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【天体観測】SharpCapの極軸設定結果とPolar Scope Align Proの結果を比較

天体観測器具レビュー
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ねらい

昼間は晴天、そして、いつものとおり、夜は曇り。
梅雨明けが間近とは言え、このパターンはまだ変わりませんでした。

しかし、昨夜の北の方向は、薄く雲がかかっていたようですが、何とか肉眼で北極星を確認できましたので、長い期間懸案だった、SharpCapで極軸設定して(正確なはず)、その結果を、Polar Scope Align Proに照らした時に、Polar Scope Align Proも、正確に極軸設定された結果になっているかを検証しました。

Polar Scope Align Proと、iPhone格納装置の真価が分かるのです。

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検証結果

SharpCapでの極軸設定

極軸設定は、久しぶりに最後まで追い込め、Excellentをいただきました。誤差は23″です。

Polar Scope Align Proの状況

極軸設定が正確なこの状態で、iPhoneを格納装置にセットして、Polar Scope Align Proの十字マークがどのようになっているか・・・

少しドキドキしました。結果は↓
中央から少し離れたところに十字マークが収まりました。この誤差を修正するには、そこそこ東西、高度調整しないといけないので、やはり誤差と呼ばないといけない誤差が出たことになります。

しかし、とても中途半端な結果になりました。iPhone格納装置の設置の精度が正常であったと思いたいですが・・・

原因は?

十字マークが中心に来なかった原因は、
①格納装置が金属でできており地磁気を使うこのアプリが影響を受けた。
②もともとこのiPhone格納装置の精度が低かった。
③このアプリの精度がこの程度だった。

どれもあてはまるでしょう。特に①②は、確実にある原因と思われ、今の装置では、振り切ることができません。

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久しぶりの撮影

空は、曇りがちでしたが、せっかく極軸設定もしたことだし、室内から捉えられるDSOをみつくろって撮影することにしました。

雲の状況と、高度(あまり高度があるとライブスタック中に軒に隠れてしまう)が少しでも低いもので、ペガスス座渦巻銀河NGC7331(赤経22h 37m、赤緯+34° 24′)を撮影することにしました。

基準恒星は、何とか肉眼で見えた、ペガスス座のシェアト(赤経22h54m、赤緯−15°49′)です。
天気が中途半端すぎて、基準恒星を探すのにとても苦労しました。

本当は、かねてから狙っていたのは、NGC6946だったのですが、すでに屋根の上にあり、撮影はかないませんでした。

[撮影、画像処理をした機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセンNEWポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・F=714mm・F値7、EDレンズアポクロマート
カメラ:CMOSカメラASI462MC
自動追尾:MD-5(ビクセン)、
撮影及びスタック:SharpCap 3.2 (64 bit)で撮影・ライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit)ヒストグラムで炙り出し。GIMPでノイズ軽減、トーンカーブ補正。
撮影場所:自宅

久しぶりの本格的な撮影と思って臨みましたが、雲がかかり続け、総スタック時間が短くなり、NGC7331は軒の向こうへ昇っていってしまいました。

露出8秒間、総スタック時間424秒(7分24秒)、GAIN400~420

総スタック時間がもっと稼げていれば、ノイズがもっと少なくなったはず。また、この天体の周囲には多くのNGC天体が存在しており、総スタック時間が短かったことが悔やまれます。
7分強の総スタック時間でも追尾誤差はそれなりに出てしまいました。モータードライブは、だましだまし使っていくしかないようです。
でもさすが色消しレンズというだけあって、すっきりした画像になりました。

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まとめ

今回の検証で、極軸設定が正確な場合のPolar Scope Align Proの十字マークの位置が分かりました。
したがって、Polar Scope Align Proで極軸設定する場合、今回の位置に十字マークを持っていけば良いことになります。単純な考えですが。
しかし、磁気などは、気まぐれに影響を与えるでしょうから、今回の十字マークの位置が確定というわけではない気がします。

まあ、このアプリは、極軸設定の一助になる、というところでしょうか。
次回のベランダ撮影では、Polar Scope Align Proとドリフト法との組み合わせで、極軸設定をしてみたいと思います。

NGC7331はSV503 102EDの初銀河撮影でした。短時間のスタック時間にしてはクリアな画像になり満足しています。

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コメント

  1. カメラde遊ing より:

    地磁気は外的要因に左右されやすく磁気や電気を帯びる物全ての影響を受ける(人の動きや周りの電子機器や車など刻々と変わる状況に影響を受ける)ので、そもそも極軸の設定には向かないものだと思います。
    方向をある程度の精度で知りたいという用途にはあてになりますが、撮影のためにある一点の位置情報を得るという用途には全然ダメ。

    かくいう自分も過去にもしかしたら使えるのかも?とやってみたことがあるんですよ。
    このアプリではなく、あるメーカーのカメラオプションである星を追尾する機能を持ったユニットですが、GPSの位置情報と方位から彗星の位置を予測して撮影しようと試みたんですが全くダメでした。
    方位磁石やスマホのアプリも併用したんですけど彗星を捉えることは出来なかったんです。
    そんなハイテク機器も、目で北極星を見て極軸望遠鏡に導入しそこから目盛環で彗星の位置に望遠鏡を向けるというローテクには敵わなかったんです。
    日没をまたぐ彗星だったので北極星が見えるようになるまでに準備をしたかったんですが・・・。

    こういうことは実体験しないとなかなか分からないことですよね。
    とにかくやってみるってのはすごく得るものがありますよね。

    ドリフト法ならかなりの精度で設定できると思いますので、その時の三脚の位置をバミっておくと再現性が高くなるかもですね。

    • sanpojin より:

      カメラde遊ingさん、ありがとうございます。

      やはり向いてないですかね。今回、十字マークはかなり中心にきましたが、まぐれの可能性を捨てきれません。
      そんな凄そうなカメラのソフトもダメだったんですか。それでは、今回のアプリなど、役に立つはずないですね。
      実際に自分で光を見て、決定する方法には勝てないですね。
      なんとしても北極星の見えないベランダで手軽に極軸設定したかったのですが、やはりドリフト方ですかね。ここに戻ってきますね。
      あまり楽をしようとすると、成功を収めることはできないということですね。

      いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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