楽しみもなく、たまには違った星で導入したい。
今回は、ぎょしゃ座のメンカリナン(赤経05h59m、赤緯+44°56′)、がはっきり肉眼で確認でき、目標天体NGC2192(赤経06h15m、赤緯+39°51′)にも近く、基準恒星としてはベストです。そこで今回の基準恒星はメンカリナンです。
NGC2192までは、一歩か二歩で到達できますね。

↓メンカリナン

撮影結果

[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるライブスタック(リアルタイムダーク補正機能使用)
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し
その他:UV/IRカットフィルター使用

露出8秒間、総スタック時間3600秒間(リアルタイムダーク補正使用)、GAIN200、で撮影。

総スタック時間30分あたりでも、ほとんど誤差がなく、欲を出して、総スタック時間を増やしました。最初は50分までとしたのですが、それでも追尾誤差は小さく、最長不倒の総スタック時間60分まで延長し成功をおさめました。(寝落ちして知らないうちに総スタック時間が伸びたパターンを除く)

↓星団が小さいため、位置関係図を先に出します。なんと丸で囲われているのがNGC2192なんです。

これだけ細かい星の集まりもとても奇麗で、素敵です。
こういう形状のもあるので、散開星団はやめられません。
星団周りの大きな星の配置もユーモラスです。
これがぎょしゃ座以外の星座にあれば、もう一つのシリーズ「小さな散開星団」の記事にしたと思います。こじんまりとしているので。

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まとめ

何もかもうまくいった撮影でした。
ビクセン社スーパーポラリス赤道儀と、MD6のポテンシャルがここまで高いとは驚きでしたし、嬉しかったです。今後も、赤道儀とモータードライブには頑張ってほしいと思います。

ぎょしゃ座散開星団の旅も第6弾まで来ました。あとはNGC1931、NEGC1724、NGC1883などがあり、撮影が楽しみです。

因みに、ぎょしゃ座の中央部は散開星団M36, M38と共に赤い散光星雲が点在する賑やかな領域です。この赤い星雲というものを撮影してみたいのですが、今のカメラでは無理のようです。
Hα(波長656.3nmの光)の透過率の感度を高くする体制をとらないとだめのようです。
この透過率を高くするには、改造カメラとか、フィルターが必要です。このフィルター、31.7mmサイズのスリーブにねじ込めるタイプのがないかなあ。

など、いろいろ、ぎょしゃ座への思いが高まっていきます。

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