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【天体観測】うみへび座の棒渦巻銀河M83「南の回転花火銀河」を撮影しました。

星雲・星団・銀河に関する情報
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撮影に至る経緯

さかのぼること、2日、プチ遠征をした4月22日のことです。
最大の目標はM106でした。

撮影をした後、それなりに時間が余ったので、もう一つDSOを撮影することにしました。
普段ベランダからでは撮影できない方面、北から南方面で、銀河を撮影しようと思いました。

例によってステラリウムで物色しました。
寒くないので、外での物色も楽になりました。

面白い愛称(まだ追っかけている)のついた銀河、ありました。
うみへび座の棒渦巻銀河M83「南の回転花火銀河」です。
面白い愛称というか、こんな銀河が存在したのかという驚きです。
回転花火銀河は一つだと思っていました。

まさか二つあるなんて!
北の回転花火銀河と同じくらい美しいでしょうか。
プチ遠征のメインが南の回転花火銀河に思えてきました。

↓南の回転花火銀河を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。結構低空です。

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撮影・撮像の経過及び結果

恒星のピント合わせ

これはM106と共通ですので、上記記事へのリンクをご覧ください。
SharpCapとバーティノフマスクによるピント合わせをもっと上手になりたいと思います。

極軸設定と自動追尾の状況

極軸設定の状況

これもM106と共通ですので、上記記事へのリンクをご覧ください。19″の設定誤差まで追い込めています。

自動追尾の状況

極軸設定がずれているはずですので、もう一度設定しなおそうかと思いましたが、赤道儀の実力を試そうと思い、そのまま南の回転花火銀河の自動追尾に入りました。
61分28秒の自動追尾時間となりましたが、最初のM106より精度が高く、驚きました。
これなら2時間の追尾が出来そうな勢いでした。
excellent!

なぜ後の撮影の追尾の精度が高かったのでしょうか。
これまでの経験では、撮影を重ねるごとに精度は低くなったのですが・・・
赤道儀の「たわみ」以外に、自動追尾の精度に与える要因があるのでしょうか。
とにかく、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀はすごいということは言えます。

基準恒星と目標天体の導入

プチ遠征しないと滅多に撮影しない方向、南。その方面にある目標天体、南の回転花火銀河に迫るには、どの星が良いか・・・
幸い南には星がそれなりに見えています。
その中でも明るく輝く星がありました。おとめ座のスピカです。

スピカ 等級0.95、赤経13h25m,赤緯-11°09′
南の回転花火銀河 赤経13h37m、赤緯-29°52′

スピカは、基準恒星には適している位置です。基準恒星に決定。

南の回転花火銀河へのジャンプは成功し、二回目のトライで画角に捉えることが出来ました。
excellent!

撮影・撮像の結果

[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 4.0 (64 bit)のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるフラット補正・GIMPによる色レベル調整・影-ハイライト調整
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:郊外の河川敷公園
撮影日:2022年4月22日金曜日

撮影の結果

露出8秒間、総スタック時間61分28秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正・フラット補正使用。
にて撮影しました。
左半分はノイズがなく、左半分はカブっている。
これが何を意味するのでしょうか。
とにかく、まずは撮影に成功です。
回転花火というまでは回転していないような(^-^;
しかし、二本の腕が確認でき、迫力のある銀河ですね。

撮像の経緯と結果

フラット画像の作成

いつものようにFlatAideProでフラット画像を作成しました。少しでもカブリが是正されると良いのですが。。。
かなり見やすくなりました。カブリもかなり軽減されました。
しかし、まだ納得できません。ここで完成にしてもよいくらいなのですが・・・

恒星無し画像の作成と色レベルの調整

南の回転花火銀河本体の編集に注力するため、FlatAideProで恒星無し画像を作成しました。
やはり、恒星無し画像の方にカブリが集中していました。

GIMPで色レベルを慎重に調整し、南の回転花火銀河が薄くなる点と、カブリが最大に無くなる点を模索しました。
↓これが限界ですが、ほぼカブリが消えたといっても良いでしょう。

合成、影-ハイライト調整→完成

これで恒星のみ画像を合成すれば、カブリは消えているはず・・・
↓ほぼ完璧です。

余計なことだったかもしれませんが、GIMPの影-ハイライト機能で、Shadows値を上げて、南の回転花火銀河の迫力を上げて完成としました。
↓確かに迫力が増したような?

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まとめ

偶然見つけた銀河でした。
良い巡り会わせでした。
プチ遠征で、二つの大物銀河を撮影して、非常に充実したプチ遠征でした。

心配なのは、結露の対物レンズへの影響です。早く、撮影済みの天体をもう一度撮影して、見え味が変わっていないか試してみたいのですが・・・
昨日、昼間の風景を見てみましたが、影響はなさそうでした。しかし、夜の観測でどういう影響が出ているか分かりません。
結露への対策、うかつでした。

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