目次
撮影に至る経緯
2022年3月6日、「キャロラインの星団」を撮影した後、就寝までの時間の余裕と体力があったことから、その夜の第二弾撮影に臨みました。
散開星団の後なので、惑星状星雲か銀河が良いと思いました。21時過ぎ頃のベランダから見える惑星状星雲は無く、残る選択肢は銀河でした。
幸い、銀河の宝庫しし座が、公園の木立を越えてきていました。レグルスがちょうど良い高さにあります。
そこで、しし座銀河団のうちメシエ番号がついている、M105を見つけ、撮影してみることにしました。
↓M105を追尾・撮影する、ビクセン社スーパーポラリス赤道儀、ビクセン社モータードライブMD-6、SVBONY社鏡筒SV503 102ED。
撮影の経過及び結果
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
この撮影の前に1時間の自動追尾をしているので、極軸設定がそこそこずれていることが予想されました。
そこで、SharpCapの極軸設定機能で極軸の誤差を確かめたところ、3′の誤差を認めました。
SharpCap的には「Fair」という、それなりに許容される誤差(確か5′角以内の誤差のこと)なのですが、おそらく長時間のノータッチガイドには耐えられないだろうと考えています。
そこで、やはりいつものとおり、設定誤差20″未満を目指して調整しました。
結果は、設定誤差17″。Excellentです。
自動追尾の状況
自動追尾の品質はすこぶる良くて、約65分に及ぶ自動追尾をほぼノーミスでこなしました。
時間さえあれば、どこまでノーミスでいけるのか試したかったです。きっと2時間はいけたのではないかと。
恒星のピント合わせ、基準恒星と目標天体の導入
恒星のピント合わせは、前回の撮影で確認済み(上記リンク参照)です。したがって、即、基準恒星を導入して、目標天体にジャンプしました。
目標天体M105(赤経10h47m、赤緯+12°34′)に迫るには、
①しし座のレグルス 等級1.35、赤経10h08m、赤緯+11°57′
②しし座のデネボラ 等級2.10、赤経11h49m、赤緯+14°34′
レグルスが近い感じですし、そもそもデネボラは見つからなかったので、基準恒星はレグルスに決定です。
M105の導入は、二回のトライで成功しました。明るい銀河だったので、肉眼で追うことが出来ました。
↓レグルスです。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、FlatAideProによるカブリ補正・フラット補正・レベル補正
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年3月6日日曜日
露出8秒間、総スタック時間65分20秒、GAIN300、リアルタイムダーク補正使用。 にて撮影しました。
少しカブリがのこったのが残念です。楕円銀河M105はこの画像の一番上に位置する銀河です。
最近、銀河を撮影すると、おまけがついてきます。NGC3384、NGC3389が一緒に写りました。さすがはしし座銀河団です。
NGC3389については、細部の構造も少し見えます。
↓位置関係はこうなっております。
まとめ
追尾精度も抜群だったし、三つの銀河も見ることが出来てラッキーな撮影となりました。
しし座の銀河については、高度がもう少し上がってきたら精力的に撮影しようと思っています。
その日二度目の撮影には、幸運が待っている気がする。気のせいか。
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