目次
撮影に至る経緯
昨夜は月齢13.9の明るい月夜でした。
月がとても美しかった。
しかし、DSO撮影にとっては、弊害になります。
ここしばらく疲れているので、散開星団の撮影で心と体を癒そうと思い、物色しました。
ちょうど先だって撮影したカモメ星雲つながりで、カモメ星雲の中に散開星団があることが分かり、星の数も50から100個とちょうど良いため、カモメ星雲タッチ記念に?撮影しようと思いました。
それが、いっかくじゅう座の散開星団NGC2335です。
カモメ星雲の中にあるということで何か変わった画像が撮れるかもしれません。
比較的こじんまりしていたので、久しぶりに、シリーズ「小さな散開星団」です。
撮影の経過及び結果
恒星のピント合わせ
前回撮影した時からドローチューブの位置を動かしていないので、恐らくピントは合っていると思われましたが、念のため、バーティノフマスクで確認しました。
使った星は、プロキオンです。今回の目標天体に比較的近いです。
↓ピントは合っていました。
↓プロキオンです。
極軸設定と自動追尾の状況
極軸設定の状況
カモメ星雲の中にあるとあって、長めの追尾時間を覚悟していました。
したがって、いつもよりさらに気合を入れて極軸設定を行いました。
いつものSharpCapのPolar Align機能を使い、設定誤差を、なんと6″まで追い込むことが出来ました。
まあ、ここまで追い込めるのは運のチカラがとても大きいのですが・・・
自動追尾の状況
約66分の自動追尾を難なくクリアしました。もちろん追尾誤差は出ましたが許容範囲内です。
30年以上経つ赤道儀とモータードライブが、一体どこまでの自動追尾をするのか、一度試してみたいです。
これまでの最長不倒が120分。そこそこ誤差を許容することが出来たら、その先も難なくこなしそうな感じです。
これらの機器は、大事に使っていきたいと思います。宝物です。
基準恒星と目標天体の導入
目標天体NGC2335(赤経07h06m、赤緯-10°01′)に迫るにあたり、基準恒星の候補は、
①おおいぬ座シリウス(等級-1.45、赤経06h45m・赤緯-16°43′)
②こいぬ座プロキオン(等級0.40、赤経07h39m・赤緯+05°13′)
微妙な差ではありましたが、①のシリウスに決定しました。
導入は、一度のトライで成功。ラッキーです。
↓シリウスです。
撮影の結果
[撮影に使用した機器、ソフトウェア]
赤道儀:ビクセン社スーパーポラリス赤道儀
鏡筒:SVBONY社SV503 102ED D=102mm・f=714mm・F値7、EDアポクロマート
カメラ:ZWO社CMOSカメラASI462MC
自動追尾:ビクセン社MD-6
撮影・スタック:SharpCap 3.2 (64 bit)によるノータッチライブスタック
画像編集:SharpCap 3.2 (64 bit) のヒストグラムによる炙り出し、GIMPによる色強調・color enhance処理
使用フィルター:×0.5レデューサー、UV/IRカットフィルター
撮影場所:自宅ベランダ
撮影日:2022年2月15日月曜日
露出8秒間、総スタック時間3984秒(66分24秒)、GAIN200、リアルタイムダーク補正使用。
にて撮影しました。
GAINは、250にしたらフレーム画面が真っ白になってしまったので200まで落としました。
230付近でも良かったかと少し後悔しています。何と言ってもカモメ星雲の中なのですから。
ところが残念なことに、カモメ星雲の赤い雲は写ることはありませんでした。総スタック時間66分にGAIN200では役不足でした。
やはり月夜に淡い雲は難しいですね。
炙り出しの仕方にもよったのかもしれないですが、密集度の低い散開星団です。
少し地味ですね。心は安らぎますが。
しかし、今更画像をまじまじと見ると、何となく背景が赤っぽいような。
もしかすると、カモメ星雲の赤い雲が映っているのかも。気のせいかもしれませんが。
まとめ
今回、カモメ星雲つながりで、NGC2335を撮影しましたが、カモメ星雲はほぼ見えず、少し地味な散開星団を撮影することになりました。
散開星団は派手さは無いのですが、そのいで立ちが、緩さというのでしょうか、癒しを誘います。
それを見るには、望遠鏡やパソコンやらの準備で大変ではあるのですが、必ず最後は癒されます。
今回のNGC2335は、輪をかけて緩かったです。
これからも散開星団の撮影、続けていきます。
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