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まずは土星食(土星の掩蔽)の動画を楽しんでください!
天文ガイド2020年1月号 土星食の動画 2019年7月16日の明け方(チリ標準時,UTC-4H)に南米大陸の一部で見られた、月による土星の掩蔽(土星食)。いわゆる惑星食の一つ、土星食をとらえたリアルタイム動画です。
臨場感あふれる土星食の映像をどうぞお楽しみください。
そもそも「食」って何?
土星食は、日食、月食の仲間です
有名なところでは、「日食」や「月食」があります。日食は、地球からの見かけ上太陽の方向に月が入り込んでくることによって、太陽が月に隠される現象ですね。月食は、太陽の光によって照らされている月が、地球の影の中に入ることによって見えなくなる現象です。これらの「食」は、宇宙空間での位置関係が相互に直線上に並ぶことによって、遠方にある天体が隠されることを差しています。
惑星や小惑星が星を隠す場合もあります
一方、「星食」、別名「掩蔽」(えんぺい)とも呼ばれるこの現象は、日食と同じ仕組みで月がその向こう側にある星を隠す現象を言います。もっと広い意味では、月以外の太陽系の天体にも適応されます。ですから、惑星や小惑星などにより、それより遠くにある星を隠してしまう「星食」別名「掩蔽」もあるわけです。
星食のメカニズム
月は地球のまわりを約一カ月かけて公転しています。それは地球上から見ると、夜空を少しずつ移動しているように見えることになります。ですから、その日・その時間で月の見える場所は少しずつ違っています。
夜空を移動している月と見かけ上同じ位置に他の星が重なる場合に、月による「星食」がおきます。月がその星の前を通過することにより、星が隠される現象です。月のどの場所に隠されるかにもよりますが、長くて1時間くらい隠れている時間があります。
土星食のメカニズム
土星食も上記のメカニズムと同様です。土星は約30年で太陽のまわりを一周する惑星です。この土星と月が、それぞれ天球上を動いていく中で偶然重なり合うことによって、「土星食」が起こります。
次はいつ土星食を観測できるの?
国立天文台の予想によれば、2024年に起こりますが、明るいうちなんです。いずれにしても、白昼の観測は難しそうで、最低でも口径100mm級の天体望遠鏡が欲しいところです。
日付 | 種類 | 状況 | 見える地域 |
2021年11月8日 | 金星食 | 白昼の現象 | 九州の一部を除く全国で見える |
2021年12月3日 | 火星食 | 白昼の現象 | 全国で見える |
2022年5月27日 | 金星食 | 白昼の現象 | 南西諸島で見える |
2022年7月22日 | 火星食 | 日の入り後 | 本州の一部で見える |
2023年3月24日 | 金星食 | 日の入り後 | 南西諸島などで見える |
2024年5月5日 | 火星食 | 白昼の現象 | 全国で見える |
2024年7月25日 | 土星食 | 白昼の現象 | 全国で見える |
2024年12月8日 | 土星食 | 日の入りの頃 | 日本海側の一部を除く全国で見える |
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