目次
撮影の経緯
着実に進めている、天文ガイドの付録ポスターに掲載されている冬のDSOの全撮影。
11個のうち、あと4個のDSOを残すところとなりました。
6個の撮影のうち、オリオン大星雲と、いっかくじゅう座の散開星団M50の撮影に当たっては、直前に散開星団を対象として自動追尾テストを行いました。
赤道儀の状態や、設置の状況、モータードライブの調子などを確認するためです。
その対象が、オリオン座の散開星団NGC2112(M50用)と同NGC2194(オリオン大星雲用)です。
NGC2112は適切に自動追尾され、NGC2194は、大きく追尾誤差が出てしまいました。
やっぱりベランダ撮影は、状況に応じて誤差が出てしまうようです。
三脚の設置、床の撓み等々、赤道儀を設置するのにいろいろ不確定要素があります。
かと言って、プチ遠征の際の自動追尾が完璧というわけでもないのですが・・・大崩れするのは、やはりベランダ撮影です。
したがって、NGC2194は極軸を再設定しました。再設定する際の初期の極軸は、やはり30′以上のずれを起こしていました。
撮影の結果
[撮影をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート、×0.5レデューサー使用
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色強調
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
恒星のピント合わせや、極軸の設定については、上記記事へのリンクのとおりなのですが、基準恒星と目標天体の導入については忘れてしまいました。残念、そして申し訳ございません。
オリオン座の散開星団NGC2112(赤経05h53m、赤緯+00°24’)
2022年1月3日、露出8秒間、総スタック時間2472秒、GAIN200。で撮影しました。
中央少し上の細かい星の集まりがNGC2112です。約40分のノータッチライブスタックですが、誤差はほとんど出ていません。テストとしては上々の出来でした。星の数は数十個というところらしいですが、つつましやかな佇まいがとても良いです。
オリオン座の散開星団NGC2194(赤経16h13m、赤緯+12°49′)
2022年1月2日、露出8秒間、総スタック時間2720秒間、GAIN250。で撮影
今回は大きな追尾誤差の出た画像そのままにお見せします。
右と下に黒い帯が出来ていますが、これがズレた幅を示しています。
散開星団の画像としては成功なのですが、これだけずれると悲しいものがあります。
ですので、黒い部分を切り抜いた画像も掲載します。そちらをご覧いただければ。
いかにも撮影のうまくいった画像です(^-^;
こちらは星も大きく、そして多く、迫力がありますね。
まとめ
二つのテストケースですが、片方は失敗。やはり大事な撮影の時はプチ遠征か、テスト撮影が必要なようです。
特に極軸は、基準恒星の赤経赤緯値の設定の時に、少し力を入れて赤経目盛環を動かすので、そういう時にでも極軸が動いてしまう場合もあります。ほとんどの場合、基準恒星の画角中の位置が変わっていないので、あまりないケースでもあるのですが、そういう場合もあります。
あとはベランダの床が盤石じゃないこと。これはプチ遠征で河川敷の駐車場のアスファルト面を使うことで解決します。やはりプチ遠征が色々な面で堅いということが分かります。
さて、残るDSOは4個。プチ遠征を使うか、ベランダ撮影をするか、迷うところです。ベランダ撮影でもうまくいくときも多いからです。
済①かに星雲(おうし座)
済②M35(ふたご座)
③M41(おおいぬ座)
済④M42オリオン大星雲(オリオン座)
済⑤M45プレヤデス星団(おうし座)
⑥M46(とも座)
済⑦M50(いっかくじゅう座)
済⑧M78(オリオン座)
⑨ハッブルの変光星雲(いっかくじゅう座)
済⑩コーン星雲、クリスマスツリー星団(いっかくじゅう座)
⑪NGC2477(とも座)
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