概略
速度が速いというSirilですが、管理人のロースペックパソコンでは恩恵を受けていません。スクリプト全終了まで10時間くらいまでかかることがあります。
速度は、DeepSkyStacker(以下DSS)と比較してもしょうがないので、画質勝負をしてみたいと思います。先だって行った比較よりも拡大した画像で比較します。
対象は、昨年12月27日に撮影したものと、今年1月2日に撮影したものです。1月2日のものは、前者で大敗したので露出時間を1時間近く増やしたものです。
ですので、完璧な比較ではありませんが、目安にはなるでしょう。
結果としては、双方の画質は変わらなかったです。
まが玉星雲の2回目撮影
極軸設定の状況と自動追尾の状況
SharpCapの極軸合わせを使って合わせました。いつもながら、気合を入れて設定しました。
その結果14″の設定誤差まで追い込むことができました。
自動追尾の状況は、良好でした。右にズレていますが、これは撮影中に管理人が赤緯微動ハンドルを外そうとしてしたことでずれたものです。
総追尾時間は2時間50分でした。
基準恒星と目標天体の導入
これも前回の撮影と同じです。
基準恒星はカペラ一択(等級0.05、赤経05h16m、赤緯+45°59′)です。
目標天体のまが玉星雲は、赤経05h17m、赤緯34°22′の位置にあります。
ほんの少しの移動で、2回のトライで、まが玉星雲を画角に捉えることに成功しました。
↓カペラです。
強調後のまが玉星雲
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI294MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 4.0 (64 bit)による撮影、GAIN250、30秒間のfitsフレーム340枚を撮影、うち339枚(計2時間50分)を、Sirilでコンポジット・フラット補正・ダーク補正・バイアス補正
画像編集:ASIFitsViewで若干強調、GIMPによる色レベル等調整
使用フィルター:UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2023年1月2日
・FlatAideProによるflat補正
・GIMPによる色レベル・トーンカーブ・露出調整
を、行ったところ、以下の画像を得ました。本当にこれがまが玉星雲なのかどうか分かりません。
DSS、Sirilの画像比較結果
そしてようやく比較(^-^;
比較は、事情によりjpgに変換したものを使います。画像ファイルの一部を切り取って比較します。
結果としては、どちらも同じ画質と言えると思います。
ということは、Sirilのアドバンテージは処理速度や画像編集ができるということでしょうか。
コメント
今回のところはものすごく重要です。皆さんがコメントで「まずは画像処理ですね」といっていたところの肝の部分です。ここは確実にマスターしてください。
GIMPにかける前のSirilでスタックし終えた画像を、Sirilで開いてから画面下の多分「線形」となっているところを「自動イコライゼーション」にしてみてください。そうするとかなり炙り出した画像になると思います。まずはこれを確認してみてください。この(仮の)炙り出し結果が今後の目安になります。これは見た目だけの仮の変換で、ファイルに保存してもまだ暗いままです。次のステップで実際に明るくします。
次に、一旦「自動イコライゼーション」を「線形」に戻して、上の「画像処理」から「Arcsinh変換」を選んで、上の「Stretch factor」を画面が明るくなるまで右にずらします。目一杯ずらしてもまだ画面が暗い場合は、一度「Apply」を押して、再度Arcsinh変換します。そこそこ明るくなったら、同じArcsinh変換の画面のもう一つのスラーダーを少しづつ右に動かし、背景を暗くしながら、さらに上のスライダーも動かし星雲を明るくするなどして調整し、先の「自動イコライゼーション」で見た画面になるくらいまで持っていきます。気に入った明るさになったら、ここでやっと画像を保存します。その後はGIMPなどに持っていけばいいでしょう。
以上の過程がストレッチというものになります。今はまだArcsinh変換で簡易的にやっていますが、まずはこれできちんと炙り出せるようにしてみてください。これに慣れたら次の「Generalized Hyperbolic Transformation」に行ってもいいかと思います。
私もMac版でSirilを少し使ってみましたが、まだ不安定なところもあるようで、落ちることや、ダイアログの中身が見えない時などありました。ダメな時は再度立ち上げ直すといいようです。
Samさん、丁寧なアドバイス誠にありがとうございます。本当によく分かりました。
自動イコライゼーションの画像がああなるということは、そこまでもっていけるということですね。
早速、まが玉星雲や、Sirilではコンポジットしていないプレアデス星団やオリオン大星雲でも試してみましたが、自在に炙り出しができました。
ただし、まが玉星雲は、頑張っていますが、星雲が上手く炙り出せません。大元の画像がよくないせいか、自動イコライゼーションでも星雲がうきあがらず・・・
過去の画像でまだまだ練習した後、「Generalized Hyperbolic Transformation」に行ってみます。まずは基本が大事ですね。
なんだか、炙り出しと言っていた今日までの自分が恥ずかしく・・・
洗い出しの深さに驚きつつ、これからの天文ライフに胸躍っています。
これからもよろしくお願いいたします。